「十四代」について少し ~醸造酒ラプソディ
画像は昨日の記事でさんざん褒めた日本酒「十四代」。
酒瓶の文字が自信ありげに輝いてやがるぜ!
(「高い高い」と書いたけど、検索したら通販で最安値1升1万5千円だった。それを1合1,200円で売っているのだから、これは出血大サービスなお店だった)
で、これについてちょっと書き足しておこうと思ったことがあったんだけど
昨日は画像の容量とかがあって書ききれんやったのよね。
それが何かといいますと
この原材料名のところをよく見ると分かる通り
「米・米麹・醸造アルコール」と書いてあって
この酒が「純米酒」でないことがわかります。
(すごく)高かったし、(べらぼうに)うまかったので
てっきりこの酒は純米大吟醸……かと思っていたら
なんとアル添されているとは。
精米歩合は55%で、「特別本醸造」だということらしいです。
< 日本酒 特定名称酒 - Wikipedia >
まぁーこの細かい区分わけが日本酒のややっこしいところで…。
これを見てもじゃあ「本醸造」と「特別本醸造」はどう違うんだとか…。
とにかく細かいことは省きますが
日本酒にはアルコールを添加して作るものがあると。
そんでもって、それは(イメージは悪いけれども)味が悪くなるわけではないと。
むしろ良くなるものだと。
>適切なアルコール添加は、醪からあがった原酒に潜在している香りを引き出す。
>とくに吟醸系の酒の香味成分は、水には溶けないものが多く、それを溶かし出すために
>アルコール添加が必要となる。
>そもそも吟醸酒自体が、アルコール添加を前提として開発された酒種であった
>(参照:日本酒の歴史#吟醸酒の誕生)。
>現在、吟醸酒を生産する酒蔵ではアルコール添加は
>酒質を高めるために必須と考えているところが多い。
(ただしソースはWikipedia)
そして、ネットの情報ですがこの「十四代」は、自社の純米粕取り焼酎を使っいるということらしく
それが「玉返し」という言葉の意味なのだとか。
(というかこの瓶の裏側に能書きが書いてありそうなのでそっちを撮影しておけばよかった)
まぁ、なにしろアル添、アル添と一言に言っても
「水増し」目的のアル添と、「味増し」目的のアル添があると! そういうわけですよ。
だってただ水増ししたいだけならわざわざ純米粕取り焼酎なんて作る必要ないもの。
という訳でこの経験を持ってして言えることは
アル添は悪ではない!
と、いう、場合も、ある。と…
「あたし本醸造のおいしいお酒たくさん知ってます!」
『夏子の酒』で主人公・夏子が憤っていたのも納得。
どうやら、味の善し悪しを決めるのはアル添の有無ではない!
でもねえ……
「消費者は本醸造の意味なんて興味ないんだぜ!」
夏子の上司がこういうのも、実にごもっとも。
俺も「~~ぜ!」とかいうカッコイイ語尾で部下を叱りつけてみたいんだ ぜ!
部下いないけどな。
アル添しても旨い酒があるのなら、飲む側は尚更そんなことを気にする必要はないわけで…。
じゃあいいことばかりで悪い面がないというなら全部の酒にやっちゃえば、なるわけで…。
だがやはり「純米信仰」というべきものはあり、実際にうまい純米酒もやはりあるわけで…。
そもそもアル添が悪とみなされていた原因の三増酒の歴史も踏まえなければならんわけで…。
ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅ……。
まぁーとにかくややっこしい酒ですよ日本酒なんていうのは。
飲む方は、うまいか、うまくないか。
これだけ考えていればいいんですよやっぱり。
地元の酒「立山」も、個人的には純米より本醸造のほうがうまいと思います。
立山は本醸造、しかも、徳利が持てないほどにとびきりの燗をつけたものがいい……。
中部地方の方言でいう“ちんちんに熱く”という言葉のように、熱くつけてもらうのがいいようだ。
それを、おちょこに波立つ水面にくちづけをするように、優しく口元へ持ってきて、吸う。
粋な音を立てながら、空気とともに、適量の酒が口の中へ入ってくる。
とびきり熱くしてあるから、味も、香りも、最初から暴れまわっている。
それが次第に落ち着いて、口の中でちょうどいい熱さになり、豊かな味が感じられるようになる。
(うまい……)
のである。
……ハッ、途中からまた池波正太郎スノッブになってしまった。
なにが言いたいのかよくわかんなくなっちまった。
まぁいいや。
支離滅裂が身上だ。
立山はアツアツの熱燗にしたほうが美味しいというのは、まぁ、好みの話です。