明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

映画『WALL・E/ウォーリー』観た

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ディズニー(ピクサー)映画『ウォーリー』。

レンタルで借りて見たんですよ。
今更感アリアリではありますが。
でも面白かったので感想を書きます。

感想の必然としてネタバレ要素を含みますのでご了承ください。

●あらすじ。

荒廃しきった地球でゴミを集め固めているお掃除ロボ・ウォーリー。
人類は大量消費のすえ地球上をゴミで埋め尽くし、生物の住めなくなった地球を脱出していたのだ。
他に生物の居ない地球上で延々とゴミを拾い続けているウォーリーだったが
ある日突然彼の前に宇宙船が降り立つ。

中から現れたのは白い流線型をしたハイテクロボ・イヴ。
強力な武器を使用しながら、何かを探しているらしい。
ウォーリーはイヴと友だちになる
しかし彼女は、さがしていた「植物」を見つけると、動きを停止してしまう。

ウォーリーはかいがいしく動かなくなったイヴの世話をしていたが、
再び宇宙船が現れ彼女を連れ帰ろうとする。
ウォーリーはそれに飛び乗り、母船に無理やり付いて行ってしまう。
たどり着いた母船・アニサキス アクシウム号は人類を乗せた移民船のような宇宙船であった。
人類はそのなかで自分の足で歩くことがないほどロボットに頼り切った生活をしていた。

イヴに与えられた命令とは「地球が生物が生きられる環境になっているかどうか」を調べるため
植物(生物)をさがすことだった。
イヴの持ち帰った植物を見た船長は「地球は生物の住める星に回復した」と判断。
地球に帰るプログラムを実行させようとする。

が、オート操縦のロボットがそれを許さず反乱を起こす。
その間ウォーリーが連れ去られそうになったり
宇宙空間で消化器を使ってイヴとダンスを踊ったり
それを見た男女がいい仲になったりと色いろあるが本筋には特に関係ない。

台座に植物を掲げることで地球帰還プログラム発動。
10秒で地球につく。
ウォーリーは台座に挟まって死にかけてる。
自分が眠っている間、ウォーリーが優しく世話してくれたことを知るイヴは彼を直そうと
地球にもどりウォーリーの家に戻り修理をするが治ったウォーリーは記憶を失ってしまっていた。

ルービックキューブや電球やダンスのビデオなど
ウォーリーの「宝物」を差し出すがウォーリーはそれに興味を示さない。
記憶を失った彼はい淡々と清掃作業を始めるだけである。

涙する(機械だから泣かないけど)イヴであったが、
おでこをぶつけるようにしてキスをするとなんかなんとなく記憶がもどる。
ヒロインのキスは万能なのだ(特にディズニー映画においては)。
帰ってきた人類は、芽を改めて地球に植える。

かつて生物の住めなくなった地球であったが大地には植物が繁茂し始めているのであった。
人類の明るい未来を暗示するラストシーンでエンディング。

ざっとまとめるとこんな感じです。
ディズニー映画らしく、徹頭徹尾わかりやすい、難解でない展開が続きます。
それでもハラハラドキドキさせられるあたりさすが。

●感想

「“生き残りたい”んじゃない、“生きたい”んだ!」(アクシオム艦長のセリフ)

ドラえもん のび太とブリキの迷宮』のように
生活の全てをロボットに任せてしまっている未来人。
そのロボットに反抗し、人類は自分の足で立つべきだと決意した艦長のセリフがそれです。

後半はそのロボットがお決まりの反乱をして
人類がお決まりの克服をするというお決まりの筋書きなんだけれども
何の力もない一人の小さな「掃除用ロボット」を主人公にしているおかげで最後まで楽しめます。

やはり特筆すべきは主人公・ウォーリーの可愛らしさで、動きとか性格とかがすごく…好感がもてます。
ここまでセリフが少ない映画を作れるのは、
動きで魅せるアニメーションという表現方法ならではという感じですね。

子ども映画としてすごくよくできていて
ウォーリーのカワイイ動きとか見ていたら面白いから
大人でも楽しんで見ることは当然できるんですが
ストーリーはひたすら単純で
「人間はどう生きるべきか」というか、文明社会に対する批判というか、環境保護というか、
そういうテーマはあくまで隠し味程度。

もう少し大人向けにするには乗員の人類に
「いや…このままの生活のほうがいいに決まってるじゃん…今更農業(笑)とか…やってられんでしょ…」
というあの状況では至極まっとうな意見を吐かせるシーンがあればと。

そういった反論がなくスルーっと全員が荒れ果てた地球に対して
「故郷ってないいもんだわ」
って言っちゃうのが違和感があるといえばあります。

そのあたりのリアリティというか社会性を無視してストーリーを簡単に作ってるのが
「子ども映画」というカテゴリに入れたい理由です。
いやまぁ。いいんですけどね。それで。ディズニーだし。

小道具の使い方とか握手(ダンス)したいけどできなかったりとか
「いろんなモノを栽培するんだ、ピザとか!」
というセリフとかところどころにクスッと笑ってしまう仕掛けがあって、
実に『映画がうまいなぁ』と感じさせられます。

それはやはり映画の国・アメリカの実力という物なのかもしれないし
スタッフロールで何十人もいるシナリオチームの成果なのかもしれないし。

日本じゃせいぜい2~3人でしょうシナリオ作るのって。
実写でもアニメでも。
でもこの映画のスタッフロールを見てると
「シナリオチーフ」とか「シナリオ〇〇」という肩書きが付く人が20人くらいいるんですよ。
やっぱりそこが日本の映画と一番違うのかなー? と思います。
わからんけど。

●まとめると
「ディズニーらしい非常によく出来た子ども映画で、
大人が見ても楽しめるんだけれども、ただ単純に楽しめる以上の深い楽しみという点ではやはり一歩劣る。
けれどもまぁウォーリーカワイイし、
そもそも映画って単純に楽しめるならそれだけでいいんじゃないの本当は(少なくともディズニー映画はそうでしょ)」

という感じです。
フル3Dだけどもディズニーはやはりディズニー。

ディズニー映画をディズニーたらしめているのはハイクオリティな映像表現ももちろんそうなのだろうけれども、
面白くて映画のコツを外さない、練り上げられたシナリオという所にあるのではないでしょうか。
ちょっとドラクエみたいだね。



●まとまらない感想を箇条書きで

・ショッピングモールでけえw
・ゴミで作られたビル群が、最初のシーンだけ、状況説明・ハッタリだけで終わっていたのが残念といえば残念
・ひとりPONGはかわいそすぎる…(´;ω;`)ウッ
・ところどころ日本語の文字が画面に出てくるのは日本版だからなんだろうねと思う
・ほとんどセリフがない無言劇で進む前半がこの映画の白眉。スゴイと思う。

・色々と説明不足な点があるんだけど、
「それぐらい言わなくてもわかるだろ? 想像で補え。できないヤツは置いていく!」
という潔い姿勢が素晴らしい(もちろん本筋に関わるところはちゃんとしている)

・『魔法にかけられて』で主人公の娘が空手着を着ているのも説明はないし
ディズニーのそういう「映画のテンポ」へのこだわりはえらい。

・ディズニーは任天堂並にえらい。クオリティが安定してる。
映画のほんとうに大事なことを大事にしていると思う。
それはストーリーの起承転結だとか、好ましいキャラクターだとか、ハッピーエンドだとか。えらい。

・そういった意味でディズニーの映画は任天堂のゲームに似ている。
・ここを抑えれば面白いものが出来上がるという企画の立て方や、
その基本や方向性を大切にする姿勢や、映画・ゲームとしての基本がしっかりしている。
・「練り込まれてる感」というか。
・ロボットが“いいもの”として描かれるのはアメリカ映画では珍しいんじゃない? と思った。
・けどまあやっぱり反乱はした。
・むしろ氾濫しないロボットは違和感があるんでしょうね彼らには。
・だからTOYOTAも訴えるし、機械は人間の言うことを聞かない物だという意識が強いんだろう何故か。
・日本じゃ「いやブレーキ踏み間違いだろ」という人間に責任を求める感覚があるけど。
・その意識の差はどこから生まれるものなんだろうね? ドラえもん? アトム?
・例えばイヴを人間にしたとしたらぐっと日本人向けになる気がする。
・ウォーリーに対する憐憫とか、最後の方のどうにか助けてあげたいところとか、より切ないシーンになったでしょうから。
・まぁそうするとデブ達との整合性がとれないか。
・エンディングのタペストリー風ダイジェストアニメーションは『風の谷のナウシカ』へのそこはかとないオマージュを感じさせる。
Wikipediaで調べたところ
>本作より、最初のオープニングが眠れぬ森の美女の城verからシンデレラ城verに変更となった。
なのだとか。全っ然気がつかなかったw

という感じです。
以上。


あと↑これが欲しいw


(『WALL・E/ウォーリー』2008年/97分)