明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

下呂温泉で侘しい一人酒をする話

イメージ 1

旅行の写真がまだまだある。
というわけで画像は下呂温泉の駅。
写真はホントは次の日の朝とったものなので全体的に明るいですが。

イメージ 2

観光案内所もよくわからないデザインで大きな看板がついています。
ちなみに駅から降りた瞬間に
ゼファーと思われる爆音仕様のバイクをこれ見よがしにぶわんぶわん鳴らしている
高校生がいたのでテンションが下がりました。

(そしてこの爆音高校生を見て再び
「万が一絡まれた時の護身脳内シミュレーション」アビリティが発動されたのは言うまでもない)

だって下呂温泉にゼファーの爆音は似合わんでしょう
湘南ならともかく。
湘南ならいいんですよかつてマガジンでは『湘南爆走族』という名作暴走族漫画もやってましたし。

けどね。
それがもし舞台が下呂温泉ならどうなります。
どうなりますか。
タイトルからし下呂温泉爆走族』ですよ。

なんか急に…どやねんそれ…みたいな感じが湧いてくるじゃないですか。
正にこの下呂の温泉のごとく湧いてくるじゃないですか(思いついたから言った)。

しかし「下呂温泉」ってすごいネーミングですよね。
おそらく昔その名前が付けられた頃は「下呂」の同音語が吐瀉物を意味する言葉ではなかったのでしょう。
だってそうでもなければこんな地名つけませんもの。しかも温泉地に。

東京ラブストーリー』はありえてもやはり下呂ラブストーリー』はありえませんでしょう。
他にも思いつくまま作品中の地名を変えていきますと
下呂番外地』、『下呂行進曲』、『下呂湾景』…どれもこう、しっくりこない感じが素晴らしいです。
さらにカタカナで書くとよりあり得なさが浮き彫りになります。
地名って大事ですよね。

イメージ 7

たしか午後5時頃に駅に着き
宿に行くにはちょっと早いかな~ という時間だったので温泉街を少し歩いてみることにしました。
駅から温泉街へ出るにはこの異様に青い地下トンネルを抜けなければいけません。

いやーそれにしても青い。
実地で見た時も「青いなあ」と思ったけどこうして写真で見てみるとひときわ青い。
PS2の電源ボタンの青色発光ダイオードを思い出させる青さ。

これはおそらく「青は人の心を落ち着かせる効果がある」というカラーセラピー的なことに基づいて
このトンネルの中でケンカやなんや不良がたむろしたりそういうことを防ぐ狙いがあるのではないかと
想像します。

イメージ 8

まぁトンネルを抜けるとごく普通なんですけどね。
川があり橋がかかっています。
そしてこの写真の左側をよく見ると~…

イメージ 9

こ、こんなところに露天温泉が!
橋から丸見えですやん!

一応ガイドマップには「水着着用必須」と書かれていましたが…
それにしても
この行動から丸見えの中でこころを落ち着けて入浴するのはなかなか難しい気がしますが…。
特殊な性癖の方ならこれはこれで楽しめるのでしょうか。

マジで丸見えです。

イメージ 10

街のあちこちに手水鉢のようなものが置いてあり
中にはミニ温泉が湧いています。
手を触れてみると温かい! …というかちょっと熱いくらい!!

気合さえあればこのタダ温泉で洗顔くらいはできそうです。
そんな度胸はありませんが。

イメージ 11

温泉街をぶらぶらしていたら徐々に暗くなってきました。
画像は渡ってきた橋。
この右側に駅や先ほどの露天風呂があります。

イメージ 12

こちらが宿泊の宿。
名前は忘れました。
素泊まりで一泊4,000円!

まあー施設的には…

旅館というか民宿というか…

イメージ 13

よくあるこんな感じの部屋でした。
まあはっきり言って広くもなく新しくもなくキレイでもなくといった部屋でしたが
これはこれで落ち着きます。
一人旅にはこれくらいの侘しさが必要ですね。

こう… ついしみじみとしてしまうような… 風情のようなものが。

イメージ 3

扉の鍵が丸見えなのも風情風情
部屋はこんな感じでしたがお風呂はとても良かったです。

入るなりアルカリ性のお湯に旅の垢と汗が溶けていって
上がると肌がツベツベになりました。
湯上がりたまご肌!

手のひらでお腹やわき腹や太ももを触ると肌にスッと吸い付くような感触があります。

こ…これは…10代の頃の肌(驚愕)!

水滴も弾かれて肌の上で丸く固まり
小さなドーム状の湯の粒がぽつりぽつりと肌に浮いているような状態で
ほとんどタオルで拭かなくても自然と乾いていきます。

若返りました。

イメージ 4

温泉から上がったらビール! ビール!(迫真)
駅前の酒屋で買い求めた地ビールをそのままグイグイやります。
ピルスナータイプで飲みやすい味でした。たしか。
なんでも温泉水で仕込んでいるから胃腸に優しいんだとか。ありがたいことです。

イメージ 5

ビールが終わったら昼間買っておいた地酒へ。
「そうださかずきを買わなければ!」とはたと思いついたので
高山の駅前のお土産物屋でひとつだけ買いました。

これがあるかないかで大きく味が変わりますからね。
日本酒というのは。
いえ日本酒に限らず酒というのはやはりすべて器によって味も確かに変わるというもので
どんなにいい酒でも高い酒でも
紙コップで飲むとそれは紙コップで飲むような酒の味に感じられます。

一度免税店で買ったおみやげのナポレオンをサークルの飲み会で一本空けましたが
やはり紙コップで飲むと… うーむ興が乗りませんでした。
やはりブランディというものは丸い大きな手のひらに余るくらいのガラスのグラスに入れて
そのグラスに少量入れた濃い色のブランディを左手でくるくると回しながら
右手ではチンチラみたいな毛の長い猫を撫でている、という状況が一番美味しく飲めそうです。
あ、服装はもちろんバスローブで

その点この「わさび染め」というシールの貼られたさかずきは
土の色のような茶色の上に山葵色の釉薬が掛けられて
茶道の茶碗をそのまま小さくしたような、なかなか渋い一品でした。
この侘しい一人酒を満喫するのにぴったりの盃です。

そこに地酒(純米酒)を注いで…
っカァー!

イメージ 6

ツマミは朝市で買った浅漬と味噌だけで…
…っカァー!

窓を開けて川の流れる音を聞きながら…
一人で日本酒をすすって…
つまみはミョウガの漬物と大葉の入った味噌を割り箸で舐めるようにして…

わびしい!
 
わびしすぎる!


わびしくてすごく良い!!

腹が減ってたからか
このビールと日本酒1合だけでけっこう酔っ払いました。

ごく辛口の日本酒が
侘しさと絶高の孤独感をもって
しみじみと五臓六腑に染み渡ります。

たまにはこういうのもアリですね。
いつもだと寂しすぎていやですけど。

こういうところで一人酒をすると…

この… こう…

酒よりも… アルコールよりも…

自分に酔ってる感じがたまらないというか…

しみじみ酒と向き合えます。
この場合やはりつまみはなにか豪勢なものよりも
簡単で高価でなくてありふれたものの方が雰囲気が出ます。

日本酒の場合は刺身なんかよりもやっぱり漬物とかかつお節だとか。
手をかけるにしても冷やっこくらいが上限ですね。
薬味を切ったり醤油をかけたりする以上の手間を掛けるのはこの場合してはいけません。

やはりこの旅先で、旅先ならではの「孤独感」を味わうには
スルメであるとか洋酒ならビーフジャーキーであるとか乾き物のようなものの方がふさわしいでしょう。
甚だしいものでは「塩」ということもありますしね。

しかし塩だけで酒を呑むような一人酒は旅行の時なら「旅情」という美しい日本語にも変わりますけど
ただ独り暮らしをしていて「他にツマミがないから」という理由だけでそれをやると
わけもなく死にたくなりますから注意ですね(経験者談)


いやしかし
我ながら枯れてますなあ…