明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

『劇場版 響け!ユーフォニアム ~届けたいメロディ~』感想

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画像は映画公式サイトより。
2017/09/30から公開になっている『劇場版 響け!ユーフォニアム ~届けたいメロディ~』を見てきたので、せっかくだから、忘れないうちに感想を書き付けておきます。


あらすじと概要
テレビシリーズ2期の総集編です。
うーん、身も蓋もない!
それでも改めて、簡単にあらすじを書いておきましょう。

ストーリーとしては、すでにテレビでやった内容なので問題ないと思いますが、ネタバレが気になる人はご遠慮ください。いちおう。

 北宇治高校吹奏楽部は、新たに赴任してきた顧問の滝昇(たき のぼる/声:櫻井孝宏)の下、厳しい練習や選抜に耐えてメキメキと実力を上げて、地区大会、そして全国大会に出場することになった。

 しかし、副部長のユーフォニアム奏者であり、主人公・大前久美子の先輩である明日香が、部活を引退するかもしれないという。受験に専念してほしいと強要する母親との確執もあり、部活動を続けられるかどうか、不透明な事態になってしまった。(「部活のみんなに迷惑はかけないから~」と、あくまで明るい態度でうそぶく明日香だったが、この事態がすでに迷惑なのだった)

 一方、主人公の久美子の家庭もごたついている。大学3年生という姉が、この期に及んで「美容師になる」と、大学を退学したいと言い出したのだ。荒れる大前家。

 同じパートのリーダーであり、(技術的には)尊敬できる先輩・明日香の退部を望まない久美子は、決意をもって明日香を呼び出し、やめないでほしいと伝える。みんなもそれを願っている、そう言っていると。
 しかし明日香は表情を崩さずに返す。

「みんなって、誰? そりゃ、口ではそう言うしかないよね。でも、本心を見せないで、他人に踏み込まないでいる人に、本当の気持ちを言うかな?」(セリフはだいたいこんな感じ、というもの。以下同)

 あくまで本心を見せない明日香に対してショックを受ける久美子だったが、食い下がってみずからの気持ちを、生の思いを、強くぶつける。
 すると、「教頭先生が明日香の模試の結果について話があると呼んでいる」という連絡があった。走る明日香。
 結果はなんと全国30位圏内。明日香は、母と全国模試上位に入れば、全国大会まで部活動を続けていいと約束をしていて、有言実行したのだった。逆転ホームラン!

 全国大会では、結果は惜しいものだったが、全力を出し切った北宇治高校吹奏楽部は、満足感と、悔しさに満ちて、帰路についた。明日香は言う。「私は滅茶苦茶悔しい。3年生に雪辱のチャンスはもうない。こんなに悔しい思いをもうしないよう、がんばってほしい」。

 滝昇は、ある審査員からの伝言をユーフォニアムのふたりに伝える。「よくここまで続けてきたね、美しい音色だった」。その審査員というのは、国内のユーフォの権威的奏者であり、明日香の元父親(両親は離婚している)であり、明日香は、自分にユーフォニアムを買い与えてくれた父親に自分の演奏を聴いてほしいという思いで、ここまでがんばってきたのだった。

 そしていっぽう久美子も、姉に自分の演奏を聴いてもらうことができて、なんとなくわだかまりが溶けたような気がする。姉は自分よりも成績がよく、つねに自分は姉に比べて低く見られていたと思っていたが、姉は姉で、爛漫に育つ自分のことを「自由に好きなことやっている」と羨ましく見ていたそうな。

 卒業式の日。卒業生代表として壇上で答辞を読むのは、明日香その人である。久美子は卒業式後雪の舞う中、明日香を探し、これまでの感謝と、想いを伝える。明日香はカバンから1冊のノートを取り出し、久美子に手渡す。それは、父親からもらった楽譜が書いてある大切なものだ。久美子は初めて、明日香が大事に吹いていた曲の題を知る。

響け!ユーフォニアム

 やさしいメロディーの曲は、そんなタイトルだった。


感想

あらすじはもっと簡潔にまとめられそうな気がしますが、印象的なシーンなども書くとけっこう長くなってしまった。
こうして振り返ってみても分かる通り、全体としては、「明日香の問題」と、「大前家の問題」が、作品を通じて解決し、明日香が部活から、吹奏楽から旅立っていくというのが大筋になっています。

まず、ちょっとだけ気になったところを書いておくと、個人的には、同じ劇場版でも、前作(テレビシリーズ1期の内容)のほうが好きでした。と言うのは、『RYDEEN』みたいなキャッチーで格好いい曲が今作にはなかった(『学園天国』はあったけど)のと、上にも書いたとおり、揉め事がふたつもあってややひつこい。それも、前作での麗奈と先輩のソロトランペットバトルのように部活動の内容に直結したことではなく、家庭の問題。こう……子どもの力では解決できないことが多いぶん、モヤモヤしますね。

とはいえ、あとはとても素晴らしい出来栄えでした! とくにやっぱり演奏シーン!!

吹奏楽部を描く作品なので、その間に何度も迫力の演奏シーンがあり、大勢の楽器が、ちょっと考えられないほど丁寧な描写で描かれて、音楽とともに本作ならではの見どころを形づくっています

映画館だと、この演奏シーンが、控えめに言って最高です。

テレビシリーズでは感じきることができなかった、この作品の本質。ああ、このアニメは、こんなにも感情を揺さぶるものだったのかということを、主に音楽面で感じます。だいたい「音楽」をテーマにした作品なのに、ペラペラの液晶テレビのスピーカーで、その魅力を十全に感じ取れというほうが無理なのです。
(あとほら、深夜アニメって深夜にやるからさ、そんなに大きな音出せないからさ)

個人的な失敗を語ると、映画館の席の位置を、あまり人がいないところが良いと思って、後ろギリギリの席にしたところ、スピーカーの位置のせいで、たまにセリフが二重に聞こえるくらいでした。正直ミスった。
人がたくさんいたとしても、真ん中あたりの席がおすすめです。

というわけで、大迫力の演奏シーンが楽しめる本作は、何があっても映画館でみておくべき作品だと言えますね!


……あっ、うん、まぁ、“何があっても”はやや言い過ぎたかな。
できれば映画館で見ておく作品だと思います。

あと! 映画の冒頭にフォトセッションというのがあるから!(その間はなんとスマホやデジカメでスクリーンを写真撮影していいのです/動画はダメ) 本編が始まる前のマナー広告で「携帯の電源はオフに~」とか言われても、オフッちゃダメだ! 最近のスマホは立ち上げに時間がかかるから、オンにしている間にその時間が終わってしまうんだ!! 終わってしまったんだ! 終わって……しまったんだ……。ああ……ちくしょう……。

そういうのをやるなら、ちゃんと言っておいてほしい。
正直にオフにしておいた、正直者がバカを見る世の中でいいのですかと私は制作者たちに問いたいね。
やるならやるで、きちんと、スマートフォンの立ち上げ時間を加味して、たっぷりと時間をとっておいてくれないと困りますね。

なんか『響けユーフォニアム』は、2018年に劇場版で完全新作を2作やるらしいので、それはそれで観に行きたい。