夏至だったので③ 山山アン山

こんなきれいな沢を見ながら自転車を押しまくっていました。
まるで山奥のような風景ですが
はっきり言って山奥です。
富山と岐阜の県境付近なんていうのは
これは日本でも有数の山奥ポイントと言っても間違いはあるまい。

道には街頭もなく１車線くらいの道がひたすら続いていくという
夜に訪れると化物か妖怪が出ても驚かない、
少なくともクマ的なものは出てくるだろう、
出てこない理由がないというようなあたりです。

キツい上り坂はふくらはぎに如実に負担をかけ
軽く痙攣しそうな予兆を筋肉に感じます。
ひたすらその上り坂を押していきます。

話によれば土砂崩れのための通行止めだそうで
ここまできたらもうそれを見ないとどうしてもダメだ。ダメでしょう。

「土砂崩れ来い…！　土砂崩れまだか…！」
と人生で一番土砂崩れを求めた時間でした。

そしてついに「おっ土砂崩れ来たか！？」という…

土砂崩れじゃなくて

雪じゃねーか！

雪だよ！

雪かよ！

夏至だぞ！

どうなってんだ！！

すっかりぬか喜びしてしまいました。

このあたり、
後から調べたところ標高で言えば1000m間近。
雪も残っていようというもの。

せめて県境まで後◯kmという情報がわかれば元気も出せそうなものなのですが
頼りにしていたケータイのGPSマップも
ケータイの電波がなく利用できません。

何km先に望むゴールがあるのか全く見えないまま…
ゴールのわからない道を目指すというのはこれほどツライものかと…
まるで人生のようなことを思います。

天気はよく
流れる川も水が透き通って川床まで見える清流です。

もう精根尽き果てようとした頃…

ｷﾀ━━━━━━━━━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!

なんだこれ岐阜県のマーク変なの！

ついに岐阜県境に到着！
疲れも吹っ飛びます！　そのような気がします！



そうしてここにも立て看板。
やはり通行止めの様子。

さらに岐阜県側にいくこと２～３km？　くらい。

ようやく工事現場に到着！
たしかに通行止めです。
もうこれ以上無いくらい通行止め。

絶対これ以上行こうと思っても行けないね！

で、何をどう工事しているのかなと見てみますと…

ハハァ。
なるほど道路に穴が。

岩石が落ちたか雪のせいかなにかで開いた穴を埋めなければたしかにここは車は通れないですね。

でもこれ…

自転車なら横通って行けばいけるんじゃね？

「すいませーん、高山まで行きたいんですけどちょっと通してくれませんか？」
と言うことも検討しましたが…

言いませんでした！

だって疲れたんだもん！

出発時の元気はどこへいったのか。
約50kmに渡る山登りで足も腰もすっかりへなへなに。
9時頃にはなっていたと思うのですが
5時に食べた納豆ご飯はすっかり消化しつくされて

お腹もすいてたんだもん！

納得しました！

というわけで帰宅路へ。
と言ってもやはりそれだけで50kmくらいはあるのですが。

途中、初めて見つけたご飯屋さんでカツ丼を食べました。

＜聚楽 創 - 食べログ＞

『美味しんぼ』が置いてあったのでカツ丼の話を読みカツ丼気分を高めながら
カツ丼を待ちました。
うまかった。

八尾を通って帰ります。
総走行距離は120kmくらい。

途中から雨も降ってきて急いでいて家に帰りました。
結局３時くらいに家に着いてしまい
夏至の夏至たるところの所以である日中の長さをすべて堪能しつくすことはできませんでした。

来年の夏至こそは…！？