明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

『MOTHER3』をクリアしたという話(長文)とか

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奇妙で、おもしろい。そして、せつない。


というのは、このゲームのシナリオを書いた人でディレクターで一般的には
「一行一千万」
コピーライターの糸井重里氏が、このゲームのためにつけたコピー。



『MOTHER2』のコピーは「おとなも、こどもも、おねーさんも。」
秀逸。

他にも

「生きろ」(『もののけ姫』)とか、

「落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です」(『魔女の宅急便』)

「好きな人が、できました」(『耳をすませば』)


とかのジブリ映画のコピーも。
詳しくは「ほぼ日刊イトイ新聞」で。
ところで「1101」で検索したらちゃんと「ほぼ日」がでてきた。



このゲーム、もともとはニンテンドー64で開発されていたんだけど、
一度「開発中止」の正式なアナウンスが出て、その後10年近く経ってGBAでの開発が決定されるという、
紆余曲折を経てようやく発売されたゲーム。

見えないところではもっといろんな紆余曲折があったんだろうけど。





今時珍しい2Dの本格RPG
戦闘システムが特徴的。
リズムを打つようにボタンを連打することで攻撃が最大16ヒットするサウンドバトルシステムと、
HP以上のダメージを食らっても、目盛りが0になる前に回復すれば大丈夫というドラムロールシステム。

あと、特に目新しいものは……ないかも。
各キャラのセリフはよかった。
どきっとするような、エッジの効いたセリフが所々に出てくる。
つくるときに、糸井さんがセリフを口で喋って、それを隣で文章に起こすというつくり方をしていたそうなので、
セリフはそのまんま糸井重里センス丸出しというかむき出しで、妙に味がある。
一行一千万の面目躍如。
ぐんまけん。

ストーリーのあらすじと感想だけ。




☆あらすじ☆

争いも、競争も、「お金」という概念すらない、理想郷のような村、タツマイリ。
主人公はそこに住む家族の双子の弟リュカ。
母と兄と三人で、祖父の家に来ていた。
庭には仲良しの恐竜ドラゴがのんびりと遊んでいる。
母が「夕方には帰ります」と、ハトに手紙をくくりつけて飛ばしたその日、タツマイリに謎の飛行物体が訪れる。

夜、村に残って羊の世話をしていた父の元に、
「森が火事だ!」
村人が駆け込んでくる。
村の北にある森が、大火事になっているというのだ。
祖父の家は、北の森のさらに北にある。
祖父の家から村に帰ってくるときには、必ずその森を通って帰らなければいけない。
家族が火事に巻き込まれて、燃える森の中で立ち往生しているかもしれない。
父は慌てて、北の森へ向かう。

見つからなかった家族は、最悪の形で見つかった。
妻・ヒナワは、絶命していた。
ヒナワの胸には、人を襲うはずのないドラゴの牙が突き刺さっていたという。
(主人公・リュカの)双子の兄は、母の仇をうとうと、ドラゴの元へ走っていった。
父もそれを追う。
兄が追っていったのは、断崖が続く厳しい山である。
見つけたドラゴは、何者かの手によって、以前とは全く違った不気味な化け物に改造されいた。
父は、母の胸にささっていたドラゴの牙から削りだした武器で、母のかたきを討つ。
しかし、兄は、見つからなかった。

父と弟は、一夜にして二人の家族を失った。
くたびれ果てて家に帰った父の元に、母が放った伝書鳩が届く。
そこにつづられていたのは、事件など起こるはずもないと、平和を確信している、愛の溢れる文章だった。
物語は悲劇から始まる。
悲劇から立ち上がるのは、泣き虫で臆病者の双子の弟、リュカ。
今はただ、母の墓の前で、泣いて毎日を暮らしている。
父は見つからない兄を探して、毎日山へ入って、さまよっている。

森には、今まで見たこともない不気味で凶暴な生物が闊歩するようになった。
村には、謎の商人が「お金」というものを持ち込んで、「幸せ」というものについて語り始めた。
世界が、変になっていく。

母の墓の前、泣いてばかりいる弟・リュカが立ち上がったとき、世界を救う旅が始まる。





☆感想☆
7点。
よく出来てはいるけれど……。
それ以上のモノは……ないかな……。
操作性周りとか、RPGとして(評価されづらい部分ではあるけれど)重要な部分の整備が不徹底だとか、
アイテムや装備のメニューが使いづらい。イライラする。

セリフはいい。
途中、食べちゃいけないキノコを食べて幻覚を見るシーンがあるんだけど、
そのときの鬱台詞(言われると非常に鬱になるようなセリフ)のラッシュはちょっとクルものがあった。

ひとことひとことはいいんだけど、それがストーリーにつながっていなくてバラバラな印象。
ことばの力がストーリーの向上に役立ってない。
そのへんが堀井雄二ドラクエの人ね)とコピーライターの差?

あと、敵側と重要なアイテムの奪い合いをするようなシーンで、こっちが早く到達してボス敵も倒しているのに、
敵側のキャラが現れてさっさと取って行くのが凄く嫌だった。
ボスを倒しているのに、フラストレーションだけがたまる。
ストーリーがゲーム向けじゃない。
小説版も出る?のかな?(シリーズ過去作品は出てるので。久美沙織が書いてる。『1』は読んだ。感動した)
小説版、出るならそっちの方が楽しいかも。

ってそれ、「ゲームとしては無価値」って言ってる様なもんでは……。

いや、細かいところに不満点はあるけど、ゲームとしてはよく出来てる。
よく動くドットキャラは今の時代、逆に新鮮に感じる。
けれども。

サウンドバトルつながらねー、とか、敵キャラに触れると戦闘じゃなくて普通のエンカウントの方がよかった、とか、微妙にバランスがキツイ、キツイと言うかザコ敵がやけに多くてウザイという
わりとRPGとして基本的な部分がダメだったりしたり……。
でもまあ、飽きずに最後までやらせるぐらいの面白さはある。7点と書いたけど、限りなく6点よりの7点かな……。

音楽はGBAとは思えないほどの量と質。
全部で250種類の曲があって、その全てがサウンドテストモードで聞けるのは嬉しい。

ラスボス→エンディングを含めて、シナリオには賛否両論。
ゲームのシナリオなんて添え物なんだから、あんまり込み入ったものにする必要はないんだよね本当は。
せいぜい『ドラクエⅢ』ぐらいでいい。
練りこんだもので『ドラクエⅤ』ぐらい。



シナリオがあんまり……っていうのは、内容がダメ、というよりも、ゲームシステムにあんまり「相性がよくない」
って感じ。
『2』のあとに時間が空いてしまったのも、プレイヤーが置いてけぼり感を味わう遠因になってるかも。
でもまあ、なんというか、作家性の強いシナリオで、嫌いじゃない。
シナリオ(セリフを含めて)は好きだけど、それがあんまり「ゲームの面白さ」につながっていない、ってのが
致命的。
エンディングも、無理矢理感動させようとしてる感がある。
それでも感動したんだけどね俺は。
64版に入ってた(入る予定だった)っていうセリフがネット上にあったけど、
すごい「きわどい(鬱展開過ぎる)」セリフで、削ったのもなっとくできるけど、
もっと思い切って鬱にした方が、狙いが絞れてよかったのかも。
だから逆に、最先端美麗ポリゴンでやったほうが、このシナリオにはあってたかもね。
2Dドットでも、見た目がかわいいのに不気味、っていう独特の味はあるんだけどね。


それでも萌え萌えしてるだけのいろんなゲームのシナリオなんかよりはよっぽどまし。
なんで萌え萌えしてるのが嫌いかって言うと、それはつまりゲーマーに対するおもねりで、
あざとい商売の匂いがするから。
「萌え」は結果としてついてくるものなんだよ本当は。
ってあー。こういうことを真面目に語っちゃうからひかれるんだよいろんな人から。
っていうかゲームの感想でこんなに長文を書くってだけで、一般の人は引くんですよねー。
そういう人に限って、何かから受けた感動を誠実に文章に起こすことの難しさを知らないから困る。
誠実に感想を書くことは難しいし、モノに対して誠実にあろうとすればするほど、自然と長文になるし、
本気で書かざるを得ない。
まーいいんだよ本当は他人の評価なんて。
でもひかれると落ち込む。
できるだけ引かないで欲しい。
なんかねー、俺が本気を出せば出すほど周りは引いていく毎日ですよ。
だから普段はできるだけテンションを下げて事に望んでおる。



話がそれた。
『MOTHER3』の話。

まとめ。
・2DのRPGとしてはいい出来。
・シナリオは独特。「おもしろいのか?」と聞かれれば「……ユニーク」と答えるのが一番かも。
・戦闘システム等に独特で新しい点はあるけど、消化しきれていない印象。
・システム周りに不満点が多い。
・20時間でエンディングで、RPGとしては短めだけどそれで十分。
・途中で中だるみする。ストーリーが間延びしてる。
・個人的には、RPGはもっと世界を旅する感じがほしい。その点『DQⅢ』『DQⅤ』最高。


ゲームにしては珍しく作家性の強いシナリオに向き不向きがあるんだろうね。
鬱な展開でダメだ、という意見もあるけど、それはまあ平気だった。
互いに互いを思いやって暮らしてたタツマイリの住人が、「お金」の概念のせいで段々やな奴になっていく展開なんかは、すごく嫌で、よかった。
DQⅣ』なんて勇者の章は「村全滅(そして幼馴染が身代わりになって死亡)」っていうとんでもなく鬱な展開から始まるし。
DQⅣ』は単純に勧善懲悪じゃない、ドラクエシリーズでは珍しい話かもね。

あーちゃうちゃう、マザーの話だ今日は。
なーんかねー。ネットでも評価の分かれる作品で……。
確かに素晴らしく良いところもあるけど、明らかにダメなところもあるんだよねー。
その点、総合的な評価は難しいけど……。でもまあ、20時間もプレイしてしまったという点で、
やっぱり7点は下回らない。
けども、20時間でおなかいっぱい、という点で、7点を上回るような気もしないんだよね。


長いわりに全然まとまってないなこれ。
いやーすまんね。
興味もないのにここまで読んでくれたあなたには、きっといいことがあるでしょう。
そんなヒマ人に幸あれ。



さて次は『かまいたちの夜3』を……。