明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

東京人力観光

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連日の東京旅行の話。
まぁせっかく写真がたくさんあるのでね。

で、実は東京に自転車を持って行ってました。
写真のように前輪と後輪を外して
ホイールでフレームをサンドイッチするようにして
手前の黒い布「輪行袋」で包みますと、肩からベルトを掛けて持ち運びができるようになるって寸法です。

夜行の高速バスでいきましたが
夜行バスには客席の他に、バス側面に大きな荷物を入れるスペースがあるのでそこに入れてもらいます。

とはいえ
「混んでる時は自転車はお断りするかもしれないので気を付けて下さいね」
と添乗員のおっさんに言われました。
何をどう気をつければいいのかわかりませんが
まぁ断られることもあるそうだってことで。

ちなみに電車では、自転車は輪行袋に包んである限り携行OKですが、
何しろでかい。
いくら分解されているとはいえ
フレーム自体はそれ以上小さくすることはできないので(厳密には出来ますが工具と手間が必要)
やはり1.2mくらいの大きさと10kg弱の重量は残ります。

おそらく新幹線などでは必然的にデッキに置いての移動になります。
たまに大きな楽器をデッキに置いて移動している方なんかも見かけますね。

まぁ
なんでそんな手間をかけて東京にまで自転車を持っていかなければならなかったかと申しますと
東京って移動がダルいんですよね。
いちいち電車に乗りーの乗り換えーの切符買いーの駅から目的地まで徒歩で歩きーの。
田舎のマイカー社会に慣れきった身体には
コンクリートジャングルを2本の足でてくてくと歩き続けるのは体力的にきびちい。
旅行ってただでさえ荷物が多くなりがちですしね。

あとぶっちゃけ東京ってもう普通に行っても見たいところもそんなにないし
ちょっと毛色の変わった事をしたくなってみたくなったのです。

ではそれで東京に自転車を持っていったからどうやというのだ、ということに関してなのですが
これが楽しい!

大体の地理が頭に入っているということもあるんですが
例えば5km(自転車では10分程度)走るだけでも
新宿から原宿を通って渋谷まで行けてしまうんですね。

東京というのは(特に23区内は)イメージよりもずっと狭い地域で
ちょっと走るだけで街が変わったり区がどんどん変わっていくので
走っていて「ああこんなところにコレがある」とか「コレってここにあったのか!」とか
景色がクルクルと素早く変わっていく中で
色々と発見があるんです。

例えば初日の朝、
夜行バスは池袋東口に着くんですが、
そこから我が母校の東☆大白山キャンパスまでは巣鴨を通る遠回りのルートでも30分程度で着いてしまいます。

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母校が誇る学食で昼ごはんを食べました。
インドカレー店「マントラ」。
学食ぐらいしか誇るところがないんかい、と聞かれればそうです、と答えます。

カレー屋さんなのですが
厨房を見ての通り本場インド人コックが作るインドカレーが売りのお店です。
学生時代にはいなかった女性店員が増えていました(『スラムドッグ・ミリオネア』的なインド美人)。

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窯で焼いたナンと本格辛口チキンカレーとサラダとラッシーがセットになって500円!
タンドリーチキンをつけてもなんと550円!!

しまった… チキンとチキンでかぶってしまった…。

お金のない学生時代なら安さを求めて500円のタンドリーチキンなしを頼んでいたでしょうが
そこは社会人パワー! (私の社会人パワーは50円分ということです)

だってこのタンドリーチキンも

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こんな感じで
本場っぽい人が本場っぽい窯で本場っぽく焼いているんですよ!

そりゃ頼むでしょ! 食べるでしょ! 食べてしまうでしょ!
食べました。
辛くて美味しかったです。

それにしても
調理設備や冷蔵庫など、とてもひと目には学食とは思えないですね。

というわけで
こんな気軽に寄り道ができるのも
切符代や路線の乗り換えや駅の場所などにとらわれずに移動できる自転車ならではだと思います。

道がわからなくても今や携帯電話でモバイルカーナビみたいに検索できちゃいますしね。

山手線圏内であればたいていのところは自転車で行けちゃえますよ。
この機動力は乗っていて楽しいです。
どうしても疲れたら、また分解して輪行袋に詰めればJRに乗れますしね。

しかぁしそんな自転車にも弱点がひとつ。
それは

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パンク!
タイヤがパンクしてしまうと
修理するまでにっちもさっちもどうにもブルドッグ、という状態になってしまうのです。

そしてパンクしたのです。

パンク修理のためのキットと空気入れと替えのチューブを携帯して持っていればすぐに修理はできるんですが
今回出掛けにバタバタしてしまっていて(毎回か)、
替えのチューブをかばんに入れるのをすっかり忘れてしまっていました。

それで後輪のパンクした自転車をえっちらおっちら押しながらたどり着いたのがこちら。

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<LORO日本橋店>

東京は全く自転車屋までお洒落だなコノヤロー! バカヤロー! 戦う前に負けること考えるヤツが居るかよ!
(猪木が混じってしまった)。

パンクの修理ができる・キットが売っているお店を探して
秋葉原からここまで4kmくらい自転車を押して歩いてきました。
しかしいまから思えばヨドバシアキバの自転車売場にパンク修理キットが売っていた可能性が高い。

お店に頼むと1800円という3マントラマントラのカレー3回分)以上という暴利を請求されたので
タイヤ外し道具(2個セット300円)と新しいチューブ(800円)だけを買い、
お店の軒先を借りて修理というかチューブの交換をさせてもらいました。

作業に30~40分くらいかかってしまった。
もう少し手際よくできるようになりたい。
その間道端をゆく人の好奇の視線に耐えられるかという問題も大きい。大きかった。
日本橋(近く)という場所が場所だけにね…。

しかし全体としては晴れた日の街を走っていくのは気持ちよかった。
東京、というか関東平野の気候の特徴として
大体が晴れの日かつ湿度も低いので
実に気分良く自転車を漕いでいくことができます。

試合が終わった神宮外苑から
飲み会のある秋葉原まで
「飲み会に遅れる!!!!11!!!」
と思って本気を出して漕いだら15分で着いたとかね。
(ちなみに飲み会には間に合いました。というか他の参加者が余裕で30分くらい遅刻してきたので)

3日間で60kmくらい走りました。
といっても1日20kmというのは、自転車にとっては全然たいした距離ではありません。
そして昼食や野球観戦など休み休みなので全然楽でした。

切符代もかからないし、自転車が好きな方は、自転車観光オススメです。
とはいえどうしても路上放置が多くなってしまうので
あまり高級な自転車は持っていかないほうがよいとも思います。
防犯と盗難防止はいつも自己責任ですね。

走っていて思ったのですが
なんか走りやすいんですよね東京って。

なんでかと理由を考えてみると
信号がたくさんあってゴー&ストップが多くなってしまうんですが
それは車も同じことで、よっぽど幹線道路じゃないと60km/hなんてなかなか出せなかったり、
運転手が車道を走る自転車に慣れていたり、
路側帯が広かったり、路面に土屋須永…土や砂が少ない!

車体の両サイドに大きなブラシがくっついたゴミ収集車みたいな車が深夜、
定期的にガーガーと道路を掃除しているんですよ。

狭い路側帯には土埃が溜まり
車は無遠慮に60~70km/hでかっとばし
5~10kmは余裕で田んぼと畑の代わり映えしない風景が続く国道156号線に慣れている身としては
やはり東京の道は非常に走りやすいと感じますね。
雨もふらないし。

車や電車とは違って自転車は
人力、っていうのがいい。

どこへ行くにもどこの道を通るのも、どこの角で曲がるのも自分に委ねられていて
自転車は漕いだ通りに進んで、ハンドルを曲げる通りに曲がります。
そうして街を走っていると、電車に乗って移動しているとわからない街と街の距離感だったり
裏路地や住宅街など普通の観光では見えない街の雰囲気だったり
東京という街の全体が地続きであるということが実感としてわかります。

大きな街を、ちいさな自分と自転車が、
ぐるぐると気ままな軌跡を描きながら
好き勝手に、自由に大きく走り回っている。

なんていう、そういう感覚が、いいと思います。

そんなわけで無理して自転車を持っていったのは正解だった、という話でした。
また行ける時には持って行こう。