明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

映画『キングスマン:ゴールデンサークル』感想

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2017年1月5日公開の映画『キングスマン:ゴールデンサークル』を観てきました。
感想を書き連ねておきます。

●感想
控えめに言って最高だった。2時間20分あるなんて嘘でしょ!?
体感時間、30分くらいしかなかったよ! それくらい、息をつかせぬシーンの連続! 演出と派手なアクション、気を引くシナリオで、まっっったく飽きさせない!! いやー、いい映画を見た。こんなに面白いものを勝手に作って目の前に持ってきてくれる人が世界に入るんだから、人生ってすばらしいな!(おおげさ)

前作にはなかった「ナカセ」の要素も込みで、娯楽アクションとしてとてもよくできている。ちょっと直球的なグロ要素がめについたけど、それもまぁ大人映画の味と思おう。破壊的で非道徳的で享楽的。なのにそれでいで、紳士的。僕が映画に求めるものがすべて詰め込まれている。ときにCGがチャチで、テレビゲームチックに感じるときがないでもないけど、この映画はそれも許容させる「B級感」と、勢いがある! 映像も音響もシノプシスも、今節丁寧に作られているのに、そのエネルギーが集中して志向するのは、シリアスではない、コミカルと言い切ってしまってもいいほどの、爽快で痛快なスパイ・アクション! とてもとても、おもしろかった。胃痛まで治った!!(ほんとう)
前作ファンの期待を100%裏切らない仕上がり。ただ、前作が120%の驚きだっただけに、あの強烈なパンチ力はないかも。
でも、そう思うけど、その凄さは建材で、「メジャーで新人王を取った次の年のイチロー」みたいな。2回目の富士登山みたいな。2度目の結婚みたいな。いえば言うほど離れていく気もする。

シーンの描き方が本当にうまくて、たとえば主人公がスパイメガネをかけたまま彼女と彼女の家族との夕食に望むところ。彼女の父親でスウェーデン国王から、娘の彼氏を試すため、「ドイツの金融政策についてどう思う?」、「ナントカカントカ建築方法は?」、「ブルートゥースについてはどうだ?」など矢継ぎ早に意地悪な質問をくりだす。しかしスパイメガネには、基地で検索する仲間のおかげで、それぞれに対する知識が表示されているのだ。
と思ったら、友人がうっかり自宅にある隠し部屋を見つけて、スパイメガネやライター型爆弾を見られてしまう。友人はメガネをかけ、ライターに手を伸ばして着火。その映像が見えて通信会話ができる(その機能は前述の質問のやり取りで観客に呈示されている)主人公は思わず「今すぐその手を降ろせ!」と声を荒らげる。しかし実際に目の前には彼女の父親であるスウェーデン国王が「急にどうした」と困惑する。
うまいなあ。
それでいて親友はライターを閉じてひと安心…かと思いきや! 敵勢力のミサイルが飛んできてボカーン! 基地の仲間とともに爆死する。
(笑いを含めた)日常のピンチから、本筋の大ピンチへの導入が非常に巧み。
そういう脚本のうまさがやはり根底にあると思う。ジェットコースターに乗るように2時間20分があっという間!どうしても全部のシーンが必要だったとも思わないけど(エルトン・ジョン押しすぎだろ/笑)、これだけ時間を気にせず楽しませてくれるなら、2時間半と言わず、3時間あってもいいくらいだよ!

しかし思うのは、やはり前作比100%の満足度を観客に感じさせるためには、作り手側すら過剰だと思っているかもしれないほどの物量、そして作り込みが必要だったのではないか。
1作目で感じるぶっ飛んだ新鮮さは、2作目では観客は当然感じることはできない。その代わりになるものが必要だ。だから作り手は様々な趣向を凝らした。それはあの人の復活だったり、社会的メッセージだったり、泣かせの要素だったりしたかもしれない。
前作のインパクト、その衝撃を続編の満足度で穴埋めをするためには、2時間20分にまで拡大した、徹底的な娯楽の時間が必要だったのだ。あの教会の歴史に残るガンアクションシーンを補うためには、余りあるおもしろ要素の詰め込みがどうしても必要だったのだ。きっと。

舞台がアメリカになったことで、コテコテのアメリカ人キャラクターが出るなど、イギリス要素は前作より薄め。イギリス成分を堪能したい人は前作をみましょう。

感想が長くなっちゃた。おわり。