明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

漫画『ちはやふる』がおもしろい

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画像は『ちはやふる』という漫画。
講談社の女性向け青年誌『BE-LOVE』にて連載中。
単行本はもうすぐ7巻が発売になる模様。

たまたま仕事で読む機会があったので読んでみたところ、
これが存外面白かったという話をします。

ひと言でいうと「かるた部マンガ」。

えーつまり、
『キャプテン』や『ダイヤのA(エース)』が野球部マンガであるように、
帯をギュッとね!』や『柔道部物語』が柔道部マンガであるように、
SLAM DUNK』がバスケ部マンガであるように、
かるた部のマンガです。

…かるたって(笑)。

と思うでしょう! 思うよね。
カルタといっても「犬も歩けば棒に当たる」のいろはかるたじゃなくて、
百人一首を取り合う「競技かるた」なのです。
それがすごい熱い!

歌を100個(100首?)暗記しているのは基本で、
そのなかにも、上の句の最初の1文字でどの下の句か判別できたり、
それが2文字目だったり6文字目だったり、
まず前提として暗記力と判断力が要求されたり、
さらに札を取る際には取り札を突き飛ばしたり大声を出して威嚇したり、
遠くの札を取るために、
正座の状態から一瞬で水泳の飛び込みのように全身を跳ね飛ばす肉体的瞬発力が要求されたり、
取り札50枚をどこにどう配置するかで難易度が変化したりと、
つまりこう、
思っている以上に戦略性と俊敏性と記憶力が要求される総合競技なんですよかるたって!

知力体力時の運。

全部入りの競技っす。
百人一首がこんなに熱い競技だとは)知らなかった。

実際、かるた選手は1日の試合で3キロ体重が減る事もあるほど過酷なのだとか。
試合中に体を動かすこともさることながら、
取り札の配置を覚えるのに脳をフル活動させるのに糖分をスゲー消費するらしいです。

んで、
主人公の女の子がかるたと出会ってのめりこんで、
高校でかるた部を作って全国大会を目指すという王道的筋書きなんだけれども、
その正統派少年誌的展開もよい。

『ジャンプ』ですら最初っからレベル100な主人公がもてはやされる傾向にある昨今、
最初はなにもできない素人同然だった主人公が、
仲間と力を合わせて努力し成長して勝利を勝ち取るという、
「友情」「努力」「勝利」の古き良き“ジャンプ三原則”がテーマに据えられていて、
素晴らしいのです。

絵がいかにも少女マンガだっただけに少女マンガのイメージで読み始めたら、
想像に反して熱血王道スポ根マンガ要素がたっぷりで面白かったので、
意外でした。

でも女性向けマンガなので男はやたらとイケメンです。
そのイケメンが「俺かるたが好きだ」とかひとりごちているのを見るとなんかちょっと面白い。

イケメンとその他のキャラの区別がハッッッキリしててなんか…
「※ただしイケメンに限る」というのの素地はこういったところで醸成されるのだなぁと思わなくもない。
肉まんくん(キャラ名)が松坂大輔にそっくり。

それでも、
主人公は同級生のイケメン(カルタ好き)二人に囲まれるというELT状態ながら、
むやみに(意図的に?)恋愛要素を盛り込み過ぎないのも男読者としては好印象。

少年漫画の魂を持った少女漫画家が描く女性向け青年誌漫画という気がしますね。
長いですが。
おもしろい。



※画像探すために検索してみたら「マンガ大賞2009」なるモノの受賞作だったそうで…(3月発表)
それを12月にことさら「面白い面白い」言うのもどれだけアンテナ低いんだよという気もしますが、
面白かったのでしゃーない。