明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

かもすぞ

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凄いタイトルの本。
『くさいはうまい!』著・小泉武夫/文春文庫

最近、細菌に凝っててね。


……えぇえぇ、下手なシャレですよ。
もやしもん』っていうイブニング連載中の漫画が好き。
主人公は「菌が肉眼で見える」という特殊能力の持ち主。
それが某農大(モデルは東京農大?)に入学して菌と発酵となんやかんやを学んでいくという

コンセプトがよくわからん漫画。

まあ面白けりゃいいんだよコンセプトなんてどうでも。
そんでまぁ、その菌マンガの影響で、ちらっと本屋で見かけて買ってみたら、面白かった。

世界のいろいろな発酵食品の紹介と解説、それらの効能(?)の科学的説明。
著者は立派な教授の人らしいです。
本の中では、表紙の納豆から、甘酒、味噌、パン、キムチ、酢、チーズ等等、世界のあらゆる発酵食品が
紹介、解説されてる。

いくつか挙げると「くさや」の項では
「新島は東京から150キロメートルも離れた島であり、昔は医療体制がほとんどなく…島民は身体に異常をきたすと、薬の代わりにくさやの漬け汁を飲んだのに頼ったというのです」
とか、発酵食品の素晴らしさを伝えたい!と言う強い意志が感じられる。

あと「なれずし」(握りずしの元となった?発酵食品)の項で
富山県礪波平野の南端にある…『井波別院瑞泉寺の太子伝会』では…参詣者になれずしを振舞う習慣が今でも残っています」
という、隣町の情報が書かれておりました。
『太子伝』と言えば井波町(現南砺市)の最大のお祭りじゃあないですか。
井波町民は毎年そんなことしてたのか……と隣町のことを東京で知りましたよ。
というか母親の故郷ですよ>井波町
そんなことしとったがけ?




まあそれはいいとして。
著者・小泉教授の「発酵ラブ」は、「どんなものでも一口は実際に食べてみる」という姿勢に強く現れており、
その発酵食品遍歴でも強烈だったというのが
イヌイットキビヤック
・韓国のホンオ・フェ
スウェーデンシュールストレミング

上から順に説明していくと、
キビヤック
というのはこれが強烈な作り方をするもので、
①まずアザラシを獲ります
②内臓を取ります
③そこに海鳥を詰め込みます
④土中に埋めて9ヶ月間発酵させます(現地では三年間かかる。寒すぎて夏以外は発酵しないので)
⑤掘り出したら完成です。

さて、一体どれを食べるんでしょう?
アザラシは発酵でドロドロです。
海鳥は、体表の羽毛以外ドロドロです。
基本全部生のままです。

正解は海鳥の「内部」。
羽毛は発酵しないので、そのまま「袋」として残ってる。
そのお尻をブチッと引きちぎって、口をつけ、そこからずるずると内容物をすする……。
内容物は液状化してるのですすれるらしい。

考えただけでも臭そう、というかまずそう、というかそれは本当に食べ物か?
でもそう言っちゃいけないのです。
海鳥を発酵させることによって、そのまま食べるより何倍ものビタミンを取ることができ、
イヌイットの生活にはなくてはならないものらしいのですから。

という強烈な食い物。
慣れると病みつきになるらしい。
あの植村直己もこれのファンになったとか。




あーえーと②と③についても説明したいんだが、ちょっと時間がないので今日はここまで!
気になる人は買って読んで!文庫だから安いし!
著者は『もやしもん』の中に出てくる樹教授のモデルだと思う。たぶん。
上の三つの食べ物も『もやしもん』の中に出てくる。
もやしもん』のアンチョコの可能性が高い。



もやしもん』とあわせてオススメ。