明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

映画『逆転裁判』見てきた

イメージ 1

うーむ、微妙であった。


一週間ほど前、ワーナーマイカルシネマの日で1,000円で見られる日に見てきました。
画像は公式サイトのトップページ。
以下はその感想。

【概要】
ゲーム『逆転裁判』シリーズを映画化。
ストーリーは初代『逆転裁判』(GBA/2001年)のものを大まかに踏襲。
あのナルホドくんやマヨイちゃんが映画に! 

CGを駆使した法廷シーンやサスペンス感あふれるドラマシーンは迫力満点。
主人公の弁護士・成歩堂龍一が“40年間無敗”の検事・狩魔に挑む。
友の無罪を晴らせるか。

【感想】
いや知ってました。
知ってましたよ。
予告編を見た時から想像はついていましたよ。

うわぁ… イロモノだぁ…。

いやいやいいんですよイロモノでいいんです。
ゲーム(や漫画)の実写映画化なんてそうそううまくいくものではありませんから。
特に日本においては。

んでまぁ…
公式サイトを見ていただければ分かる通り
登場人物の服装や世界観の設定なんかはけっこう忠実に再現されています。

まず最初に考えたいのは映画としての方向性。
なにか別メディアで原作があるものを実写化しようとするとき
方向性は2つあると思うんですよね。

①世界観や設定などは原作のものを下敷きに、うまいこと映画用に改変、換骨奪胎する。
例)『三丁目の夕日』や『バイオハザード』、『釣りバカ日誌』など
(こちらは比較的いい映画に仕上がることが多いように思います)

②設定や人物や服装など丁寧に原作を再現する。(原作ファンが求めがちなのは大体こちら)
例)『21世紀少年』、『デスノート』、ドラマ『動物のお医者さん』など
(『デスノート』はストーリーも踏襲しつつ改変がほどよく効いていましたしCGのリュークがすごかったし
動物のお医者さん』は再現度がすごかった)

それでこの『逆転裁判』についてなんですが、どちらかと言うとやはり②にちかいです。
まあ公式サイトや予告編の映像を見てもらえば分かる通り
奇妙奇天烈な髪型や服装をしていますからねみなさん。

服装や髪型はゲーム然、というかコスプレ然としているんですが…
劇中はわりかしシリアスなんですよね、雰囲気が。

裁判をモチーフにした映画なのでシリアスになるのは当然なのですが
出演者全員コスプレ状態です。
コスプレなのにシリアスな裁判映画をやろうとしている節があります。

ううむ。

それでいて途中にギャグやコメディ要素も入れて、
くだらないボケで吉本新喜劇並の「ズッコケ」(出演者が実際にその場で転びそうな演技をする)をしていたり
「マジなの? ボケてるの?」、「ハラハラさせたいの? 笑わせたいの?」と不安定な気持ちに。

ううむ。

監督がシリアスとコメディのどちらに振ろうか迷っているのがものすごい伝わってきます。
ゲームだと気にならない裁判中の「ボケ」でも、実際の人間がやると違和感がすごい。

ゲームではうまく料理されていた
「シリアス中にコメディをやるおかしみ、コメディからパッとシリアスに切り替わる緊迫感」というようなものが
この映画では全然再現されていません。

ただ本当に「コメディもシリアスもあるよね。これが『逆転裁判』なんだよね~(したり顔で)」と、
形だけおざなりになぞっただけのように感じます。

うううむむむ…。

そもそも監督が原作ゲームをそんなに好きじゃないんだろうなあと。
感じてしまいます。しまいました。

んーだからどちらかにしてほしかったですよね。
ガチでシリアスならシリアスで、設定を引用して「法廷映画」としてまじめに作るのか(①のパターン)。

「ゲームを実写で楽しむ」というコンセプトならコンセプトで、
映画としてというよりゲームシリーズのファンに向けた
原作ネタたっぷりのコメディ映画にしちゃうか(②のパターン)。

コメディにしては画面が暗かったり話が重かったり気軽に楽しむという感じではなく、
シリアス法廷映画としてはアホみたいなギャグや妙ちきりんな服装や近未来設定がありえない。

原作ファンにしてみれば再現度が甘い。
原作知らない人にとっては(普通にゲームを遊べば10時間程かかる話を凝縮してるから)話がわかりづらい。

どっちつかずなんですよねえ…。

ゲームの『逆転裁判』は、殺人事件を扱ったりするので当然サスペンスな要素もあるんですが
映画で作られていたようなむやみに暗い、おどろおどろしい雰囲気はそんなないんですよね。

監督は「とにかく原作を再現した」と豪語していますが、その再現も、できていないようにおもいます。
魂が違っている。
ただ髪型や服装や設定や話の筋を同じにしたからいいというものではないでしょう。

ていうか千尋さん(色っぽい先輩弁護士)が檀れい(40)でいいわけないだろ!

ここに「異議あり!」ですよ!!


…(ドヤァ。


檀れいさんは別に全然きらいではありませんが!
不惑の谷間なんて見たくねー…。
せめてあと10歳は若い女優さんをですね。お使いいただきたかったなと。
思いました。

えーと…話がずれそうなので

【まとめ】
シリアスとコメディのバランスが悪い。
コメディすべきでないときにコメディするから馬鹿にされているように感じる。
シリアスの必要のないところまでシリアスぶるから疲れちゃう。

原作ファンも原作ファンでない人にも楽しめる映画をつくろうと思った結果、
そのどちらからもイマイチに感じられる中途半端なものになってしまったのでは。

「多少改変しても熱い法廷バトルの『裁判映画』を真面目につくろう」あるいは
「仮にわかりづらくなったとしても、原作ファンを第一に、大事に考えよう」という
割り切りというか覚悟がなかったのでは。

ていうか監督、原作のゲームそんな好きじゃないでしょ?

そう思えてしまうのが一番残念でした。
1,000円で見て妥当だなとおもいました。マル。

【その他瑣末な感想】
・ヤハリの再現だけは完璧。文句なし。ていうか本人だコレ!
・あっこの中尾明慶って役者さん、『RAILWAYS』に出てた若い運転士の人だ…
・あっさらに『RAILWAYS』に出てた余貴美子さんも出てるんね。
・マヨイちゃんの服装の再現度もすごい。なんだこのミニスカ和服…。
・エンディングに出てくる駅、あーこの駅行ったことある! 豊郷小学校へ行く途中の駅だ! 
と思ったら…なんと豊郷小学校も法廷としてロケに使われていたようです。
「滋賀のロケーションガイド」というブログに記事がありました。
けいおんグッズ1000点を移動させて撮影したとか…)

・狩魔検事、石橋凌って人かぁ… って、最初気づきませんでしたが
アニメ輪るピングドラム』の挿入歌に使われてるARB(ロックバンド)のボーカルの人け!
ここのところ車の中ではそのアルバムばっかり聴いてます。

3DSの『レイトン教授VSの逆転裁判』も楽しみ!