都から『東京防災』なる冊子が送られてきた
画像は『東京防災』。
先日、アパートの部屋に戻ると郵便受けに突っ込まれていたもの。
DVDやゲームソフトの初回特典付き限定版くらいのサイズの軽いダンボールに入っていて
いかにも注意を喚起するような黄色と黒のデザインがなかなかおしゃれ。
防災だからサイのキャラクターになっているんだろうけどそのオヤジギャグ的感性も許そう。
中を開けてみると…
こんな感じ。
舛添都知事の顔写真付きメッセージレターを始め
このパックの本体たる『東京防災』という名前の分厚い冊子と
それにかぶせるための半透明カバー、住所付近の地図が入っています。
さっそくこちらの冊子を開いてみると
「30年以内に70%の確率で発生すると
予測されている、首都直下地震。
あなたは、その準備ができていますか。」
という序文。
お、おう…
そんなものはなあ…
できてねえぜ!
…という、不信心者(?)のために配られている冊子であるということは容易に想像が付きます。
いやまぁ、本当はしたほうがいいんでしょうけど
じゃあ具体的に何をどうしたらいいのかということは、実は分かる人は少ないのではないでしょうか。
さらにページをめくると
はい注目!
準備出来てない人注目!
そこの、5連休シルバーウィークをのんべんだらりと暮らした無精ひげの男性(私のことである)は特に注目ですよ!
地震がかなりの確率で来ると!
じゃあ準備をしなければならないと!
それをいつするのか!?
地震はいつ来るかわからないのに(わからないからこそなんだけど)、
それに対する備えや心構えは
「まあ、また今度いつかでいいか…」
ということでいいのかと!
いつやるか! いま…
いまやろう。
というようなことが言いたいわけですよこのサイは!
ハッ、「この際」だから準備しておこうという意味で、この「サイ」なのか…?
冊子の中身は防災の心得や、実際に地震が起きてしまったあとにどうするべきかという
サバイバルハンドブック的なことも。
トイレ絶対大変なことになるよなあ。
ビニール袋と段ボール箱と新聞紙があれば、簡易トイレ的なものが作れるみたい。
なるほど。
賢い。
そしてこの冊子の特筆すべきところは!
かわぐちかいじ描きおろしのマンガ(題 『TOKYO“X”DAY』)が載ってるんですよ!
おおっ…。
東京都もなかなか柔軟になったなあ。
いや実際このマンガ、ふだんの生活を過ごしている主人公に
突然首都直下地震が起きたという想定で
その様子を14ページにまとめているんだけど
さすが『太陽の黙示録』という、日本を文字通り分断するような大型地震マンガを描いたことがあるだけあり
迫力の描写で
「そうだ電車に乗っているときに地震が起きたら…脱線したら…一巻の終わりじゃないか!」
というようなことを考えさせてくれます。
このマンガが入ってることによってこの冊子の読者は
きちんと、災害を来るべきものとより迫真の感を持って受け取ることができると。
マンガという媒体の力を非常に有効に使っている事例だという気がしますね。
ラストシーンに意味ありげに描かれるこの割れた時計は
なんで4時35分なんだろうね。
大正時代の関東大震災か、東日本大震災の発生時間なのかと思ってぐぐってみたらどっちも違った。
(前者は11時58分、後者は14時46分)。
単に作者が適当に書いただけかな…。
ほらまたー。
こういう時計の描写あると、あとからこの時間に災害が起きた時に
「かわぐちかいじが地震を予言していた!」とかいうことが言われがちなんだからー。
ちなみにこちらの防災冊子やマンガは全てPDFで見ることができます。
↓
<「東京防災」の作成について - 東京都>
東日本大震災後に
「災害自体を防ぐことはできないけど、二次災害や、その被害量をできるだけ少なくしよう」という
“減災”という考え方が多く広がるようになりましたが
(最大の二次災害である福島原発事故はまだ収束の形も見えませんが)
この冊子作成とその無料配布もその減災の考え方に基づく施策であるのかもしれません。
そんでその内容も、上にある漫画のように、結構ちゃんとしてるというか
説明部分も図案を多く使っていて
お役所仕事で単に右から左で作りました、という感じじゃなく、きちんと仕上がっているのが好感が持てます。
なんかページの右下にペラペラ漫画が入っている部分もあったりして
「子供も含めて家族みんなで読んで欲しい」という担当者の意思が感じられます。
やるやん。
興味のある人は(東京都居住者以外でも)上のリンクから読めるので見てみてねっと。
こちらのページからデジタルブックでも読めます(なぜかかわぐちかいじの漫画は読めない)。