明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

本の話

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というわけで、『蒼穹の昴』(1~4巻)読み終わり~。
ええと……感想を……一言で言うと……西太后が素敵。素敵ッつうか索敵。

一般に西太后といえば、傾国の美女、美女かどうかはともかく、清国を滅ぼした元凶はこの女
ってことになってる。
なかなか引退しないわ皇帝を傀儡にするわ自分の誕生日だからって軍艦の建造費をちょろまかすわ
もうやりたい放題よーお。

ところが小説の中では事情が違って、それらの行状はすべて、清国をつぶすためにやっていることになってる。
清国の持つ歴史を4億の人民に被害が出ないように閉じるのは、その時代には西太后しかいなくて、
時代が彼女を悪女にしたのだし、それに耐えられるのも西太后しかありえない。という書き方だ。
そしてその重圧になんとかかんとか耐えている西太后の姿が素敵なんです。そぅなんです!
どうも、川平慈英です。
『ごくせん』同窓会という番組で速水もこみちが慈英のものまねしてて結構似てた。
川平慈英のまねっつうか『ウイイレ』実況のまね。

西太后の話だ。たしかに
そう言われてみるとそういうのも面白いなあ、と小説のキャラの魅力に目がいくのは史学科らしからぬ
思考法。

他に面白かったシーンは、李鴻章が香港の割譲を迫られるシーン。
李鴻章は「この割譲要求のどこに正義があろうか!」とぶちキレておいて、
「しかし諸君(英国)の立場もわかる」「そして私にも立場がある」
「中国語で「九九」は永遠を意味する「久久」と同音であるし、実質的に割譲と変わるまい」
といって、『割譲』を『99年の租借』に変えてしまう。

もちろんその場にいた全員が、香港は英国の支配下に置かれ、英国の要求どおりになった
ように見えたのだが、英国が営々と経営した財産を丸々その地に乗せて、実際香港は返還された。
中国丸儲けである。ディズニーランドも出来たし。

英国人を含む外国人、もちろん日本人にとっても、「99年」というのはそのまま永遠に
思われたが、中国人にとって、李鴻章にとっては「99年」は当然99年後に来たるべき
現在ときちんとつながっている未来として認識されていたのだ。

「国家百年の大計」でイギリスに経営させておいて、太ったところでおいしくいただく、と。
くはぁー……と嘆息いたしましたよ私は。

他にもいろいろ面白いところはあったけどまあ割愛。
個人的には伊藤博文がキャラ的にも出番的にも薄かったのが残念。



ところで香港ディズニーランドでの中国人のマナーの悪さが報道されるにつれ
外国の租界のレストランやなんかに「犬と支那人お断り」という立て看板があったという話が
思い出される。