明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

アナロ熊

イメージ 1

イメージ 2

画像は2chで作られたAA「アナロ熊」。
AAはこちら↓

      ┼╂┼
    ∩_┃_∩
    | ノ      ヽ
   /  ●   ● |
   |    ( _●_)  ミ  ブログで見ると
  彡、   |∪|  、`\  微妙に細長いクマー 
  / __ ヽノ /´,>  )   
 (___)   / (_/
  |       /
  |  /\ \    
  | /    )  )   
  ∪    (  \
        \_)



「裸で何が悪い」
と歴史に残る名言を残して地デジ大使を降板した草 くんの代わりに現れた地デジキャラクター、
チデジカに対抗する?意味で作られた草の根発のキャラクター。
「クマー」というAAが元になっています。

地デジカ対抗「アナログマ」出没 応援歌も‐ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0904/30/news048.html

地デジカから引導、哀愁の「アナロ熊サーチナ
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0501&f=national_0501_031.shtml
【地デジ代役「地デジカくん」8割が「良くない」】
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0428&f=business_0428_104.shtml

そもそも「地デジカ」なんぞや? って方もいらっしゃるかもしれませんが、
地デジカを作った民放連が

>一般のブロガーの方がブログに掲載したり掲示板に載せることも、
著作権の問題がありますので黙認することはしません

という時代錯誤的空気読めてない発言をしていますので、
当てつけの意味で画像は張りません(笑)。

【“地デジカ” の無断美少女イラストに「断固として許さない」と民放連-livedoorニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/4131783/

で、
ようやく本当に紹介したいことなんだけど、
アナロ熊」はすでに以下のような曲まで作られています

アナロ熊のうた」
http://www.youtube.com/watch?v=r1mqlBNmAyA

で、それをアニメーションにしたもの↓

アナロ熊のうたにアニメつけてみた」
http://www.youtube.com/watch?v=bUMtQCPbTuc

ニコニコのアカウント持ってる人は、なぜか↓のほうが音質がいいです
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6896161
打ち込みだろうけどギター・ドラム・ベースがいい感じに聞こえます。
「謎の感動」というタグが言い得て妙。


ええと、
いまさらですがこうなるまでの順序を簡単に説明します

①ちょっとお酒を飲みすぎた人がちょっと開放的になりすぎる
 ↓
総務省の鳩山大臣激怒、地デジ大使降板。
 「今のテレビ、2011年には見られなくなります(その前に僕が見られなくなります)」
のCMをぱったり見なくなる
 ↓
③民放連、地デジ普及キャラ「地デジカ」を発表
 ↓
2chで「アナロ熊」AAが作られる
 ↓
⑤並行して「地デジカ」の擬人化イラストがpixivに投稿される
 ↓
⑥民放連「地デジカ」は我々に著作権があり、違反は断固許さない発言
 ↓
ニュー速+でプチ祭りに。AAのバリエーションが増える
狭量な民放連を揶揄する意味で「著作権はありません」と書き添えられる
 ↓
初音ミクで「アナロ熊のうた」を作った人がYoutubeとニコニコにUP
 ↓
⑨曲自体のデキのよさもあって人気が出る。
アニメがつけられるなどさらにバージョンアップする←今ここ

正確ではないかもしれませんが、
大体こんな感じ。
(特に④~⑥は前後している・同時期かも)

問題の本質は民放連が(ネット)ユーザーに反感を買うような発言をしてしまったこと。
その原因は、
おそらく民放連の中の人がネット時代の感覚を全く理解していないこと。

「ブログに画像のせるのも禁止! 許さない絶対にだ」
というのは、
キャラクターの本来の目的(地デジ移行のPR・普及)をすっかり忘れている、
本末転倒発言だといわざるを得ない。

そりゃ、
イラストが改変されてキャライメージが崩されるのを嫌がるのはわかるけど、それなら
「キャラクターの本来の目的がPR・普及である以上『やめろ』と強く言うことはできないが、
キャラクターイラストの二次創作、特に性的なイメージをにおわせる改変は、
キャラクターのイメージを壊してしまう行為。できればやめていただきたい」
くらいの柔らかさでの発言をするべきだった。

ああいう上からのものいいをするから反感を買われる。
反感を買われると、ネット掲示板で祭りになる。
祭りになると手がつけられなくなる。

こんな簡単なことがなぜわからないのでしょーか。
それがIT革命前の前時代的な考え方だといつ気がつくのでしょーか。
いつまでもそんな古いことをいっているとテレビは滅びるど。

それにしても。
この「アナロ熊」AA誕生からアニメ動画作成までの流れは、
とっても新時代的というか、
これこそWeb2.0的な現象ではないでしょうか。
(いやWeb2.0って実は明確な意味知らないけど)
(なんていうか、新しい時代のインターネット・
あるいはインターネットによる新しい時代、というような意味で)

AAから、
曲が作られ、
イラストが描かれ、
アニメが作られ、
それをみんなで楽しみ、
一つのムーブメントになる。

この過程で、
「プロ」としてやっている人、
「仕事」としてやってお金をもらっている人は、
一人もいません。

すべて
「面白いから」
でやっている人が面白がって、
すでにあるものに「付け足していく」を繰り返していった結果です。
(ヒップホップ用語では「マッシュアップ」を繰り返す、というのだとか)
(そしてそれらは匿名な場合が多い)

もともとあったものに、
いろいろな人がちょっとづつ手を加えていって、
ただのラクガキレベルのものが、
コンテンツとして価値を高め進化していく。

名前も性別も年齢も知らない人たちが、
インターネット上だけでつながって、
「面白いから」だけでバトンを渡していって、
最終的になんだかすごいものができあがる。

これってすごいことじゃないですか?


創作と発表はいまや一部の特権階級のものだけではなくなりました。
そこに存在するのはネット社会の「消極的善意の総和」とでもいうか、
面白いものを面白がる悪ノリの気持ちです。
(それが行き過ぎることがあるので既存マスコミからは「暴走するネットの闇」とかもいわれるけど)

なんというか、
ネットを味方につけるには、
ユーザーがそうやって面白がっているところを邪魔してはいけないと思うのです。
(「ローゼン麻生」なんて呼ばれても否定しなかった麻生総理は―意図していたいないに関わらず―
ネット人気が出ましたね)
(あれをもし、むげに、頑なに否定したらそりゃネット住人はがっかりですよ)

ネットで一番キャラクターがイベントのPRに役立ったのは、
あの「せんとくん」かなあ。
だってあれがいなきゃ遷都何周年がどうのなんて全く気にもしなかっただろうし。
(しかしあれはキャラ人気?だけが先行した感もあるけど)


なんだか思った以上に長文になってしまった。
今日の内容にタイトルを付けるとしたら
「インターネットにおけるコンテンツの自然発生・匿名不特定多数ユーザーによる改変(改善)の経過と、
ネット時代におけるPRの難しさと旧態依然たるテレビ業界の傲慢」
とか。

上記「アナロ熊のうた」作者さんのコメント抜粋(ニコニコ動画より)
>■地デジカ問題で盛り上がる某所で発生した『アナロ熊』に感銘を受けて脊髄反射で作ってしまった
>■全ては掲示板に集う卓越したセンスを持つ皆様のネタのお陰です。

要はこういうことなんですよね。
某大学社会学部メディアコミュニケーション学科(長い)で講義してやりたいくらいですよ