明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

荻原浩『噂』(新潮文庫)

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ちょっとこれヤバイ!!
むっちゃ面白い!!

すげえすげえ。


荻原浩は『神様から一言』ってやつを読んで面白かったから買ってみた。
明日の記憶』書いた人。
解説によれば第二回本屋大賞で二位だったとか。
ちなみに大賞は恩田陸の映画になった夜にピクニックする話。
こっちのがおもしろいよ。


☆あらすじ☆

レインマンが出没して、女の子の足首を切っちゃうんだって。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。
香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。
口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。
販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、
足首のない少女の遺体が発見された。
衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。






あらすじがよくまとまってる時は文庫本の裏に書かれているのを丸写しした時。


まあ画像を見てのとおり
「衝撃のラスト一行に 瞠 目 !」
だなんて派手な売り文句がついていて、
それに引かれて……というより
「はっはーん?こんな風に売り文句つけて、なんかあざとい売り方してんなぁ」
という斜めに見てニヒルな笑みを浮かべて買ってみたん

だ け れ ど も 。
















……………………………………………ちょっ。(←最後の一行読んで)






さいご普通に鳥肌が立った。
ホップ ステップ 玉砕……ちがうちがう。鳥肌実じゃなくてね。
普通に。
背中にぞぞげが走った。

この小説には「仕掛け」があって、最初ハードカバーで出されたときは、
その仕掛けにあんまり気づかない人もいたとかで、
文庫化にあたりそのへんをわかりやすく書き直したらしく
ひょっとするとこのオビの文句も、
その「仕掛け」に気づかせやすくするための手助けなのかも。


ラスト一行読んだあと、本編もういっかい見返したもんね。
見返せば見返すほど
「うはぁー…」って感じ。

いたるところに伏線が張られてて、しかもそれが一見きちんと別の意味を持ってて
巧妙~にカムフラージュがされてる。
カイジ風にいえば「脱臭っ……!」(パチンコ『沼』編より)
このカムフラージュががウマイ。お上手。脱帽。あんたベトコンになればいいね。



一度最後まで読んで、もう一度本編を読み返すと、その巧妙さと構成のうまさにもうね
「うはぁー…」って感じ。
なんでこんなに伏線張っておいて物語が破綻しないのか。
伏線が張り巡らされすぎててもう「線」つうか「網」だね、網。
網がずーっと張られてて、それを確認する作業はほとんど地引網的な快感が……。
網の中から魚がぞろぞろもぞもぞ……
なかでも一番の大物は娘の菜摘が……おっとこれ以上は言えない。
是非読んでみて。
というかこの本の内容についてすげー誰かと語りたいけど、
読んでない人にそのすごさを話したらもうどうしようもなくネタバレになるので……。

見てない人とは話し合えない、と言えば……あれです。『シックスセンス』のアレ。
この本の「仕掛け」は『シックスセンス』のアレとはちょっと種類が違うんだけどね。
だからもう貸すから読んで!誰か!読みやすいから!
ちょっとサスペンス刑事ドラマ風で血が流れたり、肉がアレしたりで恐ろしい所もあるけど!
文体は読みやすいから。

でも映像化するのにはちょっと難しい部分もあったり。
でもいつかしそう。サスペンスドラマ。ひょっとしてもうしてる?
ハードカバーとしては数年前に出てるわけだし。
このタイムラグの大きさがな……文庫本徹底支持者としては悔しい部分でもある。
今出てるのハードカバーではなんだっけな『チームバチスタの栄光』?医療モノ。
おもしろそう。
でもね……ハードカバーは値段が高くて買いづらいし、重くて読みづらいし、デカくて鞄に入れときづらいの……
つまりハードカバーでも、値段が安くて軽くて小さければ買う……ってそれ文庫本やー。



ゲームで言うとちょっと『逆転裁判』な感じもする。
どこがというと……どこかなー……。
ちょっ、異議あり
いやその…やっぱ伏線の面白さ!かな。
逆転裁判』はカプコンの大名作だからやったことない人はやってみて。
GBA・DS・携帯アプリといろいろな媒体でできるけど、
やっぱり初代のGBA版のが一番没入感があって良い。
千尋さんが好き。
主人公の上司で敏腕弁護士。
開始一時間ぐらいで 殺 さ れ る けどね。
衝撃的な展開。
興味持った人は『逆転裁判』も是非。



ああええと、そろそろgdgdなのでまとめる。


・読んで!そしてぞぞげ立って!!
・伏「線」どころか「網」になるまで張られた伏線を楽しんで!
・その「仕掛け」がなくてもきちんと「刑事ドラマ(バディ物」として面白いから!!
新潮文庫なのでカバー隅の▲青三角集めてる人(俺)にも嬉しい。
・なんなら貸し出すので。

いまのところ荻原浩はホームランを含む二打数ニ安打。
『神様からひと言』も面白かった。ドラマ的。サラリーマンの話。
この人の話はドラマ向きなのが多いのかしら?
明日の記憶』も読みたい。文庫版があれば。