明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

『竜馬がゆく』(司馬遼太郎/文春文庫)

イメージ 1

読み終わり!

全八巻。
3月4月はずっとこれを読み続けてようやくその結末を見た……。



「男は誰でも、人生の中で一度は坂本竜馬になりたくなる時期がある」

というのは自分のグループに<海援隊>と名づけ、
自分の演じる役柄の苗字を独断で<坂本>にしちゃうほど
坂本竜馬好きで有名な坂本金八……じゃなかった、武田鉄也の言葉なんだけれども。




いやあ正にその通りでね!

今俺なりたいもん、坂本竜馬に。

さすがきんぱっつぁん。






まあそれは冗談としても。
司馬遼太郎を読むのは『功名が辻』に続き二作目。
なんだか『功名が辻』より読みづらかった……

「『竜馬』は中だるみする」
ってのは知り合いの司馬遼太郎好きな人のセリフ。
確かに。
と思う。
司馬遼太郎好きですら「中だるみする」って言うんだから。



けども、その分(?)ラストというか終わりぎわの盛り上がりは凄い物がある。
それもこっちとしては竜馬の最後を知ってるわけですよ!
どうなるか。

しかも「幕末最大の謎」とされる坂本竜馬暗殺犯の解明にページを費やすのかと思ったら
全然費やしてない。
その理由が本文中にあるので抜粋


 この長い物語も終わろうとしている。人は死ぬ。
 竜馬も死ななければならない。その死の原因がなんであったかは、この小説の主題とは何の関わりもない。筆者はこの小説を構想するに当たって、事を成す人間の条件という物を考えたかった。それを坂本竜馬という、田舎生まれの、地位も学問もなく、ただ一片の志をのみ持っていた若者にそれを求めた。
 主題は、いま尽きた。
 その死をくわしく語ることは、もはや主題の外である。
 竜馬は、暗殺された。



…………とまあ、こうあっさりと記述するわけですよ。
続けて
 暗殺などは、たとえば交通事故とすこしもかわらない。
とまで書いている。
いままで精魂込めて描いてきた主人公、幕末劇の立役者である坂本竜馬の死は、
交通事故で死んだのと変わんない。
とまで言うんだからもう、ものすごい淡白。

「事をなそうとする者は死を恐れてはいかん」
と竜馬は言っていた、と司馬遼太郎は書いているから、つまりこの記述の淡白さも、
「事を成す男とはこうである」
というテーマに沿っているというだけのことかもしれない。

んで、
龍馬が一体その人生でなにをなしたかということを、20秒でわかるように説明すると

薩長同盟を成立させ、倒幕の決め手を作った
・『船中八策』を書き、新政府、五箇条のご誓文、新時代の思想の基礎を築いた
大政奉還を発想し、それを成した
海援隊亀山社中/日本初の株式会社)をつくり近代海軍の基礎となった


ええとその、細かいところではいろいろ違ったりするんだけれど、だいたいこう。
まあ細かいところについては「読め」と言うしかない。

薩長連合、大政奉還、あらぁ、全部竜馬が一人でやったことさ」
と竜馬死後に勝海舟が言ったらしいけれども。
そのどちらもが維新史では大きなウエイトを占めている出来事。

明治維新という日本史の中でも最も劇的といっていい時代で、最も活躍した中の一人であり、
その中でも抜きん出て存在感のあった人物らしい。坂本竜馬という人は。


ところで、
本当は「坂本竜馬」でなくて「坂本龍馬」らしいですよ。
小説の主人公である「竜馬」と、史実の人物である「龍馬」を区別させるために、
作者がわざとそうしたとか何とか。






それにしても、格好よすぎる。
そう、格好よすぎる。
これがこの小説の感想を端的に表せる表現。

土佐の田舎侍だった一人の男が、自分のちからと考えだけで日本の未来を想像し、時代を回転させ、
新しい国を生み出してしまったのだ。

いやあ……「奇跡」というしかない。
格好よすぎる。

ペリー来航以来、混迷を極めた近代黎明期日本。
その中でひとり、己の信念と情熱だけを武器に、維新を成し遂げた男。
坂本竜馬
そしてその男は維新の達成を見ないで死ぬ。



 天に意思がある。
 としか、この若者の場合、おもえない。



最後に作者はそう言う。










いやあ……格好よすぎる。








北辰一刀流
習いたいぐらいだもの!
あ、ちなみに龍馬の剣術の流派ね、北辰一刀流てのは。

公文式とかで教えてないかな
<国語>
<算数>
<英語>
北辰一刀流

みたいに。




月謝が五千円までなら通う。














それにしてもね、
以下は不真面目な感想。










竜馬モテすぎですけど!?
出てくる女出てくる女
「竜馬さま……(ハート)」
って感じになってますけど!
マジで!!
竜馬総受け!
って言うのかこういうのを!?

北辰一刀流免許皆伝、千葉道場の娘、さな子なんてしかも
典型的な「ツンデレ」ですけど!!
笑っちまうくらいの!




ちょっwwwwおまっwww司馬www



ツンデレ」がわかんない人はぐぐるなりなんなりしてください。
たしか去年のイミダスだか現代用語の基礎知識だかに載ったらしい。
うちのサークルの北島会長が好きなタイプの女性。



というより。

この さな子 がツンデレの源流なのかもしれない。
この『竜馬がゆく』のさな子がツンデレの「種」だったのかも。

「『坊ちゃん』は学園(教師)ドラマの典型」
なんていうのと一緒で、それ自体に魅力がありすぎるもんだから、亜流と言うか傍流と言うか
二番煎じというかインスパイアがたくさん出て、
いちばん最初は「新鮮」だったものが「典型」として見られるようになるのかもしれんね。


なんて論理学的にすこし小難しい風に言ったところで

台 無 し 感 は 否 め な い 。


ううーん……真面目な感想だけでやめとけばよかったかな……