明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

グランフォンドの記憶2

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画像はグランフォンド富山ミドルコース軌跡。
おおよそのちずなので正確なルートではありませんが
公称130km、GPSログ測定アプリでの実測122kmでした。

朝5:00に集合し、開会式を経て7:30にようやくスタート。
昨日に地元の祭りで夜高行灯同士をぶつけあう「合わせ(ケンカ)」をやったところ
神経が昂って眠れず、ベッドに横たわったままでほとんど一睡もできずに行ったので
時間が開くと目がぼーっとして眠たくなって来ました。

それでもスタートしてしまえばこちらのもので
勢い良く走っていく人の後ろについて自転車を漕いでいくうち
自然と眠気も冷めていきました。

普段は一人で走ることが多いので、多人数で一緒に走るっていうだけでも
なんだか特別な非日常感があってワクワクします。

あと走るのが楽!

自転車競技では常識といわれている「風よけ」の重要性を身をもって理解しました。
15km/hを漕ぐくらいの力で20km/hが出せます。
(そうして風を避けるために作られるグループを「トレイン」と呼んだりします)

もちろん疲労は溜まっていくものの
このペースなら息が切れることもなく「しんどい」と言うほどのキツイ運動ではないので
ちょうどいい負荷って感じです。

開会式で富山県警の交通課長が

「この大会は交通規制をかけるような“レース”ではなく
. 普通の道路で普通に車が走る中を、交通法規を順守して行われる
. いわば“サイクリング大会”。みなさま事故などないように気をつけて」

と言っていたのですが
自分のペースで走っていればまさにサイクリング
心配された雨もふらず、天気は花曇り…にはちょっと遅れた、まぁ薄曇りといったようす。

なるたけ風よけになりそうな、背中の広い大柄の男性の影に隠れるようにして
後ろについていきます。

うーむ、楽!


見えないロープに引っ張られてでもいるように、スイーと自転車が前に進みます。
ありがとう背中! ありがとうデカイ人!

この「コバンザメ走法」と名付けたい作戦。
実は普通のレースでも当たり前に行われている、恥じることでもなんでもないことなのです。

というわけで
イースイースーダララッタスラスラスイスイスイー、
てなもんで、
気分よくとなみ野の平野を駆け抜けて行きました。

途中、信号による自転車渋滞はあったものの(何しろ1000台の自転車が走っている)
基本的にはそんないいペースで岩瀬~新湊~高岡~砺波を通り、
第1チェックポイントの庄川町水記念公園へ。

ここまでスタートから3時間くらい。
平均時速は15km/hというところでしょうか。

全体的にゆったりとした登り坂ではあるものの
特に急な登り坂や峠があるわけでもない平坦な道を15km/hというのは
これはハッキリ言って遅いのですが
や、まぁその、道路を20km/hで走っていれば、渋滞や信号ストップで止まりますし
それくらいになってしまったようです。

越中大門の道路工事をしているあたりで結構激しい自転車渋滞になっちゃってたんですよね
(言い訳)。

もちろんガーッと自分で急いで漕いで、道路を30km/hくらい、平均20km/hでここまで来れば
2時間半か2時間くらいでつく計算にはなるんですが
なにしろ大勢で130キロ走るというのも初めての経験なので
あんまり最初から飛ばして後でバテてもしょうがないですしね。
あとコバンザメ走法を体得してしまったのでなるたけ楽なこの感じで行こうと思った。


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チェックポイントではこんなかんじで
「○○番つきましたよー」とゼッケンを見せて自己申告していきます。
トイレなどの休憩と、簡単な補給食がいただけます。

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それがこちら!

なんと! バナナが! 無料で! いただけるのです!


いや別にそんな文字を大きくしてまで驚くほどのことじゃないですな。
バナナの貴重な昭和初期なら驚きかもしれませんですけどね。

そういえばアントニオ猪木のお爺さんはブラジルに移民する船上で
バナナ売りからまだ青すぎるバナナを買って食べたところお腹を壊して
長い船旅で体力が落ちていたことと相まってそのまま帰らぬ人となってしまったそうです。
なむなむ。
バナナ・ザ・マーダー。
戦慄のブラジル・バナナ殺人事件。

ええと何の話だ。
そうそう、バナナをもらってその公園の駐車場に腰を下ろし、そのまま食べるのです。

で、このバナナがね~

すっ…ごくうまいんですよ!!

世界で一番うまいバナナをこのとき食べました!
世界で一番バナナが好き!

スタートから40キロくらい走ったこの時点で
やっぱり体がエネルギーを求めている飢餓状態になりつつあったのか
一口ふくんだバナナのやさしく甘い香り! どこまでもやわらかな食感! くちどけ!

いったいこの世にこんなうまいものがあったのか、と。
うまいバナナがあったのか、と。
今まで俺はバナナの何を見ていたんだ、と。
バナナの価値をこれっぽっちもわかっていなかった大馬鹿野郎だと。
いや、大バナナ野郎だと。
無闇に自分で自分を罵りたいような思いにかられるほど、とにかくうまかったですね。
バナナの栄養がそのまま体中に染みこんでいくような、そんな感慨をいだきましたね。

ちょっと自分の中の
「今まで食べたものの美味いものランキング」が久しぶりに更新されるくらいの
衝撃的なうまさをもったバナナでしたね。

もちろんバナナはごく普通のバナナなんですが
やっぱりアレですな。
「空腹は最高のソースである」というフランス発祥らしいことわざを引用するまでもなく
モノの味というのは、それ自体と同等かもしかするとそれ以上に
場所はどこで、自分はどういう状態で食べるかという外部の状態が重要なんですね。

あとドリンクとアンパンももらえました。
そちらもこのときお金は払わないんですが、まぁ事前に参加費6,000円払ってますからね。

ちなみにその「人生うまいものランキング」の1位は今のところ
「台湾で食べた、そこらの屋台で買ってホテルの冷蔵庫で冷やした完熟マンゴー」。
これですね。

大学生の時に台湾旅行に行ったときの話です。
8月の台湾の蒸し暑い中を回ってホテルに戻ってきて
「しまったフルーツ買ったはいいが包丁がねえや」といって台湾のスーパーで買った
果物ナイフでもって赤く薄い皮を剥いて大胆に身を2つに割って
ぜんたいをじっとりと果汁で濡らしたその瑞々しく黄色いひんやり冷えた果実にガブリ。

…うますぎる。

あまりにもうまいものを食べたとき、その衝撃は後頭部にきますね
頭蓋骨がパッと開いて、中からテープや紙吹雪が舞い出てくるような感じの衝撃が。

強烈な甘味、酸味、香り、冷たさ、果汁のジューシィさ、果肉の歯ごたえ、柔らかさ…
完熟マンゴーの持ついろいろな美味成分が渾然一体となって一気呵成に襲いかかってきて
口から入り鼻や喉や体中をなぶりつくして、最終的に後頭部から出て行きました。

それがせいぜい1個数百円だったんだから
たぶん台湾っていうのは地理的にかなり天国に近い場所にある国だと思います。
今思い出してみても、
やっぱりあの時レントゲンでも撮れば実際にちょっと開いてたと思うんですよね。頭蓋骨。

バナナとマンゴーの話をしてたら長くなっちゃった。
明日もグランフォンドの話を続けねば。