明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

浅草・駒形どぜうのどぜう鍋

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2017/01/09に浅草で飲んだと書いたのは、この「どぜう」を食べに来たのです。どぜうと書いてどじょうと読みます。あえて「どじょう」とは書かずに、旧仮名遣いなところに老舗のこだわりを感じるでせう(旧仮名遣い)。

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お店の前には一斗樽が何段にも積み上げられ、誇らしげに飾られていました。藍染ののれんをくぐりますと、下足番の男性がおりまして、ふたりですと告げると、テーブル席がいいか座敷の小上がりがいいかと尋ねられます。どちらでもよかったのですが、座敷のほうが広そうなのでそうしました。

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座敷といっても畳敷きではなく、板の間に座布団が敷いてあり、カウンターの天板のような木板が横たわるのを間に挟んで向かい合います。男はあぐらがかけるけど、女性は(特にスカートできちゃうと)油断できず心休まらないでしょうなあ。てやんでえ、女子供なんかに気ぃ使ってうめえどぜうが食えるかってんでえ! という江戸っ子気質になることが重要かもしれません。男なら「あぐら」がかける場所で、正座か足を揃えて横に崩す座り方しかできない女性は、和室は辛いでしょうなあ。「あぐら」は「胡座」と書く通り、日本だけでなくトルコ以東のシルクロード沿いにある文化(のはず)ですが、あぐら文化のある外国の女性たちは、あぐらをかくことを許されるのでしょうか。機会があれば聞いてみたい文化的差異です。誰に聞くのだ。

ところで上の写真はお品書き。ざっと眺めて、とりあえずどぜう鍋とご飯、お新香の盛り合わせに、お酒を少々頼みました。

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卓の横にはこのようにネギが山盛りになっていて、鍋に自由に盛ることができます。味噌だての濃いい味付けに、このネギがクッタリとなったところを白飯と一緒に頬張ると、こたえられませんね。

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そうこうしているうちに煮立ったどぜう鍋が運ばれてきました。一緒に頼んだゴボウのささがきは、どじょうの上に積み上げて、更にその上に例のネギも盛ります。どじょうはすでに火が通っているので食べられますが、お店のお姉さんいわく「ゴボウが半分くらい火が通ってしんなりしてから食べると良いですよ」とのこと。ふむん。しかしそう悠長に待てません。(余談ですが、店員のお姉さんは皆おそろいの和装で、その上にフリルのエプロンを身につけていて、とても可愛らしいです)

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打ち上げられた魚、つまりここでは飯の上に横たわるどぜう。いわゆるどじょうの尾頭付きというやつを、頭からパクリと丸かじりにしますと、骨も口に当たらず、濃い、いいミソ味と、ほんのりと柔らかく甘いどじょうの身が、なんともご飯を消費させます。もちろんお酒に合うことは言うに及ばず、一度ご飯をぜひ食べてほしいですね。しっかりと粒が立って美味しいご飯でした。

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とはいえ、もちろん、お酒も飲みます。なんでもこのお店のために醸造されている(?)京都のお酒だということで、味はどぜうの濃い味付けに負けないしっかりとしたうまくち。それでいて口に含んで嫌な味のしない、いいとこ取りの日本酒という感じでしたね。頼み方は、枡酒のほか、一合徳利に熱燗や冷や(常温)で頼むこともできます。でも枡酒で頼むと、小皿に塩がついてくるので、こうして枡の角に乗せて飲むという、いかにも通ぶった飲み方が楽しめるのでオススメです。

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そんなこんなでお店を後にしましたが、ちょっとおもしろいのが、このお店の細い道を挟んだ向かい側には、とある有名メーカーの建物がございます。

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それがこちら。闇夜に光を浴びて立つアンパンマンやその他キャラクター。そうこれはバンダイです。ちなみにウィンドウの中には、新しいプリキュアも立っていて、少女がそれを熱心に見つめていました。そう、トランペットを眺める黒人少年のように。

いやまぁ、駒形どぜうとはなんの関係もないのですが、今の今まで江戸情緒を味わった直後に見た面白い光景だったので。思わず。

どぜう鍋はおいしかったですし、それはある意味言うまでもないことで、さらに特筆すべきは、その名物にあぐらをかかずに、その他のサイドメニュー(といってもそう多くは頼んでいませんが)についても、しっかりとした仕事を感じた点です。ご飯の炊き方、漬物のつけ方、実にいい味わいでした。

その他にも厨房においてある木枠のガラス棚や、店の奥に鎮座する巨大な神棚など、お店全体が、なんともいい雰囲気なのですよね。店員のお姉さんの服装もかわいいし(可愛い上に、きちんとそれが実用のものであるというのが、とてもいいと思いました)。