明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

昔の中国の話

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画像は特になんと言うことも無い拾い物。
夜神局長は映画では私の記憶がたしかならば鹿賀丈史さんが好演してた。

野球の影響で筋肉痛になった……。
足と手のひらが痛い。

土曜の授業2限が法制史(東洋)なんだけれどもその授業が面白い。
中国の法制史なんだけれども、
現代まで含めて中国を理解するにはまず「宗法性」を理解する必要があり、
宗法性を理解するために周代のことを理解する必要がある。

その教授曰く
「ありがたいことに中国では今=昔なので、昔の中国を知れば今の中国が分かる」
という乱暴なことらしい。
でもたしかに中国語には過去形の文法ないもんね。
あの広大な大陸に住めばそれくらいおおらかな気持ちになっても仕方がないかもしれん。
たぶんネイティブアメリカンも気持ちは限りなくおおらかだし。

周というのは中国大陸に起きた初の統一国家で、
成立は大体紀元前1000年ぐらい。
その頃日本は弥生時代で、
文字記録がないからあんまりわかってないんじゃないかな?
57年に中国の歴史書に記録が出てくるまで。
周といえば殷周革命といえば『封神演義』……昔のジャンプは面白かったなぁ。

話がずれた。
まあ自分でずらしたんだけれども。
でもって周代を理解するために封建制というものを理解する必要がある。
統一国家を持った周王は考えた。
「どうやったらこの体制を磐石にできるかなー?地方を豪族に支配させたら反乱起こされる可能性があるシナー…」

       |
   \  __  /
   _ (m) _ピコーン
      |ミ|
    /  `´  \
     ('A`) そうだ!
     ノヽノヽ
       くく

「そうだ!血縁による支配がいいかもしれん!」


というわけで各都市に自分の子供を配置して支配させた。
昔の人は子沢山だからね。
あの広い中国全土に子供を置けるほどの子沢山だしそれだけ作る必要があった。
ディープインパクトばりに大変な仕事かもしれん。

というわけでマックスウェーバー言うところの『支配と恭順』の一大関係性が作られることになる。
その社会では
①親子関係
②兄弟関係
③年齢
④役職の上下
によってすべての秩序が成り立っていて、
子が親に逆らうことは、
ただ「子が親に逆らう」という意味だけのことではなくて、
それは「社会秩序を乱す」ということになり結果的に漢民族社会からの離脱を意味する。
ゆえに子は親に逆らえない。
なので反乱など起こりうべくも無い。
この秩序のことを「礼」という。

現在でも中国人の最大の価値観は親の面倒を見るということで、
それは「善悪」という概念よりも優先される価値観……なんだってよ。

そして上記の①~④を組み合わせて「位階制」ができる。
聖徳太子が簡略化して持ってきたアレです。

服の色や素材を変えたり、
頭に載せるリボンの色を変えたりしてどっちが格上か一目でわかるようにするなど、
「礼」の形式化がなされたりした。
(頭に載せるリボンのことを『頂戴』という)


「礼」システムが家族単位になると「宗法」というものになって、
それは要は『「長男家の長男」が一番偉い』ということを規定している。
張作霖の長男である張学良が30何歳の若さにして国共合作を成せたのは、
張家の宗家(本家)の長男であるから、
つまり張家何百万人の意思、行動を学良が動かせるという状況だったからなのであって、
その力でもって蒋介石毛沢東を結び付けられた、と……。

「礼」システムの具体例がこの張親子なので、
それを説明したりするらしい。
まさにその二人が主人公である中国歴史小説『中原の虹』を読んでる身としては面白くてたまらん。
むしろネタバレっぽくてちょっと困る(笑。


その「礼システム」は孔子が言うところの「仁義礼智信」の「礼」と同じものなのか、
日本の明治民法下の「家父長制・イエ制度」とこの「宗法」は別物なのか、
とか先生に質問しに行こうとしたら
「ごはんごはん……」
といって逃げるように立ち去っていってしまった。
淋しい気持ちになった。

NHKの番組よりつまらない授業が多い中で、
このように具体的で現代につながっていておもしろい授業は何よりも貴重。

いやこれが本当に貴重なんですよ。