明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

映画『とある飛空士への追憶』感想。ベタ!

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この前までこのZoffと『3月のライオン』コラボしたメガネが売っていて
これを買おうとちょっと思っていたのですが
ネットの追加販売も売り切れてた…。
残念。

画像はそのコラボのための広告。
3月のライオン』作中の1シーンのセリフコラです。
熱いメガネ男子

メガネは売り切れていたので
コンタクトを買いにイオンまで行ってきました。
2箱×両目分で4箱。1万円強。
必需品とはいえ定期的に出ていく痛い出費です。

ずっとコンタクトに逃げてたんですが
この桐山零モデルのコラボメガネは買おうかと思ったんですよね。
ちょっとしたコスプレ感覚で。

この眼鏡をかければ将棋が強くなる! …気がして。

メガネって知的なイメージがありますよね。
古田とか。羽生さんとか。井脇ノブ子とか。
ふたりとも将棋強いですし。
あっいやノブ子は知らない。

なお俺は将棋ゲームのレベル0のコンピュータ(レベル1以下)に素で負ける模様。
いくらなんでも弱すぎる
ぐぬぬ…。

レベル0のポンコツコンピュータに翻弄される自分に歯噛みしています。


以下本題

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昨日はファーストデイで映画が1,000円だったので
無理やり友達を連れて映画を見てきました。

探偵はBARにいる』と『はやぶさ』とで迷ったのですが
結局このマッドハウス制作の新作アニメ映画『とある飛空士への追憶』にしました。
高岡でこういうアニメ映画やるのって珍しいですのでね。
ついつい…。

<とある飛空士への追憶 - 公式サイト>

せっかく見てきたので感想でも書いておきます。
当然ネタバレを含みますのでまだ映画を観てない方で
これからみようと思われている方は感想なんてのは見ないことをオススメします。


☆あらすじ☆

二国間戦争のさなか、名もなき飛空士・狩乃シャルル(声:神木隆之介)は類まれな操縦技術を見込まれ、
次期皇妃ファナ・デル・モラル(声:竹富聖花)をその婚約者カルロ皇子(声:小野大輔)のもとに水上偵察機
送り届ける極秘任務を命じられる。

護衛を付けず一機で敵中を突破する危険な任務であったが、それでもファナを守り抜き、
12000kmを飛ぶべき理由がシャルルにはあった。
次々と襲ってくる敵空中艦隊と戦闘機を超絶なテクニックで退けるシャルル。
命をかけた空の旅で、ファナの閉ざされた心は開かれ、次第に二人はひかれあってゆく。

やがて迫る絶体絶命の危機の中、ファナのとった行動とは……。
そして二人の恋の行方は……。

<とある飛空士への追憶 あらすじ - goo映画> より引用


んーとまぁより簡単に言うと

敵地を抜けて王妃(予定)を送り届けろ!

というのがストーリーのひとつ大きな軸で
その飛行機を飛ばす飛空士(傭兵)と王妃予定の女の子の
儚い恋模様()みたいなものがメインテーマです。


☆感想☆

映画『スカイ・クロラ』をまだ観たことがなかったら楽しめると思います。
見やすくわかりやすく、楽しみやすくした『スカイ・クロラ』…か?


●テンポよく進むわかりやすいストーリー

あのーテンポがすごく良くて
100分間というアニメ映画にしてはちょい長めの映画なんですが
最後まで飽きずに見ることができました。
どんどん話が進んでいくのでそこはよかった。

ストーリー自体も「飛行士と王妃の身分違いの恋」っていう至極わかりやすいものと
敵から逃げきる」っていう劇中のミッションそのままの目的意識を共有できますので
現代でも過去でもない架空の世界設定でありながら
ストーリーから置いて行かれることなく最後まで観ていくことができます。

お金を取った分しっかり観客を楽しませる」という
映画の最低限の条件というか礼儀といっていいハードルをしっかりクリアしよう!
そういう制作さんサイドの熱意のようなものが伝わってきた…と
良い言い方をすればそうです。

多少血が出る場面もあるのですが演出はグロテスクにならず
むしろ勇敢な戦争ものとしては必要な程度の出血で
小学生高学年くらいから観て楽しめるアニメに仕上がっているとも言えます。
設定やアクションシーン、クライマックスからエンディングまでよくまとまっていました。

ただより詳細に見ると不満足な点も感じなくはないです。

「わかりやすいストーリー」というのは反面ベタでマンネリに陥る可能性も孕んでいますからね。
それにはあえて目をつぶったのかな。
あのー…ベタなんですよね。
ベタベタアンドベタ。

敵国でもある(?)国からの移民(?)である主人公は小さい頃から差別・イジメられていて
子供の頃から空を自由に飛ぶ(ように見える)空軍に憧れていて
傭兵の身ながら凄腕のエースパイロットになって
王妃(予定)の深窓の令嬢である女の子と二人で飛ぶことになって
作戦情報が筒抜けになってしまっていて敵艦隊に狙われてピンチに陥る、と。
だけども二人協力して死地を切り抜ける、と。
恋に落ちる、と。

うーん…ベタすなぁ

設定やあらすじをこう決めればこういう筋書きになるんだろうなぁという想像の範疇です全て。
そういうわかりやすい話だからこそ普段アニメを見慣れない人でも
観てすぐ感情移入できるようになっているのはいいことだとは思うのですが。

反面、どんでん返しやストーリー的な驚きに乏しいというのも事実です。


●つい『スカイ・クロラ』と比較してしまいます…

そしてあのー冒頭でも書いたのですがどうしても
押井守監督の映画『スカイ・クロラ』(08年)と比べてしまうんですよね。
というのも飛空士が乗っている飛行機と敵国で使用している飛行機の設定が
スカイ・クロラ』で出てくる設定とよく似ているんです。

詳しくいいますとレシプロ戦闘機…ジェット戦闘機じゃない戦闘機が出てきます。
ゼロ戦を思い浮かべてもらえればいいです)
それが空を舞う空戦を行うのが映画の一番派手なアクションシーンなのですが
中でも特徴的なのが
プロペラが機体の後ろに付いたプッシャ型(推進式)戦闘機というのが実戦投入されているというところです。

<推進式(航空機) - Wikipedia>

スカイ・クロラ』では主人公サイドがこのプッシャ型戦闘機を使用し
『とある~』では敵国サイドが使用しているという違いはありますが。

「自由」を求めて空を飛ぶことを希求し
空軍に入るという主人公の動機も似ていると言えば似ています。

似ているのはまぁいいんですよ。
テーマや設定を今既に世に出ている作品にあえて似せるということはあり得る演出ですから。
で、問題は比べたときにどう感じるかということです。

その3年前の空戦映画『スカイ・クロラ』と比べたときに

うーん… 『スカイ・クロラ』の方が面白いなあ…

と感じてしまったわけです。
おそらく、制作の予算がかなり違うような感じがするので
単純に比べてしまうのは逆に不公平であるという気もしますが
ともあれ同じく飛行士を主人公とした映画を同じスクリーンで上映するのですから
比較されてしまうのも致し方あるまい。

やはりCGによる空戦シーンや
音楽や音響あたりは予算の感じが如実に出てしまっているなぁという感じがします。

キャラクターもいまいち固まりきってないというか
主人公やヒロインに「これはどういう人なの?」と聞きたくなるというか
なんかコロコロしちゃうんですよね。

傭兵をしておきながら敵艦を落とすときに「ゴメンッ!」って謝っちゃうというのはどうなの? とか
次期王妃という立場にありながらそれを自覚せず飛空士に簡単に惚れちゃうし
それに自分で葛藤もせず勝手に髪切ったり下着姿になっちゃうのはどうなの? とか

自らの立場に責任感が無いのです。

縛られるものが希薄だからそれに反する感情との葛藤が見えづらい(というかほとんどない)。
人間の掘り下げが浅い感じがします。

原作の違いも当然ありますが
スカイ・クロラ』には無骨というか淡々と冷たい空気感の中で
悩んだり覚悟したり最後にはキャラクターの成長があったりしました。

監督の押井守さんはもともとが理屈っぽい人であるとはいえ
「今何故この映画を作らなければならないのか」ということを十分に考えて
アニメながらテーマ性のある映画に仕上がっていました。

お金をかけられない映像や音響については仕方ない部分がありますが
脚本の細かいところやテーマそのものといった、お金の大小では変わらない部分、
そういったところでも三年前の映画より上回っている点が見受けられないというのは辛いですね。


●他にも色々と粗が…

細かい飛行機の設定なんかもなぁ…
いくら隠密飛行で攻撃力より機敏性が重視されると言っても…
前方に機銃を設置しないで、お姫さん(素人)が座る後部にだけ機銃を設置するなんてことがあるだろうか…
敵に見つかったら即デストロイやん…。
いくら逃げるだけと言っても…うーん。

なんで深窓の令嬢だったお姫さんが緊急救助の心得があって
めっちゃきれいに包帯巻いたり被弾したパイロットの手当できるん…。
なんで緊急の救急箱の中に消毒薬もないん…。
ほとんど撃墜された戦闘機を簡単な工具箱だけでパイロットが整備し直せるもんなん…。

とかね!

いろいろありますよ細かい気になったところをあげつらえばそれはあります!
しかし! 『とある~』では『スカイ・クロラ』の欠点を克服している部分もあります!
それは
「原作を読んでない人でもちゃんと楽しめる!」
というところ。

スカイ・クロラ』は原作を読んでいないと設定や裏を走るストーリィや世界観がわかりづらい
読んでてもわかりづらい)という欠点が、これは確かにありましたから。
前述のベタなストーリーというのも、この欠点を十分すぎるほど意識し、
娯楽空戦活劇を作るのだ! と意気込んだ結果であるのかもしれません。

そうして見れば娯楽作品として十分及第点に達している映画と思います。


●まとめ

繰り返しになりますが
娯楽作品として十分及第点に達していると思いました。

一緒に行った友達(非アニオタ/『スカイ・クロラ』未視聴)も
まぁ面白かったと思うよ
とけだるい感じでおっしゃってましたから。

テンポよくストーリーが進んでいき
架空世界の設定でありながら全然難解にならず
盛り上がるべきアクションシーンやクライマックスにはしっかり盛り上がりあるシーンがあり
初見の観客を最後まで引きつけストーリーを追わせる力のある、地力のある映画でしたと思います。

だからなおのこと『スカイ・クロラ』を見たことがあるかないかで
印象が変わってしまうという気がしますね。
見たことがなければ余計なことも考えず楽しめます。


あと声優が棒読みなのはどちらの映画にも共通する欠点です。

あっでも『スカイ・クロラ』の栗山千明様は上手だった。