明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

映画『HK 変態仮面』観た。なんてすごいんだぁ…(恍惚)

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画像は映画『HK 変態仮面』公式サイトTOPページ

ファーストデイを利用して見てきました。

いやもう… ホントに… 

こんな… こんな… こんな…

こんな馬鹿な映画があっていいのか………(絶賛)。



●あらすじ


刑事を父に、SM女王を母に持つ主人公・色丞狂介(しきじょうきょうすけ)は
ひょんなこと(強盗立てこもり)から「パンティをかぶると超人的な能力が発揮できる」ことに気づく。
そして彼は“変態仮面”として学園の平和を脅かす悪と戦うことになったのだ!

●感想

あのーほんとに。
良かったです。
涙が出ました。

原作の漫画は今から20年くらい前(1992~93年)
週刊少年ジャンプで連載していたギャグ漫画なんですけど
それが完璧に実写映画に仕立てられています。

単行本で全6巻しか出ていないというのが意外なほど強い印象を残した傑作というか、怪作
いま調べて2年間しか連載してなかったのに驚いてしまいました。

ちょくちょく
「90年代のジャンプってすごかったよね」
っていうふうに言われる時代のジャンプの中で
ひときわ異彩を放っていた作品でした

連載当時10歳にもなってなかったのに強烈に記憶にこびりついているのだから
相当です。

下ネタでコメディチック、コロコロコミックっぽいというか。
きちんと小学生男子にウケる、少年誌らしいギャグ漫画だったように記憶しています。

それをさぁ
ここまで真面目に、全力で、いい大人たちが、金と手間と労力と能力をつぎ込んで…
作りきっているのです。

目をつり上げ髪を逆立てパンティを顔にかぶって網タイツを履き
ブリーフをクロスして肩にかけているモリモリマッチョの変態

本当に生身の人間で作り上げているのです。

実写で見る「それは私のおいなりさんだ」がこれほど破壊力あるものとは…!

映る画面映る画面、馬鹿。
キャラクターたちみんな、ド変態。

そんな映画をスタッフたちが全力で作っている。
こんなにも全力で、大まじめに馬鹿をやっている。
それがもう、なんだか感動的ですらあって、涙がでるほど笑い続けてしまいました。

こんなにも原作に対する愛とリスペクトを感じさせる映画は他にありませんよ!
テルマエ・ロマエ』ですら上となんとかいうイラナイ要素がついてきてしまっているんですから!
俳優とか監督とか、そもそも企画のスタートが原作のファンである小栗旬発だったりして
いろんなものに恵まれた幸せな映画だったのではないかと。思います。

最近アメリカでは(『スパイダーマン』くらいから?)アメコミ原作のヒーロー映画が隆盛してますが
それを日本でやるとこうなるという…
実にクールジャパン。

おそらく日本でしか作り得ないだろうバカみたいな漫画を原作として
それを大好きな人が「これを映画にしたい」と言い出して
それを全力で作る才能や資金や能力が本当に集まって本気でつくりあげて
全国公開までできちゃうというのは
やっぱりきっと、日本でしかありえません。

そういった意味で、これは実に日本らしい映画だと
こんな馬鹿な映画は日本の他に世界のどこにもない
自信を持って言い切れる映画だと思いました。

そういった意味で海外での反応をとても見てみたい映画でもあります。

いい映画でした。
『勇者ヨシヒコ』シリーズの監督ということで、納得。
この作品も現代日本の映像作品の最先端、トップランナーであると思います。
(CGとかはおそらく予算の問題と、半ばわざとチープ感がありますが
. そういう問題ではなくね)



ただ、年齢や性別の問題で
ギャグのセンスが合わない人が見ると2時間苦痛なだけになると思うので
そこは気をつけて。

↓の予告編を見て、ピンとこない人は見ないほうが賢明だと思われます。





あとは

●瑣末な感想

…劇場について

全国公開とは銘打ちながら
富山や高岡のTOHOでは全然かからないで
はなぜだかファボーレのみでゴールデンウィークの一週間だけ
それも21時くらいのレイトショーで1日1回だけという
戒厳令下か! というような異様な限定感の中での上映でした。

1000円だからか希少価値があるからか、この日劇場の席はほとんど埋まっていて、
なんだか異様な熱気あるスクリーンでの上映となりました。
女性も結構居てキャハキャハ笑っていたのが意外といえば意外。

…キャッチコピーについて


映画『アベンジャーズ』のキャッチコピーで「日本よ、これが映画だ」というのがあって
上から目線のこのコピーに対していろんなパロディが作られたりする反響があったのですが

「世界よ、これが変態だ――」。

というキャッチコピーがこの映画を見ていて自然と思い浮かびました。笑。


…泣ける映画!?

なんかもうほんとにねぇ
こんな馬鹿な映画を作るのかと
ここまで馬鹿を一生懸命やれるのかと
馬鹿を徹底的に貫き通すことはここまですごくてかっこいいことなのか
スタッフたちの姿勢に胸を打たれる思いすらしてしまって
感動なのかなんなのか笑いながら涙を流してしまっていましたね。

感覚としては『よつばと!』のなかで風香がとーちゃん扮する「パンツマン」を見た時に
「アハハ馬鹿だ…!」と笑い泣きしていたようなあの感じ。
わかんねーか。

激しく感情を揺さぶられて、いい映画を見た後にになる
酒を飲んだ時のようにポーッとした感覚に浸りながら運転して帰ってきました。
あぶねーなー。


…上記感想文中の表現について

伝わっているとは思いますが
この項でいっている「馬鹿な」とか「バカみたいな」という表現は
そのまま「素晴らしい」という意味ですから。
まぁ、一応、念のため。


ああ、面白かった。