明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

映画『Annie』と『オリバー!』を割と立て続けに観る

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『Annie』と『オリバー!』っていう古いミュージカル映画を一週間で2本見たのでね。
何を隠そう福光の図書館からタダで借りたので一週間以内に見て返さなければいけなかったのです。
でも返すの2日遅れた。

『Annie』は82年、『オリバー!』にいたっては68年という古い映画ですので
別に今更この映画たちの感想を書いたところでそれを読んだ人にオススメだとか
観てみてねという気は全くないんですが…。

せっかく古い映画特有の退屈に耐えて全編見たので感想というかおもったことを書いておこうと思いましたマル。
このブログは備忘録のメモがわりでもありますので。

●『Annie』について

こちらの作品は現在でも舞台のミュージカルでやってたりするので
題名を目にしたことがある人も多いはず。

あと割と最近ジョージアのCMでも↓の曲が使われてたり
そのもののパロディだったりと、比較的有名な作品です。


その「比較的有名な作品」をまだ見たことがなかったので
見ました。

●あらすじ

社会が不況にあえぐ1930年代ニューヨーク。

孤児院で育つ主人公・アニーが、ひょんなことから富豪(モデルはハワード・ヒューズ?)の家に預けられる。
金満家にありがちな、(ナベツネのように)傲慢な性格だった富豪だったけれども
アニーと暮らすうちに穏やかになり、アニーを養女に受け入れようとする。

しかしアニーは「私にはどこかにお父さんとお母さんがいるから」と断って
富豪はアニーの両親に懸賞金をつけて全米的に親探しを始める。
出生の秘密を知る孤児院の院長が富豪から金をだまし取ろうと目論むが――?


●感想

名前は聞くけどこんな話だったのか…。

不幸な孤児がお金持ちに拾われて幸せになるっていうね。『小公女』? 『小公子』? みたいな。
主人公が赤毛で暗い境遇でもめげない明るい性格で、名前が「Annie」っていうのはつまり
赤毛のアン』をモチーフにしているからなのかしら。

話の筋はまぁご都合主義というのも憚られるくらい単純なもので
ストーリーというか展開的ハラハラ感や盛り上がりはそんなにないですね。
映像や音楽も現代映画を見てしまっている以上、素晴らしいとか壮大な、とかは言えないですし。
名作なので、つまらないということはないのですが、やはり30年前の映画なので退屈な部分が多いですし
もう一回見るかと言われれば見ないだろうなあと思います。

ていうかインド人召し使いのブンジャブが一人だけ飛行機にぶら下がってハリウッドアクションしたり
空中浮遊したり動物を操ったり活躍しすぎ。こいつが主役じゃねーか!

あとタイトルのロゴがスガキヤのロゴに似てると思いました。

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よく見ると赤と白が逆か…。


●『オリバー!』について

チャールズ・ディケンズという英文学の文豪の『オリバー・ツイスト』という作品を
ミュージカルにしたものを映画にしたもの。
監督は名作『第三の男』のキャロル・リード。まぁ名作といっても見たことないから知らないのですが。

第41回アカデミー賞を作品賞はじめ6部門受賞
アカデミー賞を総ナメにしたという折り紙つきなだけあって
『Annie』よりも古く、今から50年近く昔の映画であるにもかかわらず、より楽しめました。

まぁ恐らくお金のかかり方も違う。予算規模が
てっきりロンドンのどこかでロケしたのだと思ってたら
全部スタジオで街をまるまる一つ…どころか2つも3つも作る勢いの予算とセットの組み方。

19世紀ロンドンの雰囲気を出すために畳石1万枚を使用してセットを作ったとか…。
その他ペンキや建材なども、本当に町を作る規模で使用。

お金をかけているのはセットだけでなく出演者も大勢いて
町の人々がにぎやかに踊る群舞のシーンなんかは見てるだけでも楽しいですね。

●あらすじ

イギリスの孤児院で暮らす主人公・オリバーだったが、孤児院を抜け出しロンドンに出る。
スリの友人・ロジャーと出会いスリになろうとするも失敗。
ひょんなことから金持ちの紳士に拾われるが口を割ることを恐れたスリ一味に捕まり連れ戻される。

実は血縁関係にあるとわかった紳士は、オリバーをスリ一味から取り戻そうとするが果たして――?


●感想

あのー、面白かったです。
まず19世紀ロンドンっていう舞台が好きなのです。メイドさんとかいるし
原作小説自体が1830年代に書かれたものですからね。

で、上にも書きましたが、その19世紀ロンドンを再現したセットがすごい!
本当にロケかと思いましたもん。町の規模がでかすぎて。
だって汽車が町を走ってるシーンとかありましたよ!? あれ本当にセットなの…。

それでいて『Annie』よりキャラクターたちが理想化されていない。
アニーは要するに赤毛のアンですから、まぁその、理想主義家を実在させたという人間性
純粋さや賢さに心打たれながらも「そんなやつぁいねぇ~~~~よ!」と言いたくもなる感じです。
おわかりになられますでしょうか。

対して『オリバー!』に出てくる人たちは
子供を利用してスリ一味を結成する(社会的には)悪人でありながら
その子供たちに愛情を見せるユダヤ人・フェイギンなど、より深くキャラクターを描けている感じです。

この子供たちにスリを教えている老人・フェイギン。
原作では最終的に絞首刑になる単純な悪いヤツなようなのですが、映画では

「子供たちにスリを教えながらもその根底には(孤児を食わせるための)愛情があり、
足を洗おうかと迷っても、やっぱり他のことはできないし…と諦めざるを得ない哀れな老人」

くらいの愛すべきキャラクターとして描かれています。
これはいい改変だと思います。単純な勧善懲悪ではない面白みが生まれますから。
この老人より悪人のサイクスというキャラクターがひどい死に方をするので
勧善懲悪的なオチはちゃんと用意されていますしね。

以上のことを3行にまとめると…

・19世紀ロンドン! ステキ! それをスゴイ規模で再現したセット! スゴイ!
・個性豊かなキャラクター! ステキ!
・群舞の規模…というか「お金かかってますよ」感は古い映画でもすごいわかる。さすがアカデミー6部門受賞。

という映画でした。


ミュージカル映画についての考察。考察というほどのものでもない感想。

ミュージカル映画って結構好きで
それは学生時代に観た『CHICAGO』がすっげぇ面白かったからそれ以来ミュージカル映画を割と意識して
選んで見るようになったからなのですが

(大学の図書館で授業が1コマ空いた時間に見ていたのに、
面白すぎて映画の続きが気になって次の講義をサボってしまったのだった)

昔のミュージカル映画ってやっぱり『CHICAGO』とは比べ物にならないくらい退屈なんですよね。

やっぱり古いミュージカル映画に共通する特徴で
「歌と踊りが主役で、物語は2番目」
っていうのがありますね。

それはそれである意味当然で、当時の観客が映画館で見るなら恐らくいいのですが
映像美や音響効果について現代のレベルのものを知ってしまっている今の人が
家のテレビで見るという場面においてはその真価があまり味わえないものになってしまいますね。

(まして俺はブラウン管テレビで見たのだ)

アニーはともかく『オリバー』が公開された68年頃は
恐らくまだエンターテインメントの地位は映画>>>>テレビ で
「映画は映画館で見るもの」であって、
その場合、映像と音楽がにぎやかで派手なものであれば、
多少ストーリーの強引さや不備みたいななものは許されちゃうってことがありますからね。

また舞台があるものを映画にしていますから
より「歌と踊りを見せるもの」という意識が強いのだと思われます。
あくまで「映画館で見るミュージカル(舞台)」っていうか。

で、改めて『CHICAGO』ってスゴイなとおもったのは。
歌いながら、踊りながら、それでいて
物語もきちんとハラハラドキドキさせて楽しめるようになっているところですね。

歌と踊りの映像演出もものすごいハイクオリティですし
1930年代のシカゴを舞台にして進行する物語もテンポよく進んでドラマ性がありますし
歌と踊りのミュージカル(舞台)要素と、ストーリーやキャラクター、ドラマの(映画)要素が
極めて高いレベルで融合している作品に仕上がっていたから、あれほど面白く感じるのだなあと。

(図書館の貧弱な環境でDVDを見ただけでも凄くのめり込んでしまうほど)

古いミュージカル映画
ミュージカル部分と映画(ストーリー)部分がバラバラで、一致して魅力に繋がっていないんですよね。
『CHICAGO』みたいな現代ミュージカル映画と比べてしまうと、どうしても。

故きを温め新しきを知る… というのとはちょっと違いますが
古い映画を見ると、今の映画から比べてその至らなさが目につくので
改めて今の映画の「面白さの原因」というべきものについて考えられるのでいいなあ、とか。

ミュージカル映画 名作」で検索するとやっぱり
「名前は聞いたことあるけど観たことがない」という作品がたくさんあるので
また色々と見たい。

ああもう眠い。
まるで古い映画のように冗長な文章になってしまった。
反省。