明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

IMAX上映『ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート』観てきた

『ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート』

ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート』

www.youtube.com

 

ザ・ビートルズの伝説のラスト・ライブ・パフォーマンス “ルーフトップ・コンサート”が、5日間限定でIMAX®の巨大スクリーン&高音質サウンドで甦る。1969年1⽉30 ⽇、“Get Back(復活)”を掲げて集まった4人が、名盤「レット・イット・ビー」に収録される名曲の数々を、ロンドンにあるビルの屋上にてサプライズで披露した。この奇跡のライブが、巨匠ピーター・ジャクソン監督によって、時空を超えた<体験型ライブ・ビューイング・ショー>として幕を開ける。

www.universal-music.co.jp

 

ビートルズの“最後のコンサート”となったルーフトップ・コンサート。

その映画が限定公開となっていたのを観てきた。

 

世界中から熱狂的な人気を集めたビートルズが、映画の撮影を兼ねて屋上でコンサートを開催。街ゆく人々も次第にビートルズの演奏であると気づき足を止め、撮影班はロンドンの人々にも短くインタビューをしながら撮影する。

 

IMAXシアターの音圧、音響が最高で、21世紀にこの最高音質でビートルズの演奏を聴くことができるというのが稀有な体験。

コンサート映像もめちゃくちゃかっこいい。

それぞれの妻や彼女の上着(毛皮)を着て「寒くて手が動かないよ」とか言いながら弾く様。

 

ビートルズの魅力というのは市場もっとも人気があったらロックバンドでありながら肩の力が抜けているというか自然体であり続けたところではなかろうか。

 

映画はその演奏シーンが中軸になるものの、おもしろいのは騒音を撒き散らすとして苦情を受けたハタチそこそこの若い警官がやってきて「続けるなら逮捕しなければいけない」と言ったり、通りを歩く住人に聞いて「ビートルズ? 最高ね!」と興奮ぎみに答えていたり、逆に「寝ていたところを起こされて最悪よ!」と批判していたり、賛否両論を捉えているところ。

 

またロンドンだけに人が着てるスーツが全員似合っていて、出演者の衣装(笑)を観ているだけでも当時のロンドン風俗が垣間見えるようで、イギリスかぶれの俺のようなものにはとても興味深く観られた(ルーフトップ・コンサートの舞台となったビートルズの会社、アップル・コアは“背広”のサヴィル・ロウにあったそうな/キングスマンのご近所さん!)。

中でもハットをかぶっている60過ぎくらいのおじいちゃんが、顔には深いシワが刻まれていて、ハットとコートが似合ってるんだ

 

「彼らは独立独歩で、彼らのやり方でやっている。彼らはつまり、愛すべき人々だと考えている。いいと思うよ」

 

と答えていたシーン。見た目が(頑固な?)おじいさんに見えるから、ひょっとすると撮影班は批判的な意見を撮ろうとしてインタビューしたのかもしれない。

 

――娘の結婚相手としては?

 

という意地悪な質問にその意図がちょっと見えている。

それに答えておじいちゃんが

 

「かまわんよ。金持ちだからね」

 

って答えたシーンがマジで最高だった。

単なる金持ちってレベルじゃねーぞ

これもイギリスンジョークというか。

 

若い警官が「演奏を止めてくださいよ、逮捕したくない」って頼んで、「すぐ終わるすぐ終わる」って時間を稼がれてどうしようもなく右往左往するところとか、屋根の上から観ている観客が(どうやって登ったんだ)、「ロックンロール!」って叫んだのに対してジョン・レノンが「You too.」って返すところとか、とにかくもう、ビートルズとは1バンドにとどまらずその時代に表出したひとつの現象であったというところが表現されていてとてもよかった。

 

単なるバンドのコンサートPVにとどめないで街の声を多く入れたり、警察や苦情に来る近所のビルの人もとらえてドキュメンタリーに仕立てているのがまさにそういうことで、ビートルズというバンド、ゲット・バックという曲のみでなく、ビートルズという現象を映したかったのではないかなと思う。

 

最高だった。

個人的2022年ベスト・オブ・ザ・ムービー(気が早い)。

IMAXでなくても、爆音上映とかでまた観たいな~。