明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

劇場版『花咲くいろは』みてきた

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画像は映画『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』トップページ。
見てきました。

このアニメを作っているPAワークスというスタジオは
富山(南砺市城端)にあるアニメスタジオですからね!
富山県地場産業振興組合に所属しているワタクシとしては
必ず見なければならない作品というわけなんですよ。
あ、ナンタラ組合は嘘なんですけどね(4月1日だし)。

せっかく富山でかかる富山県産アニメ映画だし見ておかないとね、と思って行きました。
舞台は石川県なんですけどね。細かいことはいいんですよ。

これ富山ではファボーレとイオンという東宝2大映画館全てでやるので
全国的にもかなりの規模でやっているのかと勘違いしていましたが
東京でも2館のみの上映なんですね。

サンシャインと把瑠都9…もといバルト9
どっちも昔いったことあるけど何の映画見たんだか忘れちゃったなー。
バルトナインは『アイ・アム・レジェンド』というガッカリ映画だった記憶。

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- 主人公・松前緒花 -


●あらすじ

えーと元々『花咲くいろは』というTVアニメシリーズがありまして。
2011年に2クール(半年くらい)放送されていた作品です。
それの劇場版なので、キャラクタや設定はどれもそれを踏襲しています。

ですが元々そんな複雑な話ではないので
少ないとは思いますがTVシリーズを見てない人がパッと見たとしても
どうしてもわからにくいということはないはずと思います。

東京にいた女子高生の主人公・松前緒花が石川県にある温泉旅館(祖母の家)で
仲居として住みこみで働きながらいろいろとがんばる細腕奮闘記! …という感じです。

もともとのTVアニメも「昔の東映ドラマみたいな感じで!」という風に作られたといいますから
比較的そんなにオタクっぽくなく
アニメ趣味ではない普通の人でも比較的すんなり見られるアニメです。
簡単に言うとNHKどんど晴れ』みたいな話
(ちゃんと『どんど晴れ』を見たことは無いのですが)。

えーとそれであらすじなんですが
友達の大旅館の娘(同級生)が仲居修行しにきてドタバタしたり
同じ仲居仲間の(これも同級生)の妹がいなくなって探してバタバタしたり
母親の女子高生時代の記録を見つけて「ママにも青春時代があったんだなあ」と
しんみりしたりする話です。

話のタイミング的にはTVシリーズの中盤くらい? かな?

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- 緒花の同級生で大旅館の娘・和倉結名 -


肝臓感想

上映時間66分って短ッ!
短いなー。

もともとアニメ映画は普通、実写映画と違って90分前後の短いものが多いですが
(例えば同じ3月30日全国公開の『ドラゴンボールZ 神と神』は85分)
それと比べでも66分は短いですね。

今日は1000円で見られる日だったからいいようなものの
1700円とか出して同じ金額で普通の映画の半分ほどの時間で終わってしまってはなんかこう
もったいないですね。

とはいえストーリー的に物足りないということは特になくて。

・同級生の結名がやってきてハチャメチャする
・仲居仲間のなこちの妹がいなくなる
・昔の営業記録を見つけて母親の青春時代をしのぶ


という、それぞれ違う要素が割と入り乱れて進行していくので
結構満腹感というか「ちゃんとしたストーリーを見たな!」という満足感は得られます。

でもってその「なこちの妹がいなくなる」というのも
留守がちな両親の代わりに兄弟の世話や家事全般を担っているなこちと
(今回影の薄い)主人公・松前緒花が自分の母親とかぶらせて見たり
主人公の母親と、その母親(つまり祖母)との若いころの確執みたいなものもあって
「母親」や「家」というのが一つ映画のテーマになっているようです。
(サブタイトルの「HOME SWEET HOME」というところから考えても!)。
(ところでこれの和訳タイトルの『埴生の宿』ってよく意味がわかりませんよね)。

その意味で言えば同級生の結名(大旅館の娘)も
TVシリーズであまり描かれなかった家族関係というか母親関係がわかるようなシーンがあれば
ビッと筋が通ってわかりやすくなったようにも思います。

例えば超スパルタで女将の帝王学(なんだそれ)を厳しく仕込もうとしてるんだけど
結名はそれを受け流すためにわざと脳天気なキャラクタを演じていて
「親の期待はわかるんだけど、正直、ちょっと重いんだよね」
とかなんとかシリアスにこぼしちゃうとかなんかして
緒花が(一言に「母親」って言っても、家庭によって色々あるもんだなあ)って
「母親」という存在について深く考えるとか。

つたない例はともかく、現状は結名についてそういうちょっとシリアスな、真剣なシーンがなく
ホワホワと引っ掻き回すだけなので(ストーリーを進めるための役割でもありますが)
結局「彼女は何だったの?」という感じになってしまっていますから。

3つの話があって、それを結って全体のストーリーを作っているような映画ですから
感想をどうまとめたらいいか困ってしまう映画ですね。
つまらなくはないですが、元々TVのを見てなかった人に特別オススメもできないというか。
かといって完全にシリーズのファン向けに作ってあってファンサービスすごいかといえば
特にそういうところもないというか。

(あっでもやたらと入浴シーンはありました)。
(まぁ舞台が温泉旅館ですからね)。
(入浴シーンがあるのはむしろ必然でしょう!笑)。

誤解の無いように強調しておきますが面白くなくはないんですよ!

ジローラモさんもとい次郎丸さんが自作の官能小説で小学生相手に商売してたり
アラサー仲居頭の巴さんが色々と全開だったり
シリアスなシーンで吹っ飛ぶ大人ブラジャーだったり(いかにも岡田麿里節!と思います)
面白く印象的なキャラクターやシーンもたくさんありました。

しかしこの映画が
映画やアニメーションという表現方法に対してなにか新しいものを提示していたり
「この映画の見所はこういうところで、それはどうしても見ておかなければいけない!」
と断言できるところもあんまりない
のです。

作画や背景美術に元々定評のあるPAワークスの映画作品なので
見てわかるビジュアルは全体的に高い水準にあると言っていいと思いますが
たまーにちょくちょく「あれっなんか顔おかしくね…」と思うところがあったりなかったり…。

なのでまあ
「全体的にちゃんと作られてるし、TVシリーズのファンなら見て損はないよ(短いけどね)」

というところに落ち着く…

…落ち着くのかなあ~。なんだかなあ~。切れ味悪いよなあ~。我ながら。

まぁいいか。

…いいのかなあ~。



- 予告編 -





●瑣末な感想

・主人公の父親のキャラクター造形がなぁーなんかなぁー。
・最初っからクサイセリフを吐くイケメンで、なんかいかにも「少女漫画のヒーロー」って感じ
・女脚本家らしいカッコイイ男性像といえばそれですが…なんかなぁー。
・あっ金沢だ! ってところがちょくちょく出ます。大和とか。香林坊の交差点とか。
・あっ北陸電力(っぽいデザイン)の車だ! っていう車も冒頭に出ます。
・「電車」のことを「汽車」って言うのが、ディーゼル車なので正しいんだけど、違和感。
・(女子高生達は普通「汽車」とは言わずに「電車」と呼ぶので)
・(おばあちゃんとかは言う)
・公式サイトの「キャラクター」項の次郎丸の紹介文
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>山道を登りながらこう考えた。智を捨てよう、エロに流されよう、
>これからは社会派官能小説だ。


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