年賀状を消しゴムハンコで作りました
画像は年賀状のために作った消しゴムハンコ「馬鹿じるし」。
馬年だから馬! とついでに鹿!
おしりを向けている馬と、どこかとぼけた表情の鹿がなんだかカワイイですよね。
何しろウマ年というのはあるけど鹿年というのはないから
このデザインを年賀状に使おうとしたら次のチャンスは12年後になる。
ちなみに元ネタは
歌川広重「月に雁」に付いている落款。
なんでも、鹿が「福」、馬が「寿」のくずし字になっていて
「福寿印」というおめでたいハンコらしいですよ。
お正月にピッタリ!
それにしても、そうか昔だから右側から読むのが正しいんですね。
つまり本当は「馬鹿印」ではなくて「鹿馬印」。
てっきりこれ落款だと思っていたんですが
今あらためてよく見てみると、落款らしきハンコはハンコで
左上の何が書いてあるかわからない文字の下に2つ押されていますね。
(調べたところ「こんな夜が またもあろうか 月に雁」という句だそう)。
つまりこの馬鹿印もとい福寿印は、絵のためのデザインスタンプ…??
どういう理由で押されているのかわからないので
詳しい人の解説を聞きたいところですね。
サクッと検索してみますと、テレビ東京の番組『美の巨人たち』のページに
>そして、画面下には馬と鹿の印が…。そこにはどんな意味が込められているのでしょうか?
という一文が。
>どんな意味が込められているのでしょうか?
…じゃねーよ!
答え書いとけよそこに! 問いかけだけ書いておいて答えを書かないとかどんなアレだよ!
焦らしプレイだよ!
「1、1、5、8を使って10を作りなさい」っていうGoogleのCMかよ!
わかんねーよ! タコ! ばーかばーか。
えーと、これは2012年9月22日に放送されていた内容らしいですが…。
年月日と「美の巨人たち」で検索しても
「実はこれは『福』と『寿』である」という以上の情報は見つけられませんでした。ぐぬぬ…
でも
>●写真をなして是に筆意を加ふる=ただの写生ではなく筆者の意思を加える
という広重の創作テーマも紹介されていたようで
それは夏目漱石が『文学論』のなかで「文学とはF(事象)+f(感情)である」と定義したことにも
どこか似ているなあと思ったり。
事象、事件に感情を乗せる、作者の意を附随させる、事象で感情を表す…。
なるほど広重の版画は文学であった。
の、かも、しれませんね。
閑話休題。
本題に戻しますと、消しゴムの作り方としてはですね
まずハンコのデザインにしたいものをちょうどいいサイズに調整してプリントアウトしまして
彫りの部分を鉛筆で上書きします。
で、それを消しゴムハンコ用消しゴムにペタリ。
これだけで簡単に鉛筆の後が印ゴムに付きます。消しゴムなので。
鉛筆の粉をトナーにして転写するってわけですね。
(そのあとわかりやすいように赤いマジックで縁取りを描きました)。
ちなみに消しゴムはんこ用消しゴムは文房具店や100円ショップで売っています。
でもってこちらも100円ショップで買い求めた彫刻刀5本セット。
これ100円で買えんの!? 1本あたり21円…。
うまい棒並かよ!
それでもってガンガン彫っていきます。
消しゴムハンコのいいところは、印材がなにしろ消しゴムなのでサクサク削れていって
楽しい。
ほれサクッ。
サクサクッ。
できましたー。
ここまでプリントアウトから1~2時間くらい。
なんとお手軽!
イモ版より簡単だと思いますよ。たぶん。
消しゴムってイモより柔らかいもんね。
でもってはがきに絵の具を塗ったりして、その上にぺったん。
馬鹿じるしは決して年賀状を送りつけた人に「バーカバーカ」と言っているわけではなくて
今年は「ウマ」く「シッカ」り頑張ります… という意味合いがこもっています。
まぁ適当に考えたのですが。
しかしこの大きさの朱肉というかスタンプ台がなかったり
100円ショップで買ったので質があまり良くなく、ちょっと“ずる”…こすると
赤色が伸びて汚くなってしまうのが欠点ですね。
よく乾かせば大丈夫かな…。
左のものはラメ入りのアクリル絵の具を水に溶かしてハガキに塗って
その上にハンコを押しているのですがソレだと押印面がツルツルになるので
なおのこと色が取れやすいかもしれません。
だから逆に、先にハンコを白いハガキに押してしまって
その上からこのアクリル絵の具を薄く塗るようにすれば
絵の具がコーティングになって多少の水気では取れないようになる…かも。
なにしろ生来の不器用で、ハンコの線もビヨビヨによれたり
本当は削っちゃいけないところを気軽に削ったりもしてしまったのですが
もう2~3個作ればはんこ作りスキルも上がってけっこういいものが作れそうな予感。
なにしろ気軽に作れます。
彫刻刀(105円)と印材(105円)とスタンプ台(105円)あれば数時間楽しめますから
けっこうリーズナブルで、しかも作品が残っていく楽しい趣味だと思いますよ。