明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

上戸彩が仲間由紀恵だったらよかったのに!(映画『テルマエ・ロマエ』感想)

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というわけで見てきました。
月刊コミックビームで連載中の漫画『テルマエ・ロマエ』の映画化作品。
ギリシャ人浴場建築技師・ルシウスが古代ローマ現代日本を股にかけて、大活躍します。


【あらすじ】
浴場技師・ルシウスがローマの風呂で(文字通り)沈んでいると、なんと現代日本の銭湯にタイムスリップ!
「平たい顔族」の高度な風呂文明にショックを受けながら、技術を流用し名声を得て、皇帝のお抱え技師になる。
異民族の進出に晒される、ローマのピンチを救えるかルシウス!(お風呂の設計で)

【感想】
もともとが原作ファンだったですのでね(2009年12月の日記参照)。
しかも要望通り(笑)主演・阿部寛での実写映画化でしたので一も二もなく観にいきました。

映画が1,000円のファーストデイということもあってか
イオン高岡のスクリーンはほぼ満席。
開演1時間前にチケットを購入したのですがスクリーンの目の前の席しか空いてませんでした。

最初に不満点を挙げて、良かったところを後に書きます。

原作好きとしてやっぱり残念だったのが映画オリジナル部分。
映画が進むにつれて特に後半は原作にないオリジナルのストーリーが増えていくのですが
そのオリジナル部分が原作を超えていく部分が少なくて
原作を再現したタイムスリップシーンでは度々起きていた笑いも
オリジナル部分になると全然と言っていいほど起きてなかった。

特に個人的に嫌だったのが上戸彩が演じるヒロイン・山越真実で
このキャラは原作では名前もない単なるモブだった女性役を
映画化に合わせてヒロイン化したというキャラクターなのですが…
すごい出しゃばるの。
喋り方や声の高さが鬱陶しい感じ。

上戸彩という人についての好き嫌いは一旦置いておいても
この山越真実というキャラクターを観客が自然と好きになる、感情移入するような
応援したくなるエピソードというのが挿入されてこないので
最初に抱く「なんだこいつ?」という感情のまま進んでいってしまうのは辛かったですね。

横から口を挟んで勝手に人の家に住み着いて…
ギャーギャーギャーギャー声を張り上げて… うるっせえな…。

原作4巻でも一応、旅館の跡取りになる女性キャラクターが出てきたりはしているのですが
その人のキャラクターは真実のキャラとは真逆で
落ち着いて理知的でメガネの似合う、静かで髪の長い才女なんですよね。

原作のこのキャラにルシウスが惚れるというのはわかる分、
その逆の性格の真実とちょっといい感じになるというのがなんとも納得がいきません。
ルシウスのキャラ的にこういう口うるさいワガママ女って、惚れないと思うんですよねえ…。
脚本に描かれたキャラクター以上に、演技のせいでよりうるさく、ワガママな人間に見えている気がします。

で、そういうことを思いながら見ていて思いついたのが

「これが仲間由紀恵だったらよかったのに…」

というのもヒロインが仲間さんであれば
主演の阿部ちゃんとは言うまでもなく『TRICK』のでこぼこコンビを連想させますから
頑固一徹のルシウスがとぼけた仲間さんに惹かれていくというのは自然と納得できる気がしますし。
だいたい仲間さんって存在がコメディ向けなので(失礼)
この作品的にも合うと思うんですけどねえ…。

ただ阿部寛仲間由紀恵が共演となるとどうしても生瀬勝久さんにも出てきて欲しくなるというね。笑。

あとまぁ
「スタッフロールは『アイーダ』もいいけど『ババンババンバンバン』を皆で合唱するとかが良かったなあ」とか
(そうすると『アイーダ』ではなく『アイーンだ』だなあとか)
「クライマックスはローマ・日本人・ルシウス・真実入り乱れての“混浴”とかやったら面白かったろうになあ」とか
(照れながらお風呂に入る真実と、ドギマギするルシウスとか風呂に入ったおおらかな感情の中で悶着あった石工技師の友人と身を持って“水に流す”という日本人的感覚を実感するとか)

協力して風呂建設をするというシーンは感動的なのですがそれはあくまで建設作業がメインに見えるので
世界史上稀に見る風呂好きな2つの民族が時空を超えて同じ風呂を愛しているというテーゼ
見えづらかったような気がします(『同じ月を見ている』ならぬ『同じ風呂に入っている』…)。

まあそういうことも思わなくもありませんがそれは不満ではなく要望なのでよいです。

以上不満点終わり。
あとは褒めまくります。まずなんと言っても…

阿部寛のルシウス役は期待通り! 期待以上!

これだけでもうすごい嬉しい。かなり満足です。
古代ローマ人という他にない役どころを、ラテン語の発音も鮮やかに、見事演じきっていました。
原作のタイムスリップ・風呂シーンもけっこう忠実に再現されていて
平たい顔族の進んだ文明に驚くルシウスのリアクションに劇場内からも笑い声がたびたび上がったり。

ローマにある映画撮影所「チネチッタ」で多くのロケを行ったという古代ローマのシーンは迫力満点で
たまたま運良くなのか高度な外交交渉の結果なのかはわかりませんが
アメリカとイギリスのテレビ局が共同制作した海外歴史大河ドラマ『ROMA』で使った
総制作費100億円(!)というセットも使って撮影したそうです。道理でスゴイと思った。
チネチッタ、ローマの太秦映画村。

外国人エキストラもたくさん使っていて
黒人奴隷や白人美女、顔の平たい日本人や顔の濃い国籍不明の人など
日本の映画にしてはワールドワイドな人種が入り乱れる画面がなんだか新鮮でした。
(史実通りだとしても黒人の召使は海外で公開されるとき問題になるかも…と余計な心配をするほど)

割とお金かかってるのかな。
先日見た『逆転裁判』に比べるとずっと面白かったです。

「こういうふうに実写化すれば面白いだろうなあ」と願っていた通りの映画化で、とても満足です。

あと富山県ブランドの「ケロリン」がフィーチャーされてて笑った。
<映画「テルマエ・ロマエ」にケロリン桶、出演しています - 内外製品>

さらに! 原作ファンに嬉しいのが

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テルマエ・ロマエ特別編』なる小冊子がもらえたんです!
中には原作者や出演者インタビュー、古代ローマ案内など無料のパンフレットというような素晴らしいデキに。

さらにさらに…

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原作者ヤマザキマリが描く20Pの漫画が!
せいぜい4~8Pくらいかと思って読んでいくと
結構しっかり連載一回分くらいのボリュームがあって驚きます。

映画の撮影中に休憩をする阿部寛のもとにルシウスがタイムスリップしてきて…!? という内容。
作者本人による映画のパロディ同人誌とも言えるような一冊で
これだけでも十分に価値がありました。

面白かった!