築地のクジラ「鯨の登美粋(とみすい)
写真は築地に放置されていたマグロの頭。
おそらく売り物になったのであろう目玉と頬肉部分はえぐり取られて
ガランとした空洞が築地を訪れる観光客たちをむなしく見つめています。
……これグロ画像だな! 笑。
ランチパスポートという便利な本を使って
築地に昼飯を食べに行きました。
訪れたのは
「鯨の登美粋」という、くじら料理のお店。
なんでも築地唯一の鯨専門店だそうですよ。
通りに面した店頭ではソフトクリームを売っていて(暖かくてバカ売れ中だった)、
暗い店の奥にズイズイと入って行くと、意外な広さのテーブル席が待っています。
カウンター席もあるけどテーブル席をひとりで使わせてもらえました。
昼に行ったのですが
隣のテーブルではかなりグイグイ飲んでいて盛り上がっていたのは
仕事を終えた築地の人たちだったのかしら。
クジラ天丼!
ランチパスポート利用者に数量限定でもらえる、アサヒのドライゼロが付きました。
どういう料理かといいますと。
クジラ肉を天ぷらにして天丼に仕立てたものです。
そのままか。笑。
肉とご飯のあいだにキャベツが敷いてあるのが特徴的ですね。
で、食べた感想としてなのですが
この店の調理がいいのかもともとそういうものなのか
クジラの肉って柔らかいんですねえ!
独特の匂いはかすかにありますが
むしろそれも「へえークジラってこんな味がするんだ」と
興味深く味わえるのでよいかもしれません。
マヨネーズ風味のタレの味付けもご飯が進みます。
肉の天ぷらって、かしわ天にしても豚肉の天ぷらにしても
肉プラス脂で、いかにもボリューム大になるのですが
この天ぷらは肉があっさりして脂身がないせいか、ペロリといけちゃいました。
むしろ物足りなさを感じるくらい(天丼なのにこのあっさり感はすごい!)。
そんなわけで…
クジラの串カツも頼みました。
この肉も柔らかい!
牛肉だと、この大きさの串カツならかなりお腹に来る物があると思うのですが
クジラならこれくらはもうペロリ。
肉に脂身が少ないのと、水分が多いのかな?
赤身なのにこんなにやわらかい肉はちょっと他にないですね。
火を通したマグロの肉より柔らかい感じ。
やっぱりクジラは陸上動物の肉と魚肉の中間って感じの味になるんですかねえ。
率直に言って、特別に「すげーウマイ!」と驚くような味ではないものの
食肉として「ふつうにウマイ」というかんじなので
クジラ肉は(資源が枯渇しない、種が絶滅しない範囲内で)普通に食ったらいいのに。
日本は絶賛人口減少中ですが地球全体で見ると、人口は大爆発的に増加していますから
今世紀中には風向きが変わって、また商業捕鯨もされるようになるかもしれません。
このお店は、なんかクジラがそう特別な食材じゃなく
ふつうに、ふつうの調理法で、気兼ねなく食べられるというのが嬉しいお店でした。
その肩の力の抜け方は、会話で例えて言うならば
「今何時?」、「九時ら」。
というくらい。
どういうくらいだ。
笑。