明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

浅草「富山ブラックラーメン だらんま」のブラックラーメン

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東京旅行の写真が残っているうちは東京旅行の話。
3日いて、2日目からは浅草のホテルに泊まっていました。
そのホテルの近くに富山ブラックの店を発見!

マジかよ奇遇やね。
富山県民的には見逃すことはできんちゃね。

と思って近づいてみると…


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店名は「だらんま 浅草店」であると。
富山弁の「ダラ=ばか・あほ」を使った店名なのでしょう。
富山県西部では「だらんま」とは言いませんが、東部では言うのかもしれない。

< 富山ブラックラーメン だらんま - 公式サイト >

神田本店と浅草店の2店舗あるみたい。


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店頭には「富山で休もう」シリーズのポスターも。
「東京一黒くてしょっぱい」とポスターが掲げられていますが…。

まぁ、最初に感じるのは不信感ですよね。
富山県ですら富山市の一部でしか食べられていない「ブラックラーメン」なのですから
(しかも、本当のブラックラーメンを出す店は「ブラックラーメン」を自称しない)
(普通に「ラーメン」って言う)
(広島に行くと「広島焼き」って言わずに「お好み焼き」っていうみたいなことかも)

ともあれ
このブラックラーメンの真贋を確かめるべく
これは食べてみなければ! となかば義憤にかられて店内に突入。

まあ、なんでわざわざ東京まで来て富山ブラックを食べなければならないのか
自問しないでもありませんでしたが。


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でん。
出てきたのが、こちら。

スープの見た目はたしかにすぐそこの麺も見えないほど黒く濁って視界が悪く
黒々光るブラックラーメンらしい色をしています。

ただまあ、やはり、というか。
チャーシューが大きな肉塊になっていてたり、メンマの姿も見当たらなかったり
ブラックラーメンの元祖「大喜」系のブラックラーメンとは
見た目からして違っていますね。

味の方は…

め、麺が硬い。

この店オリジナルの極太縮れ麺が、頼んでないのに固麺で出てきました。
これは本家に似ているとか似ていないとかじゃなくて
ただ単純に茹で時間が足りてないのでは…。

実際、麺が伸びてくる終盤のほうではちょうどいい食感になっていましたから。

スープも言うほどしょっぱくないです。
全然余裕余裕。
本家はもっと極悪にしょっぱいですから。

麺も具もスープ濃度もオリジナルのブラックラーメンとは違っていて
東京の人向けにアレンジしたブラックラーメンであることは間違いありません。
まぁ、あの味をあのまま東京に持って行ったら1ヶ月と持たず潰れるかもしれないから。笑。

褒めるべき点は
富山県内でもキワモノ扱いされている感のある「ブラックラーメン」を
東京に持ってきて商売してみようと試みたその商売根性
元祖の味にこだわらずきちんとアレンジしているところ。
(まあこれは半分褒めて半分けなしているのですが)。
(でもやっぱりその土地の人の舌に合う、っていうのが一番大事ですからね)。

あとブラックラーメンにつきものの「白ご飯」を
富山県産米で炊いているらしいというところですね。
ラーメン屋だし研ぎ方や炊き方は甘いところがあるのでしょうが
それでも素材の良さというか、お米の甘さや香りを感じる白ご飯です。

ブラックラーメンの成り立ちを知らない人のために簡単に書いておきますと
死亡者2000人、被害家屋2万戸を超えた富山大空襲から立ち上がらんとする戦後復興期、
富山の道路工事や色んな工事を請け負っていた肉体作業員たちが
大きなアルマイトにぎゅうぎゅう詰めた白ご飯とともに食べるために作られた
流した汗の塩分補給機能を持つ高機能サプライ・ラーメンだということです。

そのしょっぱい麺を口に含み、しょっぱい!と思ったらすかさずご飯をかきこむ。
しょっぱい細切れチャーシューを口に含み、しょっぱい!と思ったらすかさずご飯をかきこむ。
しょっぱいメンマ(本当にしょっぱい)を口に含み、しょっぱい!と思ったらすかさずご飯。

つまりブラックラーメンラーメンはご飯のおかずなんですね。
ホワイトライスをモリモリ食べるための、ブラックラーメンなのです。

だからブラックラーメンを食べるときに
ラーメンだけを食べて「しょっぱすぎる!」と批判するのは余りに筋違いというか
梅干しを食べて「酸っぱすぎる!」と言うような間抜けさが有ります。
でも言いたい。しょっぱいのだ。

そういう歴史的経緯のある食べ物なので
それを思うとやはりこの店のブラックラーメンは物足りない部分が有りますね。

率直に言って食べた人が全員「美味しい」と言えるラーメンじゃないですからね元から。
元からなんすよ。しょっぱすぎるんすよ普通の人が普通に食べると。

でも、それが中毒性あるんだよなあ~~~~~~~~~。

一度食べると次の週くらいにあの強烈な塩味がなぜか恋しくなってしまうという。
「二郎」にも似た、味というより脳内物質感を楽しむラーメンなんですよね。

なんでも、人は強い塩味を舌に受けると脳はそれを「痛み」と感じて
それを打ち消すために脳内物質エンドルフィンだかドーパミンだかを出すらしいのです。
それが中毒性を生んでいるのがポテトチップスやマクドナルドのハンバーガーなのだと。
味というより、その塩味が生む脳内物質ほしさに人は通いつめてしまうのだと。
鉄鍋のジャン』にそう書いてありましたから間違いない。

で、そういうこだわり派の方のために…


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「濃い目」の味付けが選べるそうです。
多分それをオーダーすれば、オリジナルに近い味になるのではないでしょうか。
機会があれば試してみなければなるまい。

極厚チャーシューも柔らかく煮られて醤油が染み込みご飯が進みます。
オリジナルとはいろいろ違いますが
それはこの店なりの「美味しく作ろう!」という工夫だと思うので
言ってるほど悪い印象はありません。

ラーメン700円というのも東京では良心的な値段設定ではないでしょうか。
ご飯(100円)はおかわりしても無料だし。

特別、旨い! とか 富山の味そのまま! っていう訳ではありません
東京に2店舗しかない珍しいチェーン店ではありますし
機会があれば食べてみるのもよろしいのではないでしょうか。

話のタネには、なる。