明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

映画『若おかみは小学生!』見たので感想

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画像は映画『若おかみは小学生!』公式サイト。
やたら評判がいいので観てきました。

大人の観客も魅了する映画『若おかみは小学生!』監督のこだわりとは?
http://s.cinema.pia.co.jp/smart/news/175728/76676/

見ての通り原作は青い鳥文庫で、公式サイトトップページにも「文部科学省ご推薦!」と堂々と飾っているように、子ども向けのアニメ映画です。

ですが。

監督は黒田硫黄原作『茄子 アンダルシアの夏高坂希太郎であり、『ガールズ&パンツァー』の吉田玲子という実力派タッグで、背景美術やハイクオリティな描写にこだわりまくって、「大人が見ても楽しい」と評価を受けているのです。

せっかく見たので感想をメモしておきます。

全体としては前評判に違わぬ良作で、『茄子 アンダルシアの夏』の監督らしい良作画は見どころのひとつでしょう。
ストーリー上盛り上がるシーンや泣けるクライマックスもあるのですが……惜しい!

これは個人的に、「あるカテゴリーがあってそれを飛び越えてしまうようなパワーのある作品」に強烈に惹きつけられるという自分の趣味を踏まえた上でなのですが、もうひと突き抜けあればオトナアニメとして成立できたはずと思います。

それは、せっかく劇中でローバーミニのカントリーマン(車に何故か曲げ木の枠を取り付けたクラシカルでかっこいい車)という渋いチョイスの車種を出しているのに、エンジン音が別の車なところだったり(実際にローバーミニに乗っていたのでわかるのです。たぶんですが。これで「いや実車で録音しましたよ」ってことだったら俺が赤っ恥)、CGの物量が「普通の演出」というか「子ども向けの作品として必要十分な演出」に留まってしまっているあたり。

とても高いレベルでまとまっていて、確かに大人でも楽しめたのですが、「出来のいい子ども向け作品」という枠内に収まってしまっている感があるのがもったいないと感じるのです。

極端に言えば、宮崎駿細田守ならこの映画をこのままにしておかなかったはず。両親を交通事故で亡くした主人公というハードな設定や、そのトラウマに悩むという描写もあり、深みのある良作なだけに、いっそもうひと声突き抜けてほしかった…!というのが感想です。

やっぱり90分の映画に1800円払うと思うと、ウーン、もう一声!と思いますね。

「子ども向けアニメ映画」として観たとき、それは間違いなく高得点で、「大人が見ても楽しめる」というよくある評価も間違っていないと思うのだけど、その枠を壊したり超えているものではなくて、欲を言うようですが、もう一段の飛躍があればと強く思いました。

さっき例に挙げた細田守監督作品で言えば『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム』なんですよね。

だから全体としてはおもしろかったですよ。
ただ、この94分に大人が1800円を支払ってマストで観なければならないか、『カメラを止めるな!』と同じくらいマストバイ…マストシーな映画か、と問えば、ちょっと違うかなと。

最後にフォローするわけではありませんが、女将として奮闘するところや友人のピンフリちゃんとのやりとりなどはとても青い鳥文庫的で、楽しく微笑ましく見られました。良作。

良作だけに惜しい。
温泉いきたい。