明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

屋久島行ってきた

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縄文杉のバッカヤローッ!! そんなに長い間生きて、何が楽しいんだチクショーコノヤロー」

というのは山田洋次監督の映画『十五才―学校Ⅳ』に出てくる名ゼリフ(一部うろ覚え)。
学校に行く意味、生きる意味を見失った15才の少年が東京から屋久島までヒッチハイクで旅をし、
生きる力を取り戻すという筋書きの名作。
ロードムービーらしいロードムービーって実はこれぐらいしか知らない。

丹波哲郎さんも出演していました。
さすがの存在感で、
主人公の少年に男の生きる道というようなモノを教える爺さんの役を怪演。


それは前置き。
中学校の時にこの映画を見て以来、ずっと屋久島に行ってみたかった。
ので、
21才にして行ってみた。

15歳の頃のピュアーな心は持ち合わせていないけれども(15才時だってそんなモノ持っていたか怪しい)、
それでも九州の鹿児島の先っちょより遠いというはるか彼方にまで行けるのも学生のうちだけかと思い、
富山~鹿児島をレンタカーで走り抜けてまた戻ってくるという強行軍で行ってきた。

はたして21才の薄汚れた心の持ち主は屋久島で何を見るのか。
そもそも富山から九州の先っぽまで無事に辿り着けるのか。
縄文杉を見たところで何がどうなるのか。

というような大きな問題から瑣末な問題までいろいろな悩み事が脳中に去来したりしなかったりしたんだけれども、
まぁ気にしても仕方がないことは気にしても仕方がないので、
「とりあえず行ってみて考えよう?」
というようなことを合言葉に行ってきた。


結論から言うと別に事故もなく行けたし楽しかった。
小学校からの友達5人で行ったので互いに気遣いなし。
ドライバーを交代しながら運転。
途中のサービスエリアで食事を取ったり車の中で睡眠を取ったり
超楽しかった。
運転中に一番楽しかった瞬間は、
「眠い! あまりにも眠いからちょっと歌うわ」
つって友達と『怪獣のバラード』を合唱した瞬間。


屋久島という島を簡単に、受けた印象を以て言うならば、
そこは生と死の島で、
折れて、倒れた巨木に苔がむし、若い芽が生えて、またそれは木に成っていく。
生命の循環。輪廻。絶え間ない生と死の螺旋運動。
そこは太古から未来まで生き続ける島であり同時に死に続ける島でもある。

(人間を除けば)この島の生態系はこの島の中で簡潔に完結している。
海。山。川。雨。森。鹿。猿。虫。その他諸々。
衆生と呼ばれる生きとし生ける者、そして漏れなく死んでしまうものがひとつの島の中で生きて、死に、生かす。
その(死すら組み込まれた)生命の鎖は途切れることもなく連綿と続いている。

その島で、若木は倒木から生えている。
山鹿は、折れた枝の塗れた葉を食べていた。
猿は崩れた崖の方向から、何食わぬ顔でのっしのっしと歩いてきた。

その島は生き続けているし、同時に死に続けている。
死んだモノはまた、何かを生かし続けている。
ずっと昔から。今この瞬間も。

その島では生と死は等価値で、
生きればそのうち死ぬんだろうが、それは何かを生かしているのだ。


生と死が同列で等価値で、それがひとくさりに繋がっている。
屋久島はそれを見られる稀有な島ではないかと思うのだった。



というできるだけピュアーな心で感じたことを書いていたら日付が変わりそうで眠くなってきた。
写真は屋久島に住んでる鹿のヤクジカくん。
見た時に
「あ、ヤックルがおる!」
と叫んでしまった。
それでも逃げ出さないのは人間を恐れていないからだと思う。
さすがに屋久島には鉄砲持ったニンゲンもおらんのでしょう。

土産物屋さんに「ヤクジカの角」は売ってたけどね・・・。
4200円はむしろ割安の感が。
鹿の角は漢方薬にもなるし。
いや買ってないけどさ。

ちょっと買おうか悩んだけどさ。