明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

映画『パシフィック・リム』見たので感想

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画像は映画『パシフィック・リム』公式サイト「Download」からダウンロードできる壁紙。

こないだ見てきたので
感想を書き付けておきます。

以下にはネタバレという程でもないんですが、内容に触れる部分もありますので、ご了承を。



●あらすじ
怪獣が
襲ってくるので
やっつける。 
(五七五)


●感想
…いやっ(笑)、このあらすじが本当にこのとおりなんですよ!
どういう映画かといいますと

「“怪獣”が出現して襲ってくるので、人間は巨大ロボを開発して迎え撃ちますよ」と。

これ以上説明のしようがないくらい
ごくシンプルでわかりやすいストーリーの
「昔ながらの怪獣映画」と言い変えてもいいような映画です。

巨大ロボ VS 未知の巨大怪獣!!

このコンセプトにワクワクできる人が観るなら面白い。
そうではない人は観るだけ時間の無駄です。

こういうの好きだなシンプルで…
怪獣映画って男のコだよな。


画面は実に現代ハリウッド的というか

CGアンドCGアンドCGアンドCG!


という感じで(本当はCGじゃない特撮技術も使われているのかもしれませんが)、
絵的な派手さ、戦うロボの動き、特に怪獣の気持ち悪さはものすごいです。
「夏休みの子ども映画」と思って見ると、小学生にはトラウマになるレベルの気持ち悪さ。

皮膚とか凄いネチョネチョ。
牙とかベロとか臭そうな息とかが生々しい感じ。

画面的には『ゴジラ』ではなくアメリカ版『GODZILLAを思い浮かべて頂いた方が近い。
ただところどころに出てくる「ロケットパンチ」や冒頭の壁紙のようなロボアニメっぽい必殺技や
空母に乗せられ極太のワイヤーでがんじがらめにされて運ばれる怪獣の死骸や

「うわーこれ『○○』のシーンのアレだ!」

とか日本から仕入れている元ネタがわかると面白いです。
パイロットが着るピチピチで光沢あるスーツはあれエヴァ』のプラグスーツですわ。笑。

スーファミで出ていたSNKのゲームに『キングオブモンスターズ』っていうのがありまして

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こんなの。
このゲームを監督絶対好きだったろうなあというか
受け取る感じとしてはモロに
この『キングオブモンスターズ』の実写化映画って感じです。
作中に出てくる「船で怪獣をタコ殴りにするシーン」なんてまさにこのゲーム的。

(画像はSNKプレイモア公式サイトから。WiiのVCで遊べるみたいです)

監督の「怪獣ラブ!」、「巨大ロボットラブ!」、「怪獣映画ラブ!」
とことんつめ込まれています。

今の映画のCGってホントにすごいじゃないですか。
あらゆる建造物をリアルに再現したり
本当は実在しないモンスターがあたかも本当にいるかのように表現できる力があるじゃないですか。

映画『スパイダーマン』くらいから(?)CGを多用してアメコミヒーローを映画にするっていう
一連の流れの作品がありますが
この『パシフィック・リム』も、元ネタはアメコミではないものの
「架空の存在を極リアルなCGでリアリティを持たせて、大人の鑑賞に堪える映像を作る」
という点で、やはりこの流れに連なる作品だと思います。

(ヲタ監督が)今現在の映像技術で昔懐かしい怪獣映画を作るとこうなるんだ!


という驚きと発見がありました。
怪獣、特撮、ロボ、アニメ…こういうモノたちに一家言あると自負している人たち
必見ですよ。


●ただまぁ、アメリカ味なんですよ。
怪獣のことを作中でもそのまま「カイジュー」と言っていたり
素材は日本の元ネタを使って作っているんですが
出来上がった映像や脚本は純然たるアメリカっぽさで

日本人が思い浮かべる「怪獣」は
こんなに皮膚がヌルヌルしてねーよ!!

っていうような
そういう感覚の違いというか文化の違いは確かにありますね。
ここらへんの違和感が抵抗になる人とそうでない人は差がありそう。

わかりやすく料理に例えて言うと
氷見産の寒ブリを使って日本人も唸るような照り焼きにして
ここまではスゲーウマそう! ぜったいうまい! だけどでき上がったものは…

「YES! 寒ブリTERIYAKIバーガー!」

みたいな。

あっちゃ~… 
バーガーにしちゃったか~ そっか~… アメリカ人(メキシコ人)だもんね~…。
いや、マズくはないよ、むしろウマイよ! ウマイんだけど…

そっか~バーガーにしちゃったかー… それなー… 俺はそっちじゃないんよ
でもアメリカの映画やから、それはそれでいいことやと思うですよ…。
ただ、俺はそっちではないのよ…

っていう残念さは最後まであります。逆にわかりづらいか。笑。



●字幕で見るべきか…
吹き替えで見たんですけど
純粋に映画として楽しみたいなら、字幕で見たほうが面白いと思うんですよ。

まず「カイジュウを倒すぞ!」っていうことを、たぶん文章(字幕)で見ると大丈夫なんですが
声で聞くとやはり少し鼻白むというか
「ンフッ この人たち真面目に『怪獣にやられた』とか言ってる… 大人なのに…クスッ」
っていう笑いが生まれてしまいます。

これが英語で「ナンタラカンタラ~ KAIJU~ ナンタラカンタラ~」っていう声を聞いて
字幕で「怪獣が出現しました!」とか読むんなら平気だと思うんですけどね。

あと、なんか吹き替えの翻訳にいまひとつセンスがないというか…。
「字で読むなら平気だけど、言葉にして耳にすると違和感があるセリフ」というのが
多かったように思います。

メモもないのでちょっと具体的にどこがどうとは言えないですが
戸田奈津子ならそういうゴツゴツと耳にぶつかるセリフにはしまい」
というような感じ。

まぁ、戸田翻訳には賛否ありますが
この映画の場合、むしろ映画の勢いだけ重視の、戸田翻訳の方が良かったと思われます。



●でも吹き替えで見た理由は…
吹き替えの声優陣が超豪華なんですよ!

主人公…杉田智和
ヒロイン(菊地凛子)…林原めぐみ
怪しい中国人…ケンドーコバヤシ(イロモノ枠)

その他、玄田哲章古谷徹三ツ矢雄二池田秀一浪川大輔千葉繁などなど…。

主人公キョンかよ!
ヒロイン綾波かよ!
(しかも菊地凛子内巻きショートカット! で、パイロット!

この超有名声優陣の名前を見てときめいちゃったら
吹き替えで見るしかないでしょう!


ちなみにヒロイン菊地凛子の子供時代は芦田愛菜(吹替じゃなくて生からね。芦田ナマ)。
ハリウッドデビュー。すごい。笑。

あのーやっぱり監督がオタクなだけあって
(いや実際に監督の人となりは知らないんですが)
(こんな映画を作る人はどう考えてもオタクですよ/断言)
吹き替え声優たちも昨今のタレント偏重、話題性重視じゃなくて
ちゃんとした人たちを選んでる! という感じがあったので吹き替えにしました。
ただ有名ドコロのロボットアニメ主人公を上から順に並べただけというハナシも…/笑)

そしたらまぁ先に述べた欠点みたいなこともあって
吹き替え版は吹き替え版でやや残念なところはナキニシモアラズだったんですけどね。


●まとめ
現代の映像技術・CGをフル活用した「巨大ロボ VS 宇宙怪獣」な映画。
日本の怪獣映画、アニメの影響をモロに受けているのが(分かる人には)わかって楽しい。
映画を楽しみたいなら字幕で見たほうがいいけど
菊地凛子(C.V林原めぐみ)のエセ綾波レイとか声優要素を楽しみたいなら吹き替えもアリ。
(よく考えれば菊地凛子は本人が吹替すればいいのに、しないのにはやはり意図がある)

怪獣のソフビ人形に心を燃やしたかつての“男の子”なら見て絶対に面白い!
リカちゃん人形の髪を撫でてたかつての女の子は…やめておいたほうが…賢明かも…。

俺もゴモラレッドキングのソフビ持ってたはずなんだよなー。
どこ行っちゃったんだろうなー。

そういう、普通は大人になるにつれていつかどこかへ失くしてしまう
魂のソフビ人形をなくさないまま大人になっちゃった愛すべきバカの作った映画だこれは!



●あとは瑣末な感想を…
・怪獣がゆっくり倒れるところがまさに『ウルトラマン』とか『ゴジラ』みたい。
・主人公の声はキョン杉田智和)だけど見終わるまでキョンと気付かなかった。
Twitterでの『パシフィック・リムクラスタというか特撮関係者の感想ツイートが熱くて面白い。
・山下いくとや樋口真嗣とか。
ニコニコ大百科の「パシフィック・リム」項が面白かったw
・これは3Dで見た方が面白かったろうなあ! 見た後から後悔
・オチケンコバwwww
・軽く調べたらやっぱり監督はモロに日本オタクだったw ↓

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・ファット オタク ヘブン! (太ったオタクの天国)
・↑クソワロタ
・あとこのTwitterまとめ↓が面白かった
< 日本文化の影響を語るギレルモ・デル・トロ監督 - Togetter >

2階から小便をかけられても身じろぎせずに円谷映画を見つめるメキシコの少年!
それこそ映画的で、この監督の自伝映画を撮ったとしたら感動的なワンシーンになりそう。

遠くメキシコにまで振りまかれた円谷特撮映画のタネが
40年後、現代アメリカCG技術の水を得て花開いた!

そういう来歴の映画だったわけですね。
深く、納得。