明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

富山県のパワースポット 南砺市平「天柱石」

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富山県の山奥、南砺市平(なんとし たいら)の秘境に「天柱石」という名の巨石があるという…。
天の、柱の、石…。

神代の昔、天の神様を祀った神殿の柱であったとされる石がこの俗世に逆落しされ
それでもなおその神気を保った巨岩としてこの地に屹立しているというのだ…。

我々は果敢な挑戦精神で、この巨岩の調査へ向かうこととなった……。

(住所や詳しい行き方は「南砺市 天柱石」でぐぐると出てくるこのページを参考にしました。
. ※ただこのページは五箇山トンネル側からR156を下ってくる方向なので
. 庄川から上がっていくと「たいらカントリーの看板を左折」ではなく「右折」になります)


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なにしろ山の中の道を行く……。・

(本当にこの方向でいいのだろうか…)

と不安になりながら道をゆく……。
しばらく行くと、いかにも人気のない採石場が現れた……。

この砕石場に出くわすと
道が間違っていないという証拠だそうだ……。


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眼下にぐねぐね曲がった山道に沿うように立つ集落の見える眺望が広がる……。
いい景色だ……。
人家は遥か遠く… 山はさらに深い……。


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もう少し行くと、「→天柱石」と書かれたポールが立っていた……。
よかった… 道は間違っていなかったのか……。

さっそくこの道に入っていく……。


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砂利道だ……。

急な登り坂と、粒の大きな砂利道に、乗ってきた軽トラックが音を上げるほどの山道だ…。
車を置いて歩いて行くことにした……。

道の側はススキが生い茂り、木々がざわめいている……。
その中を歩いて行くとだんだん心細くなってきた…。

クマが出るかもしれない……。

携帯電話で音楽を鳴らしながらしばらく歩く……。

5分…

10分……

歩いても、それらしきものは見えてこない……。

おかしい…。

事前の情報では
「天柱石のすぐそばまでコンクリートで舗装された道で行ける」
と書いてあるのに……。


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それでも歩き続けると、日が傾いてきた……。
気ばかりが焦る……。

これは…

まさか……

道を間違えたんじゃないか……。

まさか… だが… いや… しかし…

クマが出そうな道のなかでしばし逡巡する……。
行くべきか… 行かざるべきか…。

to go … or not to go …

文法的になんか間違っとるなこれは。
まあいい。
結果から言うとわかったことは


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さっきの「→」天柱石の指し示す道は左の側道に入るのではなくて
これまで来ていた右の本線通りに進めという意味だったのだ!

じゃあこっち側じゃなくて


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このあたりに立てろよ!!
まぎらわしいなーもう!


まるで、天柱石を訪れる者を拒むかのようなトラップが存在した……。
その場所を訪れてほしくない者達がいる…… とでも言うのであろうか……。

言いようのない怒りと不安を抱きながら、さらに山道を奥へ進む……。
いったい、そこに、何があるというのか……。


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さらにしばらく進むと
小さな駐車スペースと朽ちかけた立て看板が、確かに、あった……。

そしてその時、ついに!!!












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「天柱石」がその姿を現したのだ!!


その巨大さ、雄大さに、しばし絶句する……。
人里離れた山奥にありながら、なんという存在感だ……。

明らかに、他とは異質な空気が漂っている……。

岩肌を見ても、先の採石場と比べて色、質、形…明らかにどれも異なっている……。
ひょっとするとこの岩は、かつてこの山のものではなかったのかもしれない……。
宇宙…… からきたものだったとしても…… 違和感がない……。

つい、そんなことを考えてしまう……。


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鎮座している、という感じがする…。
山の中にあるのではない、この巨岩のために、豊かな山があるのだ……。
星のためにクリスマスツリーがあるのではない、
頂点の星をひときわ輝かせるために、緑豊かなクリスマスツリーが装飾としてあるのだ……。

岩の中腹に、落ち葉がたまり、苔むし、岩上に木が根を張っている……。
岩の形から考えるに、落ち葉がたまっている浅さなど、たかが知れているだろう…
とても、この木が根を張るのに十分な広さ・深さがあるとは思われない…。
それなのに、そこに生えている木は、やはり大きく高く育っている……。

この岩が、常識から外れた存在であることを、身を以て示しているのかもしれない…。
木が、岩から、何かを、受け取っているのだ……。

そして、この岩のちょうど裏側に当たる部分に
岩を降りていくようにして、人がひとり入れるほどの窪みがある…。

入ってみる……。
落ち葉の積もった岩肌で足を滑らせないよう、気をつけて、岩の体の中へ潜り込んでいく……。
ゆっくりと、岩の底へ、降り立つ……。

静かだ…
異常なほどの静けさが体を包む……。

先ほどまで聞こえていたはずの木々のざわめきや葉の擦れ合う音、風の音が
全く聞こえない……。

代わりに耳鳴りが起きてくる……。

キィィィィイイイイン……

キィィィィイイイイイイイイイインン……。

過ぎた静けさが、高温域の喧騒に変わる……。
暗い岩の中から、明るい空が少しだけチラリと覗き、輝いている……。

地底から天上世界を仰ぎ見るようだ……。

2度、3度、その場で深呼吸をする……。
生き物の気配が感じられない静謐な空間の冷たく停滞した空気……。
それが、からだの中に入ってくる……。

確かに、ここは、異空間だ……。
あまり長くいるものじゃない……。

再び、この岩の中から、這うようにして階段状の岩場を登っていき
俗世へと、還る…。
大仏の胎内から外へ出るときのような感覚がある……。

気温も1~2℃上がったような、暖かさと安心感を覚える……。


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岩をぐるりと一周りすると
素晴らしい山の眺望が目に飛び込んでくる……。

清々しい空気と眺めで、精神が全く一新されてしまう気すらする……。





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さらに奥に
何かわからない、囲い柵があった……。
中を覗くと、ごうごうと大きな音を立てて水が流れている……。

地下水があるのだ……。


地下に豊富な水脈がありながら、この高さ50mあるという巨岩がドスンと山肌に乗っかって
その身の上で木々が育つほどにピクリとも動かない……。

やはりこの岩は「柱」なのだろう……。

ただ置かれているだけでなく、地下にしっかり噛むようにしているのだろう……。
いや、ひょっとしたら、これがこのまま、地下のプレートへとつながっているのかもしれない……。
地下深く、地球の中心に続く硬い岩盤へ連なっているのかもしれない……。

この岩は、地球の骨のはみ出た切っ先だ……。

そんなことがあるのだろうか……。

いや、そんなことは無いはずだ……。
常識的に考えて、そんなことがあろうはずもない……。

だが、しかし…… だが、しかし、なのだ……。

この「天柱石」とは、どこか常識を超越したものであるという感覚……。
確かに感じたその感覚を、否定することが、できない……。

本当のことは… 誰にも… わからないのだ……。

帰り道、ふと振り返ると
「天柱石」は、おそらくこの数万年、ただずっとそうであったのと同じように
その同じ場所で、沈みゆく夕日のほのかに赤い光を受けて、ただ静かに佇んでいた……。

明日も、明後日も、1年後も、10年後も、1万年後も、そうしているのだろう……。

そこを訪れ、その存在に、何かを感じたとしても、感じなかったとしても……
それはその「とき」の、その人間次第である……。







(※本日のBGM『ゆけ!ゆけ!川口浩』)