明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

「飛騨高山まちの博物館」について

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写真が続く限り旅行の話をするけえのう。

というわけで画像は「飛騨高山まちの博物館」。

>飛騨高山まちの博物館は、高山の魅力を身近に感じてもらえるよう、
>高山城下町の歴史や、その中で育まれてきた美術工芸、伝統文化などを紹介しています

だそうです(公式サイトより引用)。
つまりこの博物館を見るだけで
高山のことが1から10までわかると!
端から端までわかると!
ピンからキリまでわかると!

いうことだそうです。

なによりすばらしいのはこれが入場無料ということですね。
おお…フォントサイズ24+強調はさすがに迫力が出ますなあ…。

すごい迫力なのでもう一回書いておこう。

入場無料



タダ博物館

ただでさえ無駄な出費の多くなりがちな旅行先ですから
こういった入場無料のスポットがあるととても嬉しいですね。

そういえばかつてロンドンへ行った時も博物館や美術館は入場無料がほとんどで
今の2倍ほどポンド高だった折、とても助かりました。
(そういった博物館の中には運営のための寄付金を募る箱があるのですが、本当に気持ちだけ入れてきました)

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中にはどんなものが展示されているかといいますと
まあ昔の古地図だったり
(高山って街は要は昔城下町として栄えていたからたくさん古い建物があるんだそうですね)

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刀だったり。

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火縄銃だったり

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鎧だったりといろいろです。
史学科で日本史専攻だったワタクシとしてはよだれもの… と言いたいところなのですが
近現代史だったので江戸以前の近世はちょっと守備範囲外なんですよねえ…。

「古文書学II」も落としました。

このへんは中近世をやっていた友人のKTJM氏の守備範囲なのですね。
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この関が原の合戦の陣地図とかまさに。

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でん。
こちらは明治26年1893年)のシカゴ万博に出展されたという日本画『花鳥図』。
タタミ一畳ほどもある大きな絵です。
細緻な筆致で鶴や鴨や竹やなんか百日紅みたいな花が描かれています。

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さらに順路を進むと
円空という昔の仏師が彫った木彫りの仏像「円空像」がいくつも並んでいるコーナーがあったり。

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あらなんかいまいち写りがよろしくない…。

と困っていると
円空像はモノクロ写真で撮らなきゃ話にならない」
という『ギャラリーフェイク』のフジタ先生のセリフが思い起こされました。

そこで試しにデジカメを白黒設定にして撮影してみたところ…

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おお。

彫りの陰影がハッキリとわかるようになって
ぐっと表情も引き立ちます。
なんともほっとするようなお優しい顔の仏さんです。

思惟菩薩というタイトルで
別に円空さんが名付けたというわけではないのでしょうが
なるほど何かを思惟しているようなポーズをとっています。

日頃何かを悩み考えるというときにはとてもこのような穏やかな表情をしている自信はなく
むしろ百草丸を奥歯で噛み潰したような苦り切った表情で行く末を案じている身としては
ニヤニヤしているようにも見えるほど心静かに思惟できる仏様が羨ましく思います。

でもまあ本来なにか例えば人生なんかを考える時のテンションなんていうのは
これくらいのニヤニヤ顔でニコニコと楽しみながら悩み考える方がいいものなのかもしれません。
南無阿弥陀仏

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他にも精悍なカッパの彫像があったり。

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こっちはカラーでもカッコイイ。
左手で魚を持ち足でナマズを踏んづけています。
腰につけているのは酒でしょうか、キュウリでしょうか。
全体に筋肉質で精悍な印象ですが全体を見るとやはりどこかユーモラスな雰囲気が漂っています。
おおこういうフィギュアあったらちょっと欲しいな…と思わせる逸品。

海洋堂さん食玩で作ってください。

この彫刻がいつの時代に作られたものかは失念してしまいましたが
こういうカッパの彫刻や民芸品を見ると
ひょっとして日本には昔本当にカッパが居たんじゃないだろうかと思わせてくれたりします。

紺碧の透き通ったきれいな水が流れる川のずっと上流で
岩魚や山女魚なんかを捕まえたり
沼でナマズを踏んづけたり
たまにお供えされたキュウリをポリポリかじったり
川に遊びに来た子供たちと相撲をとったり
子供相手に大人げなく(?)本気を出して
「うおー めっちゃつえー!」
とか目を輝かせる子供に言われて嬉しがったり。
でも尻子玉抜いたり。

そういう気のいい河童が昔たしかにどこかにいて
でも今は居なくなってしまった。

そんなふうに考えるとなんか面白いですよね。

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順路をもうちょっといったところには
現代彫刻?というか割と最近掘られた小さな彫刻なんかも飾ってありました。

伊勢海老! ふくら雀! ヒキガエル

なかなか面白い題材のものが並んでいます。
伊勢海老の右奥には「コーギー」なんてものまでありますしね。

ちなみに「ふくら雀」というのは秋から冬にかけて防寒のために
羽毛を冬毛にしてふっくらとなったスズメちゃんのことです。
かわゆい。
そして「根付」というのは江戸時代頃に印籠や煙草入れの紐にぶら下げていた
今で言うストラップみたいなものですね。

なんでも古いものは骨董美術品として評価が高く
海外にもコレクターが多いとか(ただしソースは『ギャラリーフェイク』)。

あとヒキガエルがリアルですごい。
今にも動き出しそうな存在感と迫力があります。
ゲロゲーロ。
まだ下呂じゃなくて飛騨だけど。

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外にはガス灯もあったり。
中は結構広くて興味深い史料やなんかもたくさんあるので
じっくり見てまわるとかなり時間がつぶせます。

ちゃんと見ていると1~2時間は楽にかかってしまいそうでした。
(実際は早足で駆け抜けましたが…)

1~2階を昇り降りしたり結構歩いたり
基本的にずっと立ちっぱなしになってしまうので
荷物はできるだけ軽くしていったほうがいいですね。

でも高山観光するにはひとつオススメのスポットです。
高山の歴史や文化がまとめられていてよくわかりますし
なにより入場無料ってのがよいですね(3回目)。

高山高くないやま。