明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

『天気の子』感想メモ

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新海誠監督の『天気の子』観たのでわすれないうちに感想を書いておきます。

●あらすじ

主人公はどこか小さな離島に住む高校生のホダカ。
家出をしてきた東京で「100%の晴れ女」という少女ヒナに出会う。
異常気象で雨天ばかりの東京でふたりは「天気を売る」ビジネスを始め、これがヒット。困窮していたふたりにも光明が射すように見えたが、じつは「晴れ女」には重大な宿命があったのだったった。

●感想

超ヒット映画『君の名は。』の次の作品ということでプレッシャーもあっただろうけど一定以上のクオリティーは保たれている。
「体が入れ替わってる!彗星が落ちてくる!なんかいろいろ爆発する!(させる)」という君の名は。から「天気が悪い…うーむ…」というのは若干スケールが小さくなってしまっているきらいはないでもない。
それでも前作同様に、要所要所でRADWIMPSの曲が効果的に挿入されて印象的な山場のシーンがふたつみっつはある。

新海誠ならではの手腕で描かれる美しい雨の情景とか晴れ女の設定であるとかストーリーの外側についている装飾はあるけれど
物語の中心はストレートな少年少女の青春ラブストーリーで、そこがこう…30代オッサンには素直に受け取りがたい部分であったことは間違いないですね。

いやまぁ、むしろ今の少女漫画でもやらないような素直な少年少女のラブストーリーに「いや~~~わかるぅ~~~ムズキュン~~~~」ってなる30代オッサンはそれはそれでイヤでしょう。

もちろんラブい要素は前作にもあったんだけど、オカルトやSFも感じさせるギミック満載だった『君の名は。』にくらべるとそこがより中心に据えられているように感じましたね。
この作品がいちばん支持されるとしたら10代女子で、オッサンは女子でもなければ10代でもない、もっとも遠い対偶に位置する存在ですからね。
しょうがない。

10代の「好き」って感情と30代の「好き」って感情は、どうしても違うよなあ。

10代の好きって感情の強さは天秤の反対側に何を吊るしてもそんなもの勝てるものはなくて、ホダカの決断は当然というかそれ以外ない。
だからまぁ、若い人には「君の名は。よりこっちのほうが好き」という人がいてもわかる気がする。

●気に食わんところ

タイアップ案件が多すぎて気になる。
CMでもやってるカップヌードルとか、ポテトチップスとチキンラーメンを駆使して作るヒナの料理とか。
調理中にわざとらしくカメラ目線で観客に商品名を向けている感じ。
「これでいくらもらってるんだよ」とか、いやもう、大人になるとそういうことばっかり考えちゃって、汚れきっているね。
プリキュアのコスプレをしたいという人が出てくるのは、アニメのなかで実在アニメのコスプレをする人というもうなんだかよくわからないメタ感があってよかったけど、テレ朝出資だからなあと思ったりもする。

それにしてもカップヌードルのCM、何も公開直後からCMで流さなくてもいいのになあ。
さんざんCMで見たあとに本編見ると「なぜ俺は劇場でお金を払ってCMを見させられてるんだよ」って思っちゃう。
がめついというかあざといというか。

新海誠の作家性ってむしろ「お前らはハッピーエンドが見たいかもしれんが俺は絶対にモヤッとする終わらせ方にするもんねー!!」っていうところだったり、その世界に入り込みたいと思わせる美しい風景描写だったりするので、行きすぎたタイアップはそのもっとも作家の作家性を毀損するのではないかしら。

あとこう、こうまで、純粋な結末にされると、それはそれで、『秒速5センチメートル』的なモヤモヤエンドがほしくなってくる面はある。

なんかこう、なんか…