庄川峡大牧温泉露天風呂
というわけで大牧温泉に行った話の続きです。
クマがおりますだそうです。
舟を降りて旅館に向かうとこのような門があります。
宗助は 先刻 から 縁側 へ 坐蒲団 を持ち出して、
日当りの好さそうな所へ気楽に 胡坐 をかいて見たが、
やがて手に持っている雑誌を放り出すと共に、ごろりと横になった。
というのは今検索して出てきた青空文庫にある夏目漱石『門』の書き出しです。
まぁ何の関係もないのですがこういう名作を不意に引用すると全体の格調が高くなる。
使えるところはいつでも他人のフンドシを借りる所存。
それでもまぁケータイの電波も届かない山の奥で
座敷の清潔な畳に身を委ねていると
この書き出しのような気楽な気持ちになる温泉です。
マッチ。
表面には庄川を遡上する舟の写真と
裏面には雪化粧した山々に旅館そしてOMAKI ONSEN というローマ字まで書いてあります。
露天風呂はなんとも小高い崖の上にあります。
(しかしこの「露天風呂」と書かれている建物自体はトイレです)
露天風呂に行くには建物の横っ腹から出て
目の前の階段を登って行きます。
階段を登り切るとごく簡単な脱衣所と
このような大きな露天風呂が。
いちおう源泉がダボダボと落ちてくるようになっていますが
どうやらどこかにバルブがあって
露天風呂に入りに行く客の姿を認め次第どこかのバルブを開放するという
システムになっているようです。
湯音は熱からずぬるからずちょうどよい感じ。
ダラ~~~~っと浸かって
熱くなってきたら湯から上がって流れていく庄川を眺めて
川の流れを見ながら国の行く末を案じるDQ5に出てくるおじいちゃんみたいな感じで
体を冷やすとよいでしょう。
いえ別に国の行く末を案じる必要はないのですが
川の冷気を含んだ山風に火照ったからだを晒しながら
流れていく緑の庄川を眺めているとなんとも言えず良い気分です。
そいで体が冷めたら再び湯に浸かってダラ~~~~~っとするとよいでしょう。
そういうことを何度か繰り返していると
湯あたりしました。
長風呂から上がったときのクラクラするめまいも温泉の喜びです。