明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

映画『荒野の七人』

イメージ 1

映画『荒野の七人(原題:THE MAGNIFICENT SEVEN)』感想

映画『荒野の七人』を観る。
1960年公開の映画で、あと2年で半世紀前の映画ということになる古い作品ですが、
有名な作品でもあるし見てみた。
黒澤明監督の『七人の侍』に惚れこんだ監督が、
リメイク権を買い取らせてアメリカでリメイクしたとか。


『リング』とか『南極物語』とか、
アメリカでリメイクされた日本映画の嚆矢なのか?


☆感想
まんま『七人の侍』だこれww
や、まあリメイクだから当たり前なんだけど。

七人の侍
野伏せり(落ち武者)が農村にやってきて、
米やら女やらを差し出せと言う。
長年の収奪に困った農民が、
「やるべし」と、野伏せりを討つことを決意する。
けれども戦いは素人なので、
助っ人として侍を雇って戦をする。
戦いの中、侍は何人も死んでいくが、
最後には野伏せりは退治され、
侍「勝ったのは、農民だけじゃ…」と言って終わる。

『荒野の七人』
盗賊に作物を奪われるメキシコの村が、
助けを求めてガンマンを雇って撃ちあいをする。
戦いの中、ガンマン達は何人も死んでいくが、
最後には盗賊は退治され、
ガンマン「勝ったのは、農民だけさ」と呟いて村を去る。



七人の侍』の話をガンマンが演じたのがこの映画です。
菊千代(三船敏郎)的若者向こう見ずガンマンから、
久蔵(宮口精二)的寡黙で求道者的ナイフ投げ青年まで登場。
特にまき割りのシーンがそっくりで笑った。
戦国時代の日本も西部開拓時代のアメリカも、
まき割りのやり方はそんなに変わらないのね。

村人が食べ物じゃなく、お金で人を集めようとするのが不満といえば不満だけど、
全体としてはうまく『七人の侍』を換骨奪胎できていて、
おもしろかった。
まあ半分はパロディの面白さというか、
「『七人の侍』と一緒だー!」
と言って喜ぶ面白さなんだけれども。
七人の侍』を観てから観るのがお勧め。
むしろ『七人の侍』を観たら、関連映画として観るのがお勧め。

ストーリーで『七人の侍』とおおきく違う点は、
前半の冗長なところが『荒野』ではざっくりカットされているところと、
途中で村人が盗賊側と話し合ってガンマンを追い出してしまうところ。
それまでがずっと同じ話なだけに、
村人に裏切られたときはドキッとした。


『荒野の七人』は、アメリカの監督が『七人の侍』を元に作った西部劇なんだけれども、
逆に言えば、
七人の侍』という映画は、日本人が日本の文法で作った西部劇なのだと思った。



特典映像とかを見ると、
監督だけでなく役者たちも『七人の侍』を観ていて、
「ボクがあの役をやれるなんてカンゲキだよー」
とか言っていたのは、
当時のクロサワ人気がいかほどのものだったか少しうかがわれる?
ジョージルーカスもあれみて『スターウォーズ』で三船敏郎にオファーを出したり(ミフネは断った)、
強い影響を受けたとか言うし。


それにしても驚きなのは、
日本の映画会社がリメイク権やら諸々の権利を、
わずか250ドルで売り渡してしまったということですね。
もったいない…。