明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

『SCHOOL GIRL COMPLEX』(青山裕企/イースト・プレス)

イメージ 1

という写真集を見ました。
写真はこちらから

<アキバBlog-思春期の甘酸っぱいエロス 「スクールガール・コンプレックス」>

いやアマゾンの表紙画像を使えばいいんだけど
それだと帯の画像がないから「貞本義行氏絶賛!」という売り文句がなかったのでね。

で、
これからかくのはその感想(長文)なのですがこれが…

イイ。
実にイイ。

まず最初に言っておきたいのは
エロ写真集では全然ないです。

制服を着た女の子が
いろんなシチュエーション写っているだけの写真集で
決してポルノではない。

ポルノではないんだけれどもなんか実になんかこう…
いやらしい。

その“いやらしさ”が写真家の意図したものであるのはたしかなんだけれども
被写体である女の子がそれを意図しているのかどうか
意図していると、読者である自分は思うかどうか
そう問いを突き付けられているような写真がひたすら並んでいる。

そのシチュエーションも「靴下を脱ぐ」というわかりやすい(?)ものから
ふすまから足を出してみたり、カバンに頭を突っ込んでみたり、
正直わけのわからない(芸術的な?)写真もたくさんあったりして。

しかしその一枚一枚、
女の子たちが見せる無防備さや光を透過するような透明感のある肌
わかりやすい例でいえばうなじとかひざの裏とか
エロスではないんだけれどもこう
視線がいやにひきつけられる瞬間を切り取ったその写真たちに
思わずドキリとさせられてしまう。

●人がだれでも持っている健全な変態性を救い上げた大傑作だ!

フェティシズムとか、フェチとかそういうものは言葉で説明しようとしても難しい。
その言葉で表現しづらいものを写真で表現しているのがこの写真集。

写真に写されている少女たちは実に無防備だ。
とはいえ、無防備に裸や下着を晒しているわけではない。

しかし彼女らが持っている凶悪なまでの蠱惑性は裸や肢体そのものにあるのではない。
(実際女子高生の裸って寸胴だしそんなに魅力的ではない)
彼女らがまとう“制服”やそれが持つ“女子高生”という“記号性”がそれをもっているのだ。

たとえば短いセーラー服の裾から覗く白いはだ。おなか。へそ。
ポニーテールに髪を結んだうなじ、少し汗ばんだうなじ。短く丸まった後れ毛。白く光る産毛。
紺色の靴下が描く足首とふくらはぎの曲線。
夏の明るい光線に透けて見える、下着の影。

そういったものたち。
男を魅了してやまないそういったものを
彼女らは実に無防備に晒している。
彼女らは自分らの持っている魅力を自覚せずにあまりにも無防備だ。
そして読者はその無防備さにドキリとさせられる。

しかし、
写真たちはそういったただの驚き・性的興奮を想起させるにとどまらない。
さらに深い驚き、困惑を隠し持っている。

●「無防備か、挑発か――」。

帯の文句にはこうある。

その「無防備さ」は無垢の表れかもしれないし
それが男を十分に意識した「挑発」かもしれない。

そう思わされたとき、読者はさらにドキドキする。

被写体の少女たちは無言のまま読者に二者択一を迫る。

「あなたは私のことを無垢だと思いますか。
それとも男の視線を知っていて、それを十分に理解して、
自分の武器を能動的に、自在に扱うしたたかな“女”だと思いますか」

読者は不意に、自らの精神性が問われていることに気づく。
自分らはこの子らをどう捉えたか、無垢であるか、彼女らの無防備さは、
自分の性的魅力を自覚せぬがゆえの、幼児と同じ無垢と無知からくるあどけなさといった魅力であるのか。
いややはり。
彼女らはもう十分に大人だ。
ひょっとすると。
彼女らは計算高いのかもしれない。
自分の魅力を十二分に知っていて、それを利用して男を拐かす“女”なのかもしれない。

と。
そう思ってしまう。
その心が、自らの非処女性・俗性を自覚させる。

いや、ちがう。ほんとうに、かのじょたちは無垢なのかもしれない――。

そう思う心だってもちろん捨てきれない。
むしろそうあって欲しい。
そうあって欲しいが、悲劇的にもそうでない可能性だって強い。

ほんとうに無垢だとしたらそれを疑う自分の汚らわしさは一体なんだ。
だが、そうでないとしたら、
彼女らが自らの武器を自覚しそれを操っているとしたら、なんという、恐るべき子供たちだ。

「無防備か、挑発か――」。

無垢で彩られた少女の写真たちが、見る者にそんな煩悶を引き起こす。
それが意図している無垢か、本当の無垢か。
そんなことを考えている自分はなんと無垢とかけ離れた存在であるのか。
(↑それを自覚させる力! これがこの写真集のスゴイところと思います)

こう問いかけられているような
性的興奮とは別の、冷たい刃を突きつけられたようなドキドキを感じてしまう。

エロ本よりよっぽどエロイ。
この写真たちが否応なしに見るものの想像力をかきたてるから。

リアルより大切なのはリアリティ。
エロより大切なのはエロチシズム。
フェティシズムと言ってもいい。

そんなものを十二分に表現している大傑作ですよ。

ネットユーザーはそういったものへ賞賛を惜しまないかと思っていたら
Amazonの評価が☆3つと低いのが意外。
まぁ確かにわけのわからない写真も多いんだけど
それ以上に胸をドキドキさせる写真が多くあるから個人的には全然☆5つですよ。





ただ俺が制服フェチだからという可能性も(非常に)高い。