若鶴・酒蔵見学3
若鶴の酒造見学の続き。
写真は「松尾大社」の清めの塩だそうです。
この「松尾大社」というのは酒造りの神様を祀っている神社だそうで
『夏子の酒』でも酒蔵に神棚があり、拝んでいるシーンがよく出てきます。
酒タンクの置いてある部屋の前には
こういう「酸素欠乏危険作業主任者の職務」という看板が設置されていました。
酒の発酵ではCO2が発生するので
タンクを開けて中の気体を吸い込んだ時にブラックアウトしてしまい
そのまま酒タンクにドボン… なんて怖い事故の逸話も聞かないではありません。
そしてそれを助けようとした人も無味無臭のCO2に気付かず吸い込んでしまってまたドボン…
そして助けようとした人を助けようとした人もドボン…
とこう、連鎖的に事故の起きやすい恐ろしい作業でもあります発酵というのは。
低酸素の気体を吸い込むとすぐ死ぬらしいですからね。
怖い。
酒に溺れて死ぬというのは一種のあこがれではありますが
CO2で気絶してしまってからドボンしては溺れるに溺れられぬ。
死に損、酒に落ち損といえる。
せっかく酒に溺れて死ぬなら、肺活量いっぱいに酒を満たして死にたい。
南無阿弥陀仏。
こちらが絞り器。
ここにもろみを挟んで絞りだすそうです。
そんで、残ったものが「酒粕」(杜氏は「板粕」と言ってました)となります。
酒粕も甘酒や粕汁にして食べるとおいしいですよね~。
続いて精米機の見学に。
…でかっ!
体育館くらいの高さの天井いっぱいに
精米機が詰め込まれています。
ここはまさに「工場」と言った雰囲気。
巨大なえんぴつ型の塔が逆になって何本も建っています。
想像するに、この中をコメが通ることで徐々に削られて小さくなっていくのではないかと。
思います。
このタイヤのホイールのようなものがすり鉢…というか砥石。
つまり「ヤスリ」の部分で、この砥石を使って少しずつ少しずつ米を精米していくのだそう。
なんか2~3日かかるらしいっすよ。
玄米から蒸し米用の米の大きさになるまで。
こちらが精米サンプル。
35%というのは、コメの中心35%だけを残してあとは「ヌカ」になってしまうという意味。
ほとんど3分の2を使わないのです。
一緒に見ていたおじいちゃんが
「ほえ~・・・なんちゅうもったいないことすんがよ!」
と若干の憤りの色を含めた声を発していたのは
彼がコメを作る農家であったからかもしれません。
何かを切るのであろうスイッチ。
部屋の電灯を切る方式のぶら下がりひもで管理されていました。
何を切るのかはわかりません。
ちなみに「ヌカ」として酒造りには使われない削った後のコメは
「おかき」の原材料や焼酎の原料として使われるので
削った部分をそのまま捨てるってわけじゃあないらしいです。
酒蔵見学の話は写真があるだけ続きます。