ヤクルト残り5試合。マジック3。塩見のエラーに思う
ヤクルト塩見、痛恨後逸ヤっちまった「全力でプレーしてくれたらいい」監督 [2021年10月22日8時27分 ]
優勝まで残りマジック3。
先日書いた「巨人阪神6連戦を5割で乗り切れれば優勝も夢物語ではない」という記事の続きみたいなもの。
4ゲーム差は0.5ゲーム差まで縮まり、今日もし負けるとまさかまさかのゲーム差なしに。
昨日の広島戦で信じられないプレーを見た。
7回表、広島の攻撃、ヤクルト3点リード。6回2死からリリーフした田口がイニングをまたいで続投。回の先頭打者、次打者を塁に出し無死1・2塁。3人めの打者となった広島のバッター宇草が素直なバッティングで打ち返した打球は、ショート西浦のグラブをかすめセンター前へ。センター塩見が猛チャージしてくる。
2塁ランナーをホームで殺す、ホームに返さないための積極的な守備。
塩見がその打球を後逸。
転々とするボール。
レフト青木とライトサンタナがフォローするも、白球は無人の野をコロリコロリと転がっていく……。
ランナーは全員帰り、打った宇草も帰還して、一挙同点。
記録上はヒットとタイムリーエラーなのでランニングホームランにはならないものの、その勢いのまま広島はリリーフしたスアレスからも得点し、7-11でヤクルトは敗戦した。
まさに『ドカベン』のセンター山岡を彷彿とさせる痛恨のタイムリーエラーで、
なんとも言えないチームメイトの雰囲気もまさにこの通り。水島御大の野球描写のリアリティーには改めて敬服するばかりである。エラーした塩見は顔面蒼白。打たれた田口は気のいいお調子者なんだけどこのときばかりは憮然とした表情を隠さない。
本来「ドンマイ」と声を掛けるべきところなんだろうけど、この場面で3点タイムリーエラーをするような選手にかけられるドンマイなどこの世に存在しない。掛ける方も掛けられた方もただのごまかしに過ぎないとわかってしまうから。
これが優勝がかかる試合の重圧といえばそうだろうし、浮足立っているとも言えるし、塩見のボーンヘッドとも言えるし、打球の勢いもあったし、ボールがまだ跳ねて生きていたし、エラーの原因を類推するとアレコレ思いつくものはある。
ただ、プロ野球選手であれば、100回やって100回ともエラーしないプレーであることは間違いない。
でもエラーしちゃう。
人間だもの。
普通のプレーを普通にする難しさ。
優勝争いの佳境中の佳境で、今年一番のやらかしを見せた塩見選手。
また同点で止められなかったチーム。
ハッキリ言って考えうる最悪の負け方で、こんなもん塩見当人もほかの選手達も気持ちを切り替えられるわけがない。次の試合(今日)に引きずりまくるだろうけど、だからこそ逆に、この最大の逆境でいつも通りの前向きなプレーができて、勝つことができればM2。長いシーズンも残りたったの5試合になった。2位阪神との直接対決はもうないけど、あとはもう選手たち全員が自分自身との直接対決をやるしかない。それが一番の天王山だ。
これはもう、どの国の時代のどの人だってそうだろうけど、仕事のミスは仕事で取り返すしかない。塩見にとってそれはしっかりと準備をして、一球一球集中して、守備のときも攻撃のときも、一球入魂でやることしかないだろう。
がんばれ塩見選手。
ただ、朝から雨が降っているから、ひょっとすると今日の試合は中止になるかもしれない(もし1日の休息ができるならまさに天の恵み!)。だけど、日程が詰まってるから強行する可能性も十分ある。この寒い寒い12月並の気温で雨天強行するのは避けてほしいところだけど……。