明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

イギリス観光の話

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卒論作業が遅々として進まないので、
久しぶりに旅行の話でもして現実逃避を。

逃げ足は速いんです。
特に現実から逃げる時はすげぇ速いです。
ドーピングいらず。

お薬なしで精神を現実から乖離させることはワタクシの得意とするところですね。



★イギリスの話。

4日間ある終日フリーの1日目は日曜日。
卒論史料を探しに行くナショナルアーカイブスの休館日だったため観光する。
目的地も決めずとりあえず地下鉄に乗った。
地下鉄に乗ってから
「じゃあどこ行こっか?」
と車内で言い出すフリーっぷり。
2人ともノープランである。

途中の駅で「ロンドンマップ 20£」という自動販売機があったので買ってみる。
20£硬貨を入れてレバーを押す。
・・・・・・出てこない。
押したり引いたり揺らしたりしても出てこない。
早速ロンドンに20£(約500円)呑まれる。
これが日本なら自販機を蹴ったり殴ったり、
駅員に「千円入れたのに出てこない!」と無茶を言ったりするところだけれども、
いま自分の行動が日本の対外イメージを左右するのだと考えるとそう無体もできない。
カマボコ型トンネルからカマボコ型電車が押し出されるようにホームに滑り込んで来てしまったので、
諦めて乗る。
ええいちくしょうめ。
しかし今思うとこれは「お金が消える」という今回の旅全体の印象を示唆していたようにも思える。

とりあえず「ロンドンの中心」であるという「トラファルガースクウェア」に行く。
チャリングクロス駅で降りる。
登って出口を出てみると(二重表現)、
ホットスパーがあった。

……な、なぜホットスパー
セブンイレブンでもファミリーマートでもサークルKサンクスでもなく……。
他のコンビニは一社も無くて、
そのためにちょっとした苦労をしてしまったんだけれども、
まぁそれはともかくとして、
なんでロンドン中心地にホットスパーなんだ。
日本でも頻繁に見るコンビニじゃないのに……。
せっかくなので水を買った。
レジの人がなに言ってるかさっぱりわからずちょっと前途が不安になる。


さてトラファルガースクウェア
そこに何があるかと言えば、
トラファルガー海戦(1804)の戦勝を記念して建てられたネルソン提督の銅像がある。
日本で「銅像」と言えば、
まぁ思い出されるのは二宮金次郎のアレとか、
せいぜい各大学に設置されているであろう各大学創立者銅像であるとか、
「ぶつぞう」「どうぞう」といった類のアレであろうと思うのだけれども、
このネルソン提督像の特徴は何かと言うと、
高い。

ものすごい高い柱が立っていて、
さらにその上に立ち尽くしている。
銅像と言っても、
実質その場に行ってみれば見えるのは高くそびえる「柱」だけで、
その場に行っていくらその柱を見上げても銅像のつま先も鼻先も見えず、
30メートルぐらい離れるとようやく遠く小さいネルソン提督本体が見える。

なんか意味無い。
実際に上の写真でも見切れている。

いつだか紹介した明治時代の新聞エッセイ『倫敦! 倫敦?』(岩波文庫長谷川如是閑)から、
トラファルガースクウェアについて書いてあるくだりを抜粋すると、

……僕はいつもこの広場に来て、莫大もないアスハルトと泉水の水に気を呑まれて、頭の上にネルソンが居ることに気がつかない。高い柱があるとは思っているが、それはネルソンを載せる柱だとはちょっと思い当たらない。…この広場に立って、ネルソンを見ようとすると、首の骨の折れるほど仰向いて、提督の顎と鼻の穴と帽子の裏を見るに過ぎない。……

1910年に大阪朝日新聞から特派員として派遣された長谷川如是閑という日本人。
その人とああ同じ物を見ているのだなぁと思うとちょっとした感慨が無くもなくもなくない。
しかしこの、
「ネルソン提督は立派な人だよねー。」
「じゃあなんか立派なモノ作らなきゃねー。」
「普通の銅像じゃ普通すぎるよねー。」
「じゃあどうしよっか?」
「うーん、偉い人は高いところに居るべきじゃない?」
「そっか、お前頭いいな。そしたら柱でも立てよっか」
「イイネ! その上に銅像作れば、超偉大じゃね?」
「だよねー、でさ、周りにライオンの像とか作るのどう? ライオンなのに像(イギリス流ジョーク)」
「いいねーシニカルだねー(?)」
という会話がなされたのかどうかは皆目わからないけれども、
なんだかイギリス人のちょっとよくわからない精神性のちょっとよくわからない感が、
このものすごい高い柱の上に仁王立ちしているネルソン提督の銅像によく現れていると思うのだ。
まわりにライオンを置いてにらみを利かせようぜ! っていう発想もなかなか日本人にはない。

まぁそんな都市建造物の特徴から見る人類学的考察はいいとしても、
なんだかこのトラファルガースクウェアという場所は観光地として地位を確立しているらしく、
(見た感じ)アメリカ、ドイツ、フランス、カナダ、中国、など、
色々な国の人がここを訪れているのだった。
休日なので家族連れも多く訪れており、
子供達はそのネルソン提督の周りに居る4体のライオンにまたがったり登ったりしてはしゃいでいるのだった。

なのでそのライオンに登ってみた。
デカイ。
高い。
やや怖い。
これは誤って落ちたらちょっとしたケガをする高さだけれども、
やはり子供は気にせずに登るし、その家族も特に気にしてない。
日本ならまぁ間違いなく「登るな」ということになっているだろうけれども、
やはりこのあたりは個人主義の生まれた国イギリスらしい放任主義というか自己責任で、
ライオンには登り放題なのだった。
しかし登ってみて写真を撮ってもらってみたところ、
どうもこのライオンが調子(とライオン)に乗った東洋人に対して大きなため息をつくような、
疲れたような呆れ顔をしているように見えてしまうのはまぁ致し方の無いことだ。

ネルソンの柱に登り放題かどうかはわからないけれども、
とりあえず実際にチャレンジしている人は見かけなかった。
訪れた方はチャレンジしてみるのもいいかもしれない。

しかしこのライオン像、
三越デパートのあのライオン像のモデルになった像だということを聞いていたので、
もっと小さいモノを想像していたんだけれども、
実際に見てみるとその大きさに驚いた。
感覚としては三越ライオンの10倍の大きさぐらいはある。
ちなみにロンドンにも三越ロンドン店があるけれども、
三越ロンドンの前にはライオン像は無かった。
やはりライオン像の本場であるロンドン市民に遠慮しているのだろうか。
知らん。









とりあえず今日はこの辺で現実逃避終わり。
明日は授業の日だし、頑張らなければ。
卒論も頑張らなければ。