明日はもうすこしマシにします

日記のブログです。ヤフーブログから引っ越したので過去記事には不具合があるかも(2019年10月)。見たり読んだりししたものや考えたりしたことを忘れないうちにメモっておこうというもの。ヤクルトファン。

『背番号1の打撃論 小さな体でもホームランが打てる!』(若松勉/ベースボールマガジン新書)

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ヤクルトスワローズ監督で
現役時代は「小さな大打者」と呼ばれた若松さんの自伝的新書。

内容はいかにしてプロ入りし、中西太バッティングコーチとフォームを作り上げ
二度の首位打者など活躍を重ねることになったかというようなことで
実際に「打撃理論」を語っているページは少ない。

それも要は「下半身主導のバッティング」ということと
そのためのトレーニング法を何種類かくらい。
…まぁそれでも全然いいんですけどね若松さん好きだから。

でもタイトルの「小さな体でもホームランが打てる!」の部分に期待して買うとやや肩透かしを感じるかも。

とはいえ実際にプロ野球史上屈指の成績を残した方なので
その説得力は他の野球理論本よりずっとある…と言えるかもしれません。

あと、あたかも二人が対談したかのように
ヤクルト青木の写真と言葉が帯に載っているけど
特に対談も無いので、青木ファンの全国一千万人女子高生のみなさんも肩透かしを食らうはず。

ヤクルトという地味なチーム(オイ)だったために
たとえば王・長嶋など球界の大スターに比べると一般的な知名度は劣ってしまいがちですが、
公称168センチ(実は166センチ)という恵まれない体格で
通算打率.319という成績を残した…ええと、かなりすごい人なんです。

実際のプレーはみたことないけど。
当時としては数少ない北海道出身のプロ野球選手として
北海道中心に「若様」と呼ばれ人気が高かったそうです。

監督としても選手・ファンから愛され、
若松監督の後を継いでプレイングマネージャーをやることになった古田いわく

「野村監督は『この人についていけば優勝できると思わされる監督』、若松監督は『この人を優勝させてあげたいと思う監督』」。

だそうで、若松さんの人柄がよく表れている監督評だとおもいます。

引退後も打撃コーチとしてヤクルトに貢献し
池山や岩村など背番号「1」をつける選手を育てました。

青木も若松監督時代にに才能が開花、今年から背番号「1」を着けてます。
01年のヤクルト優勝時には、「ファンの皆様、優勝おめでとうございます」という名言を残しました。
なんていうかすごいいい人です。温厚だし。
身体中からいい人オーラが溢れだしてる感じ。
(そんな若松さんも、現役時代試合で打てなかった日は湾岸線をぶっ飛ばしながら
「バッカヤロー! コノヤロー! コンチクショー!! 次は絶対打ってやるからな!!!」
と叫んでストレスを解消してから家に帰っていたというエピソードは貴重/笑)

体格というハンデをいかに克服するか、他選手が持っている恵まれた体格という才能を、
積み上げた努力で凌駕していく野球人生を送った選手です。
素直で実直に努力できることは立派な才能であると証明し続けた野球人生だったのです。
だからすごいし、読むべき価値が生まれるわけです。

まぁ、それでそのすごい人の自伝を読んだからと言って
この、言われる通りに、自分自身が努力ができるかと言えば当然、
出来る自信がないわけですが(むしろ出来ないできるはずがないという強い自信がある)。

岩村の「何苦礎魂(何ごとも苦しむことが礎となる)」みたいな座右の銘というか信念というか
一言でその人やその人の人生を表せるようなキャッチーな言葉があれば
ビシッと本全体が決まるんですが
若松さんの場合特にそういうのもないですし…(文中で「万球一会」という造語が紹介されてはいますが)。

まぁそのあたりの肩肘張らない自然体の感じも若松さんの魅力でしょう。
ということでご納得をいただきたい。

背番号「1」について書かれている部分には

「背番号3はミスター・ジャイアンツ、背番号1はミスター・スワローズ。巨人の3は長嶋さんの偉大な伝説とともに生き続けるが、ヤクルトの1はそれを受け継ぐ選手のために未来に向かって開かれた数字であればいいと思う。(p178)」

ご存知の通りジャイアンツにはいくつかの「永久欠番」があり
現役時代その番号をつけていた(王・長嶋などの)選手を顕彰するために
今の選手はその背番号をつけることができません。

しかしスワローズの場合は「準永久欠番」という扱いで
その活躍がチームの中心打者であると認められた場合、つけることができます。
受け継がれるものなんです。
どちらもいい面があると思いますが、もちろん後者の方が好きです。

そんな背番号「1」をつけた、「ミスタースワローズ」青木率いるヤクルトですが
現在は3位巨人と4・5ゲーム差の4位!

んー
まぁー
残り試合とか現在のチーム状況を考えると
クライマックスシリーズ進出はかなり難しい状況になってきてはいますが
ファンも、もちろん選手たちもまだまだ諦めていません!!

メークミルミル目指して頑張れヤクルトスワローズ